2010/02/09

別冊少年マガジン3月号

Img564 昨年創刊した別冊少年マガジンに、「嵐の伝説」というちょー面白いショートギャグが掲載されています。作者は佐藤将で、過去にマガジンスペシャルで「エラガク! ~都立偉人学園」や、週刊少年チャンピオンで「コトノハ学園」を連載していた方です。週刊少年チャンピオンでは現在も読者ページのイラストを担当中。

 ストーリーは簡単に言えば、崩壊した近未来で人類の指導者となる男、嵐分吾の物語なのですが、崩壊した未来と崩壊以前の高校時代が同時に描かれていて、そのギャップで笑わせる作品です。例えば、未来では常に人の一歩先を行く嵐ですが、現代では妹の一歩先を行き買ってあったアイスを食べちゃうとか、そんな感じ。
 絵はお世辞にもうまいとは言えないのですが、別マガサイトで第1話を無料で読めるので、気になった方は「別冊少年マガジン」でググってぜひ読んでみてください。

 で、別マガの先月号で、嵐の軍団(崩壊した未来で嵐が統べる軍)の団員募集という読者参加企画がありました。もちろん私は即応募と思ったのですが、なんと募集要項がペンネーム禁止で、団員として認められれば出身地と本名が誌上で発表されてしまうという……。
 さすがに躊躇してしまいましたが、崩壊した未来ではそのわずかな躊躇が死に直結する! そのことに気付いた私はすぐさまネットから応募し、それでも間に合わなかったかもと思いつつ今月号の発表を待ったわけですが、結果は……

「今回は招集に迅速に対応したということで、駆けつけた者全員の入団を許可する!」

 イヤッホー! やりましたよ美作さん! 崩壊後の世界ではこの命、嵐隊長に預けます!

 というわけで別冊少年マガジン今月号には、私の出身地と本名が載っているのですが……実は軍団員は、まだたったの22人。私はそのうちの1人なので、スーパーハカーなら本人特定も容易かも? いやホントマジ勘弁してください……。崩壊後の未来ではこの命ある限り戦いますが、現在は目立たずひっそりと生きていたいんです……。

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2010/02/08

最近読んだマンガ(02/08)

Img563 「ちづかマップ」 襟沢世衣子
 誤解を恐れずに言うと、こち亀の下町文化話を女子高生を主人公にして描いてみました、という感じの作品。正直これだけで終わりらしいのがもったいないくらい面白いです。特に修悦体の話は、面白かったしためにもなりました。確かにあのJRの駅で使ってるフォント(と言っていいんだよね?)は、私もよく目にしてましたよ。ネタがあるならもっともっと描いてくれればいいのに、と思える一冊でした。

 「うさぎドロップ」(7) 宇仁田ゆみ
 なんというかかんというか、とにもかくにも面白い。息が詰まる感じです。正直言って、完結したら、その年のマンガランキング1位は確定? この7巻では、ついにりんが自分の母親のことに興味を持つわけですが……。あーもう、面白いよ! なんていうか、もっと売れようよ! 何言ってんだかわかんないよ!

 「サマーウォーズ」(2) 杉基イクラ
 映画版と比べて、ばあちゃんの見せ場が削られてるのは残念だけど、夏希がヒロインっぽく可愛いく描かれているのがポイント高し。ただカズマのバトルは、やっぱりキーボードで3D格闘をやるというのがどうもなー。モーションキャプチャーみたいな方法で戦うという案は絶対出たと思うんだけど、取り入れなかった理由はなんなんだろう。

 「L16」(2) 東屋めめ
 16歳と28歳の姉妹4コマ。完結。作者の作品はどれも好きですが、このL16(レディーシックスティーン)は姉想いの妹と妹想いの姉という組み合わせがとても微笑ましくて、これまた好きでした。完結が早すぎるとは思いますが、それは仕方ないにしても、一つだけ心残りは最後の書き下ろしのあとがきに春香さんが出てこなかったこと。春香、奈々香という姉妹としての未来像を、ちょっとだけでいいので見せてほしかったなー。

 「ぬらりひょんの孫」(9) 椎橋筧
 遠野編終了、そして京都編開幕。妖怪仁義物として相変わらず面白いですが、実は単行本を買ったきっかけは、「ぬ」で始まるマンガが他に無かったからというのは秘密。正直キャラ多すぎだと思うんですが、対羽衣狐でそれぞれ見せ場きちんとやる気なのかなー。もしやるのなら、ものすごい長編になりそうだ……。あと羽衣狐って、放課後プレイの彼女に似てますよね(禁句)

 「今週のハートキャッチプリキュア」
 なんとなくですが、ついでにこれの感想も書き続けようと思います。
 えーと、まずきっと誰もが思うのが、えりかの髪の色というか性格というか、その部分の不一致ですよね。青い髪がクール系というのは寒色という言葉が存在することから正しい理屈だと思いますが、事前情報を主人公2人の外観しか仕入れてなかった私には、正直予想外の性格でした。あと、「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!」が変身セリフなわけですが、桜でそういう表現ってアリなの? とは思いました。とりあえずはそんなとこですかねー。
 ……え、内容? いや、実は私プリキュアシリーズをちゃんと見るの初めてなので、過去のプリキュアと比べてとか全然わからなかったりします。け、けして水樹奈々目当てとかじゃないんだからっ!

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2010/02/02

最近読んだマンガ(02/02)

Img562_2  「五月原課長のつぶやき」(5) 中島徹
 玄人のひとりごとと同様相変わらずなマンガですが、作者のマンガがそもそも好きな人なら問題ないでしょう。それよりショックだったのは次巻が最終巻だということ。がっかりだー。

 「キルミーベイベー」(2) カヅホ
 ちょっとワンパターン気味。あぎりさんの出番をもっと増やしてよ!

 「鋼の錬金術師」(24) 荒川弘
 そろそろ終章のキモに入りそうな感じでしょうか。ちょっと怖いのが、今までの経過に関係なく、最終決戦の結果が全て、ということになりそうなこと。別に予兆があるってわけじゃありませんが、どうかそうはなりませんように。

 「GIANT KILLING」(13) ツジモト
 ここで勝たずに引き分けなところがジャイキリっぽいですね。しかしまだ前半戦終了。シーズン終了までやったら、それだけでもう30巻くらい? 面白いから別にかまわないんだけど、でもちょっと長すぎな気もするかなー。

 「ダブルフェイス」(20) 細野不二彦
 ついにすべてが繋がり、ラスボスが確定した感じ。まだいくつか山はあるんだろうけど、とりあえず次巻の小泉クンの反応に期待。というか小泉クンの行動のせいで、WHOOにとって予想外の展開とかになるんだろうなーw

 「テルマエ・ロマエ」(1) ヤマザキマリ
 ローマ人の風呂マンガ。展開はちょっと強引だけど、いやいやこれは面白い。興味深いという意味での面白さが目立つけど、ルシウスの家庭環境の行方もすごい気になるw ただあんまり長い連載には向かないだろうし、次巻で終わりって感じかなー? そのうちレビュー予定。

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2010/01/25

最近読んだマンガ(01/25)

Img560_2 「いるのにいない日曜日」 三好銀
 オビに「『三好さんとこの日曜日』の後日談」と書かれていたので、てっきり続編だと思っていたら、なんと単行本未収録話集でした。でも十数年ぶりの続編というのは絵柄的にも内容的にも怖いので、正直言って未収録話集で良かったと思っています。当時の雰囲気そのままで良かったですが、なんというか当たり前(笑) しかしこういう場合、三好さんとこの日曜日の新装版とかも出すのが普通だと思うんだけど、そのへんどうなってるんだろうか。いや私は古いの持ってるので、出なくてもいいんですけどね。

 「星守る犬」 村上たかし
 このマンガがすごい等でも取り上げられていた作品なので、知ってる方も多いでしょう。私は薦められて読んだのですが、いやー、泣かされました。泣かないぞー、って意気込んでたんですけどね(笑) 近日きちんとレビュー予定。

 「やおよろっ!」(2) なつみん
 相変わらずそれなりには面白いですが、なんというか、そろそろ次の芸を持ってこないとまずい気がします。あとは画力の向上の方もよろしくおねがいします。

 「天上天下」(21) 大暮維人
 棗真夜のちびっこボディの出番はもう無いのでしょうか……。

 「未来日記」(9) えすのサカエ
 なかなかすごい展開ではありますが、主人公ってみねねだっけ?(笑) そろそろ終わりだとは思いますというか、引き延ばしたりせずに終わらせてくださいねー。

 「神のみぞ知るセカイ」(7) 若木民喜
 相変わらず面白いですし、また物語の根本が動き出す時期としても間違ってないと思います。問題は、今後の展開というかまとめ方なわけですが、まだ心配するのは早いでしょうし、楽しみに読み続けたいと思います。

 「生徒会役員共」(3) 氏家ト全
 相変わらず面白いです。やっぱり妹は思春期よりもこっちの方がエロネタが抑えられてて好きだなー。

 「おうちがいちばん」(5) 秋月りす
 秋月りすはホント安心して読めますね。

 こんな感じで、すでにレビュー済みのマンガの新刊を中心に、簡単な感想を書いていこうと思います。定期的にしたいので、一応毎週月曜日予定ということで。
 これとは別に、週刊誌や月刊誌の感想も書きたいのですが、うーん、そっちはどうやってやろうかなー。

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2010/01/17

とある飛空士への追憶

Img559 原作・犬村小六、作画・小川麻衣子。ゲッサンにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 中央海をへだてた神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上という大国同士の戦いは、天ツ上の開発した戦闘機「真電」の出現によって一変する。それまでは戦況を有利に保っていたレヴァームだったが、制空権を奪われ天ツ上本土領地であるサン・マルティリアも爆撃を受け、サン・マルティリアを管掌するディエゴ・デル・モラル公爵が死亡するなど、状況は悪化の一途をたどっていた。そんな中、デル・モラル空挺騎士団エースである青年、狩乃シャルルは、軍司令部より極秘指令を受ける。それは、死亡したディエゴ公爵の一人娘であり、半年後にレヴァーム皇子との婚姻を控えたファナ・デル・モラル嬢を、複座式の偵察機でレヴァーム本土へ送り届ける、というものであった。レヴァームと天ツ上との混血児として生まれ、9歳の時には孤児となるなど不遇な人生を歩んできたシャルルだったが、実は彼は幼き日に偶然ファナに出会い、生きる希望を貰ったことがあった。もし天ツ上に狙われているとも言われるファナをこの苦境から救い出すことができたなら、いつ死のうとも後悔せずに済むのではないだろうか。そう考えたシャルルは、ファナを連れて単機レヴァーム本土を目指すことを決意する……。

 そんな出だしの、飛空挺を舞台とした冒険ファンタジー。同名のライトノベルのコミカライズ作品です。お姫様との二人旅、という設定はまぁありがちだとは思いますが、展開や表現がラノベにしては非常にストイックで、原作はなかなか面白かったですね。ネット上では評判になってましたし、読んだ方も多いんじゃないでしょうか。そしてこのコミカライズ版ですが、全体的に原作に忠実で、ストーリー的には安心して読めるつくりになっています。そしてコミカライズの利点である視覚的な部分ですが、個人的には成功してるんじゃないかと思います。特に二人で飛び立って、ファナの表情が出るようになってからがいいですね。ファナは元々は感情を押し殺した表情を持たないお人形というキャラで、作中で徐々に感情を表すようになっていくわけですが、文字だけでは物足りなかった表情という部分をこのコミカライズ版では見事に補填していると言えると思います。こうなると、2巻以降の展開になる天ツ上空軍との戦闘や、来るべきエンドシーンにも期待が持てるというわけではありますが……ここに一つ、不安要素があります。それは、今作は映画化が決定しているということ。

 アニメなのか(無いとは思いますが)実写なのかはわかりませんが、ファナの表情を視覚的に表す、という利点がコミカライズ版だけのものではなくなってしまうのは確実です。そしてこれはまだ絶対ではありませんが、コミカライズ版連載中に映画版が公開されてしまえば、話題は映画版にさらわれてしまうのは必死で、コミカライズ版は本当にオマケ程度の扱いというか、映画版の宣伝材料の一つ程度になりかねません。個人的にはそれは非常に悲しいので、なんとか作画担当の小川麻衣子には、終わってみればコミカライズ版も素晴らしかったと世間に言ってもらえるよう、頑張ってもらいたと思っています。

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2010/01/07

フタガミ☆ダブル

Img557 矢吹健太朗 著。週刊少年ジャンプ2010年05、06合併号掲載読み切り。

 ごくごく普通だと自分では思っていたし、その日までは実際その通りだった中学生、双神想介は、ある日背格好から服装まで何もかも自分そっくりの人間を見てしまう。さらに自分がいないはずの場所にいたと姉やクラスメイトたちから続けざまに言われ、彼はそれが自分で見てしまったら死ぬと言われているもう一人の自分、ドッペルゲンガーではないかと考えはじめる。ところがそこに、想介が密かに憧れていたクラスメイト、雨音結花が現れ、それはドッペルゲンガーの正体である幻人(イド)という残留思念の集合体であり、早く捕まえないと面倒なことになってしまうと言うのだったが……。

 そんな出だしの、学園オカルトコメディー。上記あらすじ通り、「ドッペルゲンガー」と「イド(自我)」というネタを合わせ、それをふくらませてつくったという感じのお話です。ドッペルゲンガーを見た者は死ぬ、というのは現実にある都市伝説ですが、それに対するオリジナルの答えも作中で示してあり、単にドッペルゲンガーという設定を流用しただけでなく、ネタとしてきちんと組み入れてあるな、という印象をうけました。作品設定としては使い回しが効くし、キャラも問題なしとすぐにでも連載できそうな勢いではありますが、そもそも作者は「BLACK CAT」や「ToLOVEる」と言った人気作を手がけていたわけですし、これくらいやってくれないと困る、というのが本当のところかもしれませんけどね。

 そして今回調べていて、離婚騒動のことを初めてちゃんと知りました。ToLOVEる連載終了時に妻がどーこーとかネタになっていたのをちらっと見た覚えはありますが、まさかこんな展開だったとは。どこまでが本当なのかとかはわかりませんが、こうして高評価の読み切りの発表もできたことですし、これからもぜひがんばってほしいと思います。

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2010/01/03

コミックマーケット77

100104_001154 もうけっこう前からずっと参加してはいますが、今回も一般として全日参加してきました。本当は前日設営も行くつもりだったのですが、体調が思わしくなかったので今回はパスしました。

 私が買うのは、創作少年がメインです。あとはプロとか元プロとかそのあたり。以前は青年FCとかも買ってましたが、最近は創作少年以外の新規開拓はしなくなりました。主に財政的な理由で。

 なので、1日目2日目も行きはしますが、両日とも買うのは数冊で、会場には1時間弱しかいません。3日目もチェックしたところを周ったあとは創作少年をうろうろするだけで、会場にいるのは2時間弱ってとこですかね。昔は4時までいたものでしたが、あれですね、もう年齢的に若者にはかなわないということでしょう(涙)

 あと企業は、芳文社やサンデーGX、コミックハイとかの企画本を買うくらいですね。コミックハイで売っていた下着セットはちょっと引きました(笑) アレはきつい(笑)

 画像は買った本の一部です。今回は東方の本を2ヶ所で買いましたが、実は東方シリーズやったことなくてキャラもまったくわかりません。いつもチェックしてるサークルなので買ってみたのですが、やっぱり元ネタわからないと面白くありませんね……。当たり前と言えば当たり前。

 以前文芸や同人ソフトでサークル参加していた時期もありましたが、最近はしていません。同人ソフトはもう一回つくりたいとは思っていて、一応企画自体はあるのですが、完成にはほど遠い状態です。完成のめどがついたらまた申し込むつもりですが、正直いつになることやら……。

 状況が許す限り、コミケには参加し続けたいとは思っています。と言っても、今のところ状況が許さなくなる予定はありませんけどね(笑)

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2010/01/01

あけましておめでとうございます

Img556 毎日感想は終了しましたが、本年は不定期にてマンガ感想、雑誌感想、及びコラム(のようなもの)を書いていきたいと思っています。どうぞ適当によろしくお願いします。

 画像は週刊少年サンデー連載の「ダイナマ伊藤!」 寅年なので表紙に虎が出てくるマンガの画像を使おうと思ったのですが、こんなのしか思い出せませんでした。小学生向けレベルのギャグマンガですが、個人的には単行本買うくらい好きでした。現在は月刊スピリッツで「新ダイナマ伊藤!」を連載中。感想書いたつもりでしたが、書いていませんでした。

 さて今後の予定としては、とりあえずブログの構成をちょろっと変える予定です。主にカテゴリ関係。4コマカテゴリを追加して、雑誌感想用に雑誌カテゴリも追加予定。

 それからデータ分析をはじめます。これまでマンガ429タイトルの感想を書いていますので、有意義っぽいデータからあきらかに無意味なデータまで色々。おそらく何回かにわけて書くことになるとおもいます。

 あと個人的な話ですが、積まれてる雑誌を読まないと……(汗) 昨年11月くらいからホント余裕なくて、雑誌は買っても優先度の高い連載だけ読んで、残りはあとで、という見事なダメループ。積み単行本は自分で買った分はそんなに積んではいないんですけどねー。

 それからマンガではありませんが、DSの世界樹の迷宮2をクリアしないと。現在28Fくらいまで行ってはいるんですが、セブンスドラゴンやドラクエ9をやっていたこともあって、長らく中断中でした。世界樹の迷宮3の発売日は、3/4だったかな? それまでになんとか。

 新年最初の感想は、多分ジャンプの矢吹先生の読み切りを書くと思います。それでは今年もよろしくー。

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2009/12/31

2009年(俺的)マンガランキング

 本日は趣向を変えて、2009年の(俺的)マンガランキング発表です。

 選考基準は2009年中に単行本が出た作品ですが、完全にそうとは言えない部分もあるので、そのあたりは軽く流してくださいませ。

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 1位「放浪息子」志村貴子 サイト内レビュー

 なんと言っても、8巻ラストの二鳥くんの行動には驚かされました。女装癖があるというか、おそらく二鳥くんは叶うならば本気で女の子になりたいと思っているんでしょうが、いやそれでもまさかです。そしてそのまさかは、7巻までの積み重ねがあってこそのもの。ホント今後も楽しみということで、1位とさせていただきます。

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 2位「アイシールド21」原作・稲垣理一郎、漫画・村田雄介 サイト内レビュー

 関東大会準決勝、対王城ホワイトナイツ戦までは、本当に面白いマンガでした。ところが、それ以降が展開的に蛇足であるという意見はまったく否定しませんが、実は話としては十分面白かったんですよね。さすがにワールドカップユース編はだれてきていましたが、それでも無事終わったということで、2位ということにしたいとおもいます。

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 3位「ヴィンランド・サガ」幸村誠 サイト内レビュー

 こちらも偶然1位の放浪息子と同じく、8巻の展開が衝撃でした。レビューにも書きましたが、まさかの8巻にしてのプロローグ終了ですよね。ヴィンランド=北米東岸ということで、果たしてどんな展開を見せつつ、話はそこへ向かっていくのか。本当に今後も楽しみです。

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 4位「フープメン」川口幸範 サイト内レビュー

 黒子のバスケさえいなければ……というのは言っちゃいけないお約束。ジャンプ17週打ち切りバスケマンガではありますが、今年の新連載の中では、私にとっては一押しの作品でした。というわけで、期待も込めてランクイン。作者は次の赤マルで読み切りを描くらしいですし、要チェックです。

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 5位「ハニカム」桂明日香 サイト内レビュー

 きっかけは友人に1巻を借りたことだったんですが、あまりの面白さにすぐ自分用を買ってしまったといういわくつきの作品。これ以降作者の作品は色々読みましたが、作者特有の動きと艶のある絵柄が一番映えるのは、やっぱりこのハニカムなんじゃないかと思います。

 やー、今回は実は、選考に苦労しました。これはランキング候補だなー、という作品はたくさんあったのですが、肝心の上位が見つからなくて(笑) というわけで例年に比べると小粒かなー、というのが私の感想ですね。

 あと個人的には4コマ作品を入れられなかったのが心残りです。「恋愛ラボ」はずっと当落線上だったのですが、出たばかりの4巻が個人的に今一歩だったのがマイナス点だったのかなー。

 それと心残りがもう一つ、私にとって現在一番面白い週刊少年誌はチャンピオンなのですが、そこから一作品も入れられなかったこと。「バチバチ」は最終候補まで残っていたのですが、最後の一押しが足りなかったという感じです。

 

 さて、以前から言っていたとおり、当ブログの毎日更新は、本日をもって終了させていただきます。今後もマンガ感想は書きますが不定期とし、同時にコラム用ブログである「Crushing Death」を当ブログに組み入れ、お茶を濁そうと思っています。

 思えば一年以上前、ブログを始めたばかりのころは、毎日更新なんかホントにできるのかなー、と思っていたものでした。しかし読んだり感想をくださったりしてくれた皆様がいたおかげで、ここまでこれたのだと思っています。本当にありがとうございました。そしてこれからも、どうぞ適当によろしくお願い致します。 

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2009/12/30

りびんぐゲーム

Img554 星里もちる 著。ビッグコミックスピリッツにて1990年~93年にかけて連載、単行本全10巻完結。

 社長を含めて従業員5人という小さな会社に勤める25歳の会社員、不破雷蔵の目下の不満は、住んでいる部屋がとにかく狭いということ。意を決して引っ越した先は、家賃は高いが広々とした2DK、しかも後日決まった会社の引っ越し先であるビルの目の前という好立地だったのですが……。なんと会社の引っ越し当日になって、会社が入る予定だったそのビルが手抜き工事で傾いてしまい、入れなくなってしまいます。元のビルには戻れないし、かといってある程度の広さがあって、すぐに荷物が置けて仕事が始められる場所なんて……。というわけでまさかのまさか、その条件にぴたりと当てはまった不破の新居に、会社が転がり込んできてしまったのでした。狭いのは嫌だと訴える不破でしたが、現状他にどうしようもなく、最終的には我慢するしかありません。ところがただでさえ狭いそこに、以前から約束していたからと、新人を入れると社長が言い出します。もう机を入れるスペースも無いと不満を募らせる不破でしたが、島根から出てきたばかりという15歳の女の子、氷山一角(ひやま いずみ)の希望とやる気に満ちあふれた台詞を聞いているうちに、不破は自分がまだ新人だった頃、仕事に広さは関係ありませんと熱意を持って言っていたことを思い出すのでした……。

 そんな出だしの、ホーム(住宅事情)ラブコメ。ストーリーはこの後、15歳ということで部屋探しがうまくいかないいずみちゃんが、最終的には不破くんの部屋(兼会社)で一緒に暮らすようになり……という感じで進んでいきます。そのあたりはとにかくいずみちゃんが健気で可愛いということもあり、展開的にもシチュエーション的にも読んでいて非常に楽しかったのですが、残念ながら中盤以降の三角関係部分にちょっと不満が残りました。具体的に言うと、今作では不破くんといずみちゃんはずっと両思いなのですが、そこに新キャラを出してどっちかに近づけさせて誤解から話がこじれて……、というパターンの繰り返しなんですよね。中盤までの時子絡みの三角関係はキャラも立ってたし設定もきちんとしてたし問題なかっただけに、中盤以降は非常に残念でした。

 しかしその部分にさえ目を瞑れば、いずみちゃんは健気で可愛いし、住宅事情ネタというのは当時の時流にもあっていましたし、いずみちゃんは健気で可愛いし、丸っこい輪郭の画は私好みだし、いずみちゃんは健気で可愛いしと、もう壊れたレコードのようになってしまうくらい、文句なしに私好みの作品でした。なんというかですね、この作品は私のマンガ人生の元となる作品(の片方)である、と断言してしまうくらい、私にとって重要な作品だということです。ああホント、いずみちゃん可愛かったなー。当時は萌えなんて言葉はありませんでしたが、今思うに私が初めて萌えたキャラというのは、このいずみちゃんだったのでしょう。

 ちなみに私のマンガ人生の元となるもう一つの作品は、椎名高志「ゴーストスイーパー美神 極楽大作戦!!」です。2009年の最初にGS美神の感想を書き、最後にこのりびんぐの感想を書くというのは、初期の頃から考えていたことですが、無事達成できてほっとしています。閑話休題。

 作者はその後、いくつもの作品を連載、完結させ、現在はビッグコミックスペリオールにて「光速シスター」を不定期連載中。どの作品もつまらないとまでは言いませんが、徐々に面白みは減ってきてるかなー、というのが私の正直な感想です。そんな状態なので、りびんぐの続編を書いて欲しいとはちょっと怖くて思えませんが、いつかまた、りびんぐ並みに面白い作品を描いてくれることを信じて、これからも読み続けたいと思っています。

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2009/12/29

SPRIGGAN

Img553 原作・たかしげ宙、作画・皆川亮二。週刊少年サンデーにて1990年連載開始、その後掲載誌を週刊少年サンデー増刊号に移し、96年完結。単行本全11巻。画像は文庫版全8巻。

 高度に発達しすぎてしまったが為に滅んだと言われる、超古代文明。彼らが残した様々な遺産は、現代の科学力では到底解明できないような、恐るべき力を秘めた物ばかりだった。そんな折に深海の底から発見された、年代も材質も不明の金属プレート。それには古代ヘブライ語で「我々が残した様々な遺産を、悪しき目的の者から守ってほしい」というメッセージが刻まれていた。全世界規模の巨大財閥、アーカム財団に所属するS級エージェント、通称スプリガンの一員である男子高校生、御神苗優の仕事は、そういった古代文明を守り、封印すること。例え背後にアメリカやロシアといった巨大国家がついていようとも、相手の目的が古代技術の戦争利用である限り、一歩も引くことは許されないのだ……!

 そんな設定のSFアクション。神話に出てくるような様々な古代技術は、超古代文明が残した遺産だった、という設定のもと、それを奪おうとする様々な組織と、優たちスプリガンの戦いを描く、という感じの内容です。扱う遺跡、遺物は、メギドの炎、ノアの箱船、バベルの塔、水晶髑髏、オリハルコン、賢者の石、等々一般に知られているものが多く、対抗組織もアメリカやロシアを筆頭とした知名度の高いものばかりなので、「もし本当に古代文明から現代の科学力を超える技術が発見されたらどうなるか」を考えたとき、本当にこのマンガのようになってもおかしくはない、と思えるようなつくりになっています。むしろ一番現実的でないのはアーカム財団なのでしょうが、そのあたりの話も作中で語られており、ある程度満足はいきます。まぁ、そういった政治的駆け引き部分よりも、最前線で戦う御神苗優たちが繰り広げる人間ドラマとバトル、が一番面白い部分だとは思いますけどね。

 作者はその後、複数の作品を発表していますが、個人的にはアニメ化もされた「ARMS」と現在連載中の「ADAMAS」が、スプリガンの後を継ぐ作品と言えるんじゃないかなー、と思っています。なのでどっちかと言うと、私は原作担当のたかしげ宙よりも、作画担当の皆川亮二の方が好きなんでしょうね。原作と作画が違うマンガの場合、たいてい私は原作びいきだと自分では思っているだけに、めずらしい結果だと思っています。

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2009/12/28

ひなぎく純真女学園

Img552 ふくやまけいこ 著。月刊COMICリュウにて2006年より連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 ひなぎく純真女学園高等部2年生の樫宮アミは、勉強も得意、運動も大好き、友人にも恵まれ、家も裕福という、すべてにおいて恵まれたお嬢様。およそ物事においてうまくいかなかったことなど一度も無く、それ故に悩みというものに縁の無かった彼女でしたが、ある朝校内でぶつかったジャージ姿の女生徒のことが気になってしかたなくなってしまいます。実はクラスメイトであったその女生徒、木成ユイとなんとか親しくなりたいと思うアミでしたが、何故か彼女に対してはまともな受け答えができず、ぶつかったお詫びにと持ってきてくれたおにぎりも、本当は欲しいのにいらないと答えてしまう始末。果たしてこの気持ちの行方、どうなってしまうのでしょうか……。

 そんな感じの、女子校を舞台としたストーリー4コマ。上記あらすじ後しばらくは樫宮さんと木成さんが徐々に仲良くなっていく過程を描いていますが、仲良くなってからは学園ライフ、という感じですね。そしてその学園ライフ部分が、読んでいて非常に楽しい作品です。樫宮さんはいわゆるツンデレの範疇に入るのかもしれませんが、ツンデレと言うよりは、単に好きな子の前では素直になれない、というタイプなだけですね。百合っぽい要素はありますが、少なくとも現時点では木成さんは樫宮さんの気持ちに気付いておらず、仲の良い友だち同士以上の関係ではないでしょう。おそらく今後関係は進展していくのだとは思いますが、そうなると連載が終わりに近づいてしまう気もするので、個人的にはずっとこの状態のまま、延々連載が続いてもいいんだけどなー、なんて思っています。

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2009/12/27

復活の地

Img551 原作・小川一水、作画・みずきたつ。月刊コミックフラッパーにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 王紀440年5月44日夕刻、レンカ帝国の首都トレンカを、未曾有の大地震が襲う。建物は崩れ橋は落ち、国会がまさに開催中であったグノモン宮議事堂も崩壊。引き起こされた火災は旧市街を中心にまたたくまに広がり、メイポール祭の日でもあったため人で溢れかえっていたメインストリートは、阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまう。鉄道、道路、通信は断絶し、政府省庁をはじめとした行政機関も壊滅。かろうじて陸軍や天軍が独自の救助活動を始める中、総督が亡くなってしまったために臨時のジャルーダ総督となった帝国高等文官、セイオ・ランカベリーは、公僕としての矜持に従い、民を救うために動き出す……。

 そんな出だしの、災害パニックSF。ハヤカワ文庫JAから出版されている同名小説のコミカライズ作品です。原作者の小説がコミカライズされるのはこれが2作目なんですが、1作目の「第六大陸」に比べると、こちらはまずマンガとしてしっかりしています。そして忠実度度合いですが、こちらも第六大陸に比べると原作に忠実であり、変に凝って失敗したりはしていないので、原作を知っている人にならばこちらの方が受け入れられやすいでしょう。ただし、この場合の忠実度が高いというのは、マンガならではの表現が少ないということでもあり、なら原作を読めばいいんじゃないの? という風にも思えてしまうんですけどね。このあたりはコミカライズ作品が持つ難しさの一つであり、どう原作と違いを出すかは作者の腕の見せ所なんでしょうが、今のところは大きく冒険することもないので、失敗もしていない、という感じでしょうか。

 ストーリーはトレンカを大地震が襲い、そこからの復旧をとある志し高き官僚の視点で描く、というものなわけで、綿密に計算され、かつストイックな原作の展開は、読んでいて非常にひきこまれるものです。このコミカライズ版も現時点ではそれほど違いはなく、良く言えば原作に忠実、悪く言えばマンガである必然性が薄いわけですが、一つだけ大きな違いがあります。それは、物語のヒロインであるスミル内親王が、未だまともに出てきていないこと……。あれれ? 小説に対してマンガの一番のメリットは、当然絵があることなわけですが、なのに見た目にも映えるヒロインを出さないってどういうこと? 確かに時系列的には出番はまだ先なんですが、小説ではプロローグという扱いにして、一番最初に出番を持ってきているというのに……。最初にヒロインを出さないメリットがあるとは思えないんだけどなー。

 原作を知っている身としては、今作は現時点ではとりあえず読める、という感じでしょうか。ただ話は今後、人間関係がどんどん複雑になり、政権争いとかも出てくるので、そのあたりをどうマンガで表現するのかなー、というのが期待でもあり不安でもあります。あとはアレですね、小説とマンガは密度が違いますから、コミカライズする際には削れるエピソードは遠慮無く削る必要があると思うのですが、今作においてはそういうった削っている部分がまだあまり無いんですよね。なので、正直このペースだと、完結までにけっこうな時間がかかってしまうんじゃないかと思います。個人的にはそれでもいいんですが、でもマンガには途中打ち切りがありますし、やっぱり難しいんだろうなー。

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2009/12/26

HUNTER×HUNTER

Img545  冨樫義博 著。週刊少年ジャンプにて1998年より連載中、単行本27巻まで以下続刊。

 くじら島で叔母のミトと二人で暮らしていた少年、ゴン・フリークスは、知らずのうちに子連れのキツネグマの縄張りに入ってしまい、殺されそうになったところを、ハンター、カイトに助けてもらう。その場で、事故で死んだと聞かされていた父、ジンは存命であり、彼こそが世界最高のハンターだとカイトから聞かされたゴンは、それ以来、いつか父に会うために、ハンターになることを目指すようになっていた。そして3年後――12歳を間近に控えたゴンは、渋るミトとの約束であった沼の主をついに釣り上げ、ハンター試験を受けるために島を後にする。だが彼はまだ気付いていなかった。このハンター試験会場の街へ向かう船までもが、実は本予選前の予備予選なのであり、ハンター試験はすでに始まっているのだということを……!

 そんな出だしの、アドベンチャーバトル。ハンターとは国家を超越した資格で、1回の試験で数人しか合格しないような狭き門ですが、それがあればどこへ行ってもVIP扱いになり、ありとあらゆる便宜を図ってもらえるというものすごい資格です。ハンターになった後、何をするかはその人次第ですが、財宝ハンター、遺跡ハンター、幻獣ハンター、美食ハンター等、基本的には名前の通り、何かをハントする、という感じですね。世界公認のインディ・ジョーンズ、みたいなものと考えれば近いんじゃないかと思います。

 上記あらすじの頃はまだ知恵と勇気で戦うバトルマンガという感じだったんですが、ハンター試験編が終わったあとに念能力というオリジナルの超常能力が登場し、能力バトルにシフトしていきます。そして、それまでも十分面白かったのですが、この作品が本当に面白くなったのは、この念能力が出てからだと私は思っています。オリジナルの能力のため、作中にけっこうな頻度で設定の説明が入るんですが、それすら読んでいて面白いというのがすごいですよね。また、こういったオリジナル能力同士のバトルというのは、意図的な部分が丸見えになってしまいがちなわけですが、今作においてはそういうこともほとんど無く、これも作者の構成力の高さがあってこそなんじゃないかなー、なんて思っています。褒めすぎですか? 褒めすぎですね。でもしょうがないんです、だって面白いんだもん!

 ハンターハンターと言えば、休載がとにかく多いことでも有名であり、最近は10週(単行本1冊分)連載しては長期休載するという繰り返しで、漫画家としての態度的に問題にはなっています。確かに毎週きちんと描いている人と比べたらどうなの? という気持ちはわからないでもないですが、私はもう信者と言って差し支えないレベルですので、どんなスタイルでもいいから連載が続いてくれて、そして物語がきちんと完結してくれさえすればいい、と思っています。何年かかっても読み続けますから、ぜひよろしくお願いしますねー。

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2009/12/25

ゴーゴー♪ こちら私立華咲探偵事務所。

Img544 渡辺航 著。週刊コミックバンチにて2006年~07年にかけて連載、単行本全4巻完結。

 子供のころ、川で溺れたときに助けてくれたような、みんなが頼れる探偵になりたい。そう思い、街の小さな探偵事務所に就職した金田一耕太郎だったが、その私立華咲探偵事務所の所長、華咲サヤは、殺しのからんだ難事件や、誘拐された姫の奪還、超セレブ王子の護衛など、ハードでエキサイティングでモエモエな仕事以外はやりたくないから断ってしまうという、選り好みしすぎの探偵だった。おかげで仕事はめったに無く、なんと事務所の家賃の支払いにさえ困っているという始末。理想と現実のギャップに悩む小金田一だったが、なんとそこに銀行の取り立てが現れ、一向に借金を返そうとしないサヤを筆頭に、小金田一を除く所員全員が捕まってしまう……。

 そんな出だしの、ドタバタ探偵コメディー。あくまでコメディーが主体であり、探偵っぽいこともしていますが、探偵マンガとしての整合性とかは期待して読んではいけません。作者の作品は主人公がトロかったり内気だったりと、自然テンポが遅くなるものが多いと思うのですが、今作は小金田一くんの視点で話が進み、かつサヤさんは面倒くさがり屋ではありますがトロくはないので、作者の作品にしては珍しくテンポのいいかけあいが楽しめるようになっています。とは言っても、サブヒロインのしおりちゃんという非常にトロくて内気な子もしっかり出てきますので、作者はそもそもこういうタイプのキャラが好きなんでしょうね。え、私ですか? もちろん好きですとも!(聞いてない

 サヤさんを筆頭としたキャラが良く、ラスト近辺の展開も衝撃的で、ドタバタコメディとしては十分面白かったとは思うのですが……残念ながら一年持たずに打ち切られてしまいました。その理由としては、一部展開に無理があったからなんじゃないかなー、と思っています。一応探偵物なんですから、ある程度展開にリアリティを持たせるべきだと思うんですよね。しかし全編にわたって何度も使われたロボットネタは、ちょっと(かなり)雰囲気を別方向にねじ曲げてしまっていたように思えました。また、いきなり掲載されていた番外編のような宇宙刑事ネタは、一体なんだったんでしょう。私は単行本でしか読んでないのですが、雑誌で読んでいれば、何かしらの説明があったんでしょうか……? 「制服ぬいだら♪」のノリをそのまま持ってきてしまい、失敗した、というのが一番しっくりくるような感じでした。

 作者は現在週刊少年チャンピオンで連載中の「弱虫ペダル」でついにブレイクした、という感じではありますが、個人的には今作のようなドタバタコメディーの方が合ってると思うんですよね。というかもしかしたら、総合的には私はこの華咲が一番好きかもしれません。最終巻後書きに、評判良かったら2の可能性も、なんてことも書いてあるので、その日がくるのを気長に待ちたいと思っています。

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2009/12/24

サイボーグ009

Img543 石ノ森章太郎 著。週刊少年キングにて1964年連載開始、その後週刊少年マガジン、月刊少年ジャンプ、週刊少年サンデー等掲載誌をいくつも渡り歩き、1985年まで断続的に掲載。画像は文庫版全23巻。

 時はアメリカ、ソビエトによる東西冷戦のまっただ中、両国による宇宙開発競争は激化の一途をたどり、戦争は新たな地へ場所を移そうとしていた。そこに目を付けた秘密組織、黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)は、未来戦計画を発動。それは、宇宙空間等の過酷な状況下でも自由に動き回れるサイボーグ兵士を開発し、各国に売りつける、というものであった。混血の日本人、島村ジョーは、少年院から脱獄したところをブラック・ゴーストにさらわれ、9体目の試作型サイボーグ、009に改造されてしまう。だが改造直後の機能テストを終えたところで、突如001から008までの8人と、彼らを改造したアルザック・ギルモア博士がブラック・ゴーストに対して反旗を翻す。当初は優れた未来の人間をつくるためと言われて協力していたギルモア博士は、未来戦計画の実体を知ってしまい、これ以上荷担はできないと逃げ出すことにしたのだ。ジョーを加えた一行は一時は脱出に成功するが、すぐにブラック・ゴーストの追っ手が現れ、彼らは休むことなく戦いを余儀なくされる。ブラック・ゴーストから本当に逃げ出すためには、奴らの基地を破壊し首領を殺すしかない。そう考えた009たちは、自らの自由を勝ち取るため、ブラック・ゴーストの基地へと潜入する……。

 そんな出だしの、近未来SFアクション。改めて説明するまでもないようなタイトルであり、そのキャラクターは多くの人が知っていることでしょう。発表された時、場所によって設定がけっこう違うらしく、上記あらすじは少年キング版の「誕生編」のもの。009のイメージって、単に悪の組織と戦う、というものだったんですが、初めてこの誕生編を読んだときは、ちゃんとそこに至るまでの過程が描かれていたんだなー、と感心したものでした。というか正直初めて読んだ子供の頃は、サイボーグという見た目の派手さに目を奪われて、その本質であった暗いテーマが理解できていませんでしたね。望まず人間離れした能力を身につけてしまった彼らが、誰に頼まれたわけでもなく、その能力を活かした戦いに身を投じていく。明朗快活なわかりやすいヒーローを否定するわけではありませんが、やはり個人的には、こういった陰のあるヒーローのほうが人間くさくてかっこいいなー、と思ってしまいます。まーでもそう思うのは、年を重ねたせいもあるんでしょうけどねー。

 構想ではこの作品には神との戦いを描く最終章があったらしいのですが、作者の死によって、永遠の未完となってしまいました。確かにストーリーには、神話や古代文明をモチーフにしたものが多く、いずれそういう展開になっていたとしても、きっと驚きはしなかったことでしょう。すべてを描ききって死ぬ、なんて都合のいいことはそうそうできることではないでしょうし、仕方のないことなんでしょうが、でもやっぱりその最終章は、読んでみたかったですね。

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2009/12/23

あさぎちゃんクライシス!

Img542 弓長九天 著。まんがタイムラブリーにて2005年より連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 中学3年生の支倉あさぎの家庭教師、河野一郎は、ちょっとヘンな大学生。趣味はツボ押しや鍼といった東洋医学で、あさぎが腰が痛いとか目がかすむとか疲れたとかやる気出ないとか言うたび、その知識と技能をいかんなく発揮し、あさぎの身体の各所を刺激しまくります。一歩間違えなくてもセクハラレベルの行動ですが、本人は親切心から行っているのであり、実際近所のお年寄りたちには非常に好評であるため、あさぎもあまり本気では怒れません。また家庭教師としても、まともな勉強も教えてくれて成績自体は上がりましたが、豊富な雑学知識のせいですぐ話が突飛な方向に脱線したり、行動が読めなかったり神出鬼没だったりと、こちらでもあさぎは振り回されっぱなし。あさぎの母やクラスメイト、河野の友人たちも巻き込んで、今日もちょっと(かなり?)変な家庭教師の時間、はじまります!

 そんな感じの、家庭教師コメディー4コマ。実質的には勉強ネタが多い日常コメディーだと思いますが、中学生から大学生という広い年齢層で日常コメディーをやろうとした場合、家庭教師というネタはポピュラーではありますが違和感なく使えていいですね。主人公は心情がよく描かれるあさぎちゃんで間違いはないとは思いますが、ネタ的には河野先生がいなければ成り立たないものがほとんどなので、主人公は河野先生とあさぎちゃんの2人体制と言っていいんじゃないかと思います。二人とも……というか、登場人物全員が多かれ少なかれ天然で、彼ら彼女らのボケとボケとボケとあとたまにツッコミが楽しい作品。前作「さゆリン」と同様、独自の空気を持った作品なわけですが、これはもう作者のセンスの勝利と言っていいような気がします。

 あとこの作品、単行本にも書いてありますが、元々は1999年から1年くらい連載した同名作品の、リメイク? なんだだそうですね。ぜひその当時の原稿も読んでみたいですが、掲載誌を今から手に入れるのは無理でしょうから、いつか単行本化されるのを気長に待ちたいと思います。

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2009/12/22

宇宙のSPARROW

Img541 高橋一郎 著。週刊少年ジャンプ2010年03、04合併号掲載読切。

 日頃から目立ちたくないと思っている高校2年生、椿龍太は、ある朝車にはねられて一度死んでしまい、車を運転していた宇宙人、スパロウの命をもらうことで生き返る。ところがその副作用か、彼は軽く力を加えるだけでどんなものでも壊すことができるような、怪力を手に入れてしまっていた。もしバレれば、クラスで完全に浮いた存在になってしまう。そう危惧する椿だったが、そこにスズメに魂が乗り移ったスパロウが現れ、彼が椿に接触している限り、そのスーパーパワーは抑えることができると言う。こうして怪力に関しては事なきを得た椿だったが、今度は四六時中スズメを肩や頭に乗せていなければならず、結局目立ってしまうことに変わりはないのだった。もう変人のレッテルを覆すことはできない。そう嘆く椿に対し、それならスーパーパワーを活かしてヒーローにでもなったらどうだ? とスパロウは提案するだったが……。

 そんな出だしの、ヒーローコメディ、でいいのかなー。いきなり不満点を挙げますが、ちょっと違和感があるというか、筋が通ってないように見えてしまいました。中盤以降で明確にされる椿の願いは「変人としてクラスで浮いた存在になりたくない」というものなわけなんですが、それって序盤の「目立ちたくない」とはそのままイコールじゃないですよね。だって目立ったら必ず変人になるわけじゃないし。ストーリーのキモは、他者にいくら変人と言われようと、物事の本質には関係が無い、と椿が気付く部分なわけであり、それはまったく問題ないのですが、その結論に持っていくなら、伏線として序盤に学級代表のエピソードのような、もっと強いエピソードを入れておくべきだったと思います。単に目立ちたくないと言っているだけでは、少なくとも私には、伏線になっているようには見えませんでした。

 それ以外は、目立ちたくないのにスズメをいつも連れていなければならないとか、スズメを離すと怪力が使えるようになるとか、設定としては悪くないと思います。というかストーリーだって、終盤のシリアスとコメディーの入り交じった展開はそれなりのレベルだとは思うのですが、上記のような違和感をずっと持ちながら読み続けることになってしまうせいで、今一歩楽しめなかった、というのが正直なところでしょうか。序盤の違和感が全てをだいなしにしてしまった、非常に惜しい作品だったんじゃないかと思います。

 調べるまでまったく気付きませんでしたが、作者は「バレーボール使い 郷田豪」の作者だったんですね。スポーツマンガではなくちょっとシュールなギャグマンガという感じで、展開が予想できなくて見た目よりは面白かったなー、という記憶は残っています。この読み切りも十分連載に耐えうるつくりだとは思いますが、個人的にはあまりコメディー寄りにせずに、ストーリー重視の作品の方がいいんじゃないかなー、なんて思うのですがどうでしょうか。

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2009/12/21

機動戦士Vガンダム外伝

Img540 原案・矢立肇 富野由悠季、漫画・長谷川裕一。少年キッズ1994年に掲載、単行本全1巻完結。

 宇宙世紀0153、地球圏統一を狙うザンスカール帝国とそれを阻止せんとするリガ・ミリティアの戦闘は、激化の一途をたどっていた。そんな中、リガ・ミリティアのエースパイロット、ウッソ・エヴィンは、偵察飛行中に敵の仲間もろとも、金色のモビルスーツに撃墜されてしまう。木星船「ハインライン」の船長、木星じいさんによって救出されたウッソと敵モビルスーツのパイロット、カムイは、そのまま彼らのコロニー「ダンディ・ライオン」へと向かうが、なんとそのコロニーは巨大な宇宙船、そこに住む者は全員がニュータイプであり、彼らは今まさに地球圏を棄て、遙か4.22光年も離れたプロキシマ・ケンタウリへ旅立とうとしているのだった。木星じいさんから、お前らも一緒に行かないか、とウッソとカムイは言われるが、考える暇も無くそこに、ウッソを撃墜した金色のモビルスーツ、ジョングが襲いかかってくる。カムイによれば、そのモビルスーツのパイロットの名前はスケイル。彼やカムイはザンスカール帝国のニュータイプ部隊であり、その中でもずば抜けた才能を持つスケイルは、なんと心で嘘が付けるのだという……。

 そんな出だしの、機動戦士Vガンダムの外伝マンガ。作者が何度か使っている「歴史は――常に表に出なかったいくつかの断片を持つ」で始まる外伝シリーズの一つでもあります。上記あらすじ通り、内容は非常にシリアスで、長谷川裕一解釈による「ニュータイプとはどこに向かっていくのか」という答えの一つになっている作品だと思います。また、今作を含む長谷川祐一オリジナルのガンダムシリーズでは、機動戦士ガンダムZZの主人公、ジュドー・アーシタのその後が断片的に語られているのですが、そのラストシーンが載っているのも特徴で、ZZ好きならちょっと気になる作品だとは思います。ただこのあたりは、機動戦士ガンダムユニコーンが発表されてしまったことで、一部不利になってしまったとは思いますけどね。サンライズ公認の作品ではありますが、正史ではないということで、仕方ないのでしょう。

 そして、この作品においてもっとも素晴らしいのが、ラストシーン。スケイルを倒した後、ウッソは地球圏に残ることを決め、木星じいさんとカムイはプロキシマ・ケンタウリへと旅だってしまうわけですが……ここに至って、話はニュータイプとかオールドタイプとかではなく、「人はいつ地球人ではなくなるのか」という部分に向かっていくんですよね。ガンダム世界でもスペースノイドとアースノイドの対立は明確ですが、そのあたりを突き詰めた結果の一つと言えると思います。もしかするとここに、地球人ではなくなるにはニュータイプとしての素養が必要だった、という解釈まで入るのかもしれませんが、さすがにそれはちょっと好意的に解釈しすぎかなー。まーちょっとぼかしましたが、いやはや何はともあれ、このラストシーンは最高です。これがあるからこそ、まだ感想を書いていないクロスボーンガンダムやクロノアイズ、ダイソード等をさしおいて今作の感想を書いた、というわけでした。

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2009/12/20

絶対可憐チルドレン

Img539 椎名高志 著。週刊少年サンデーにて2005年より連載中、単行本19巻まで以下続刊。

 21世紀初頭、およそ地球上のあらゆる分野で、エスパーはその重要性を増していった。だがその才能は稀少であり、大きな影響力を持つとされるレベル4以上の者は全体の3%以下。内務省特務機関超能力支援研究局、通称BABELが把握している国内のレベル7に至っては、たったの3人であった。そろって10歳というその3人、レベル7サイコキノの明石薫、レベル7テレポーターの野上葵、レベル7サイコメトラーの三宮紫穂は、その強大すぎる能力からノーマルの子供たちとは隔離され、BABELによって育てられつつ、彼女たちでないと対処できないような事故や犯罪等に対応させられていた。新たに彼女たちの主任となった一般人、皆本光一は、彼女たちのことを自分の感情も制御できないようなワガママなクソガキと言いつつも、自分も超天才で学校等に馴染めなかった過去を持つことから、少しでも彼女たちのことを理解し、彼女たちが健やかに育つことができるよう、様々な方面から働きかけるようになっていく。だが世間にはまだまだ誤解も多く、エスパーとノーマルの間には、依然深い溝があるままだった。そんな折、皆本は太平洋戦争時の動物実験から生まれたレベル7プレコグ(予知能力者)のイルカ、伊九号から、恐るべき予知を聞かされる。それは、10年後の未来、薫、葵、紫穂の3人はエスパーの地位向上を目論むテロ組織、PANDRAの一員となり、皆本はその女王となった薫を、ブラスターで撃ち殺す、というものであった……。

 そんな出だしのSFコメディ。超能力を持つ者(エスパー)と持たざる者(ノーマル)が混在する世界というものを構築しようとすると、当然そこには対立や利害関係が生まれ、そういった部分をある程度正面から思い切り描いている作品です。自然とストーリーは重厚かつ暗いものになってくるとは思うのですが、そのあたりはキャラや見せ方を工夫することで、重苦しい展開にはならないようになっています。具体的には、主人公を10歳の女の子3人にして、ギャグを多く入れている点ですね。ギャグ展開は作者の得意とするところでしょうし、掲載誌的にもこれで問題ないでしょう。一つ個人的に思うのは、メインストーリーの一つとして、20歳の皆本にあこがれる10歳の女の子たち、という部分があるのですが、このあたりが非常に少女漫画向けだと言うこと。敵方の兵部の存在なんて、もうそのまま使えるでしょうし。その他さじ加減を変えれば少女雑誌に載っていてもおかしくない作品になったと思うので、まだこの作品がいまいちブレイクしきれていなかった頃は、少女漫画にしちゃえば良かったんじゃないのかなー、とずっと思っていました。現在は作中で数年が経ち、中学生編になったことで、あまり少女漫画向けではなくなってきたかなー、とは思っていますけどね。

 現在作中では、BABELとPANDRAの戦いという構図以外に、エスパーをテロの道具として扱う「黒い幽霊」という組織が出てきて、それぞれの思惑が絡み合いつつ、話が進んでいる、という感じです。PANDRAは局所的な戦闘力はともかく、規模としてはそれほど大きなものに成り得ないと思うので、個人的にはこの黒い幽霊にBABELが対抗しつつ、そこにPANDRAが絡んでくる、という構図が一番しっくりくるんじゃないかなー、と思っています。

 物語の終着地点は、やはり10年後に薫が皆本に撃たれるという予知を覆す、ということになるのでしょう。ただもちろん終わる前に、対黒い幽霊も対PANDRAもある程度の決着を付けなければならないわけですが、PANDRA側は予知さえ覆ってしまえば、わりとどうにでもなってしまう気がするんですよね。そうなるとあとは黒い幽霊だけですが、まぁこちらはさすがに力で制圧するしかないのかなー、という気はします。最終的には黒い幽霊vsBABEL&PANDRA、という構図になるのかもしれませんね。パンドラの箱の底には希望が、って話は絶対にからめてくるでしょうし、来るべきその最終シリーズでそのあたりをどう見せてくれるのか、今から楽しみにしています。

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2009/12/19

ゆびさきミルクティー

Img538 宮野ともちか 著。ヤングアニマルにて2002年より連載中、単行本9巻まで以下続刊。

 都立桜深高等学校1年生、池田由紀(ヨシノリ)の趣味は、女装して自分で写真を撮ること。元々はモデルのアルバイトをすっぽかした姉の代わりにウェディングドレス姿の写真を撮るはめになったのだったが、その時に違う自分になれるという魅力に気付いてしまった彼は、姉や隣に住む2歳下の幼なじみ、森居ひだりにも内緒で、その趣味に没頭していった。そんなある日、由紀は女装中に、外でひだりに出会ってしまう。彼女のことを実の妹としてくらい大事にしていた由紀は、咄嗟にユキ(由紀)という偽名を使ってその場を逃れることに成功するが、ひだりにもバレなかったという事実は彼を少しずつ大胆にさせていった。やがて彼は、クラスの男嫌いらしい気になる女子、黒川水面に近づくため、女装して話しかけようとする。女装自体はあっさりバレてしまったものの、親しくなることには成功した由紀だったが、今度は女装中に再び出会ったひだりから、私は紀くんが好き、という秘密を打ち明けられてしまう……。

 そんな出だしの、女装ラブコメ。恋愛物として真面目に読むと、由紀の性格がちょっとひどいんですよね。ひだりと水面両方の想いを知りつつ、水面が好きと言ったりひだりは俺が守ると言ったり、二人を泣かせておきながらこっちだって泣きたいよと被害者ぶったり、場に流されてひだりとも水面とも行為に及ぶ直前まで行ったり、あっちへふらふら、こっちへふらふら、もう見てられません。ところがそんな三角関係を延々続けるのかと思ったら、なんと由紀が一番好きなのは、女装した自分自身だった、という超展開。その他にも思わず「ねーよw」とか言ってしまうような展開も満載で、「君たちはいったいどこへ行ってしまうのかね?」なんてツッコミを入れてしまうような、非常に続きの気になる、楽しい作品となってしまいました(褒めてますよ?

 しかしこうなってしまうと、最終的に由紀がどうするかというのは、ひだりと水面のどちらを選んでも何か違う気がするんですよね。かといって本当に、最後に選んだのは女装した自分自身、みたいな終わり方も無理でしょうし、ここは作者の腕の見せ所という感じでしょうか。安易にどちらかが身を引いて、とか、もっと最悪な新たな相手を見つけて、とかにだけはしないでくださいねー。

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2009/12/18

ぼくの彼女はウエートレス

Img537 重野なおき 著。まんがホームにて1999年連載開始、まんがタイムオリジナルとの2誌連載を経て、2004年連載終了、単行本全3巻完結。

 23歳の星野アリスは、流行っているとはいいがたい喫茶店「with」の看板ウエートレス。料理はまったくできませんが、明るく元気な応対でお客様をお出迎えします。そんなアリスの彼氏は、同じく23歳の山本トシミツ。出会いは3年前、身長192センチのトシミツが営業回り中に立ち寄ったwitnの入り口で頭をぶつけてしまい、それをアリスが介抱したのがきっかけで二人は付き合うようになり、同時にトシミツはここ喫茶withの常連となったのです。さぁ、喫茶with、本日も開店です!

 そんな感じの、喫茶店コメディー4コマ。メイン舞台は喫茶withでありメイン主人公はアリスで間違いないのですが、アリスと喫茶店どちらも出てこない4コマもあるので、若干まとまりがない印象をうけます。特にトシミツの会社のチーフは、アリスと面識も無いのに出番が多く、まとまりを感じさせない一番の原因になっていました。ところが物語終盤で、そのチーフが実は……という感じで隠されていた設定が明らかになり、出番が多かったこと自体は納得できました。でもそれなら、もっと早い時期に読者にだけはネタばらししとくとかのほうが、個人的には良かったと思うんですけどねー。

 作品自体は問題なく面白いんですが、作者の他作に比べると、若干キャラが弱いかなー、という気はします。いや、キャラが弱いんじゃなくて、サブキャラが強すぎてメインキャラが押されてる、という感じかな。特にwithのマスター親子が強いため、いっそ喫茶withという舞台を主人公にしておいたほうが良かったのかもしれません。そしてそうなると、やっぱり上記のチーフネタが浮いてしまうんですよね。やはりその部分が、ウイークポイントだったんだと言わざるをえないでしょう。チーフというキャラ自体は問題なかっただけに、残念です。

 作者は現在も複数というかたくさんの4コマ作品を連載中ですが、さらについ最近、まんがタイムジャンボにて新連載「じょしもん」を開始。平凡な女子高生が入部した生物部は、マッドな動物がたくさんいて……という感じの作品で、面白そうではありますが、正直そんなに連載かかえて大丈夫なんですか? なんて心配になってしまいます。「ひまじん」が現在休載中で、再開する頃には「たびびと」が終わりそう? という感じなので、一応連載数は変わってない、ということなのかなー。

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2009/12/17

鞄図書館

Img536 芳崎せいむ 著。ミステリーズ! にて2004年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 そのゲーテ好きの喋る鞄の中には、古今東西のありとあらゆる本が取りそろえられていて、ほとんどの本は1年間という期限付で借りることができる。そしてそのラインナップは現存する本ばかりではなく、過去に火災によって失われた本や、伝説上の存在の本、さらにはこれから書かれるはずだった本までもが含まれているのだという。司書の男性と共に世界中を旅し、ありとあらゆる場所で本を貸し出している伝説の鞄図書館。もしあなたが運良く出会ったのなら、ぜひ声をかけてください。捜している本、きっとみつかります。

 そんな感じの、本にまつわるオムニバスストーリー。喋る鞄と司書さんのコンビが主人公兼語り部となり、毎回何かしらの本(小説が多いです)にまつわるストーリーが展開される、という感じの作品です。やっていることは作者の代表作「金魚屋古書店」の小説版、という感じではありますが、金魚屋はあくまで現実をベースにした作品んなのに対し、こちらは上記あらすじのように、鞄が喋ったり焼失した本まであったりと、かなりファンタジー寄りの作品。その手法にはメリットもデメリットもあるわけで、どちらが上だということは無いのでしょうが、両方やった意図というのは金魚屋の設定ではできないような話をこちらでやろう、というものなのかもしれませんね。

 鞄の中は広大な空間が広がっているけど、どうなっているのか。司書さんは年をとらないというか時代を超えている感じだけど、どういうことなのか。鞄レコードというありとあらゆる音楽を集めた鞄が出てくるが、他には何があるのか。そして、鞄図書館とはそもそも何故存在するのか。そういった部分を解明する話では無いのはわかっていますが、現実的な設定ではない以上、気になってしまうのもまた事実。刊行ペースは非常に遅いわけですが、次巻ではちょっとずつそのあたりの謎が明らかになっていくのを期待しています。

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2009/12/16

逢魔ヶ刻動物園

Img535 堀越耕平 著。週刊少年ジャンプ2010年2号掲載読み切り。

 今まで何も人並みに出来た事なんてないという女子高生、蒼井華は、役立たずな自分を変えたいと思い、逢摩ヶ刻動物園のアルバイト募集に応募する。ところが面接のため動物園を訪れた彼女が見たものは、ライオンに食べられそうになっている顔がウサギの園長という、わけのわからないものであった。もう帰りたいと思う華だったが、アルバイト募集の貼紙を見てどう思った? という質問に、摩が魔になってましたと答えたところ、何故か採用と言われてしまう。園長は変だけど動物園としてはフツーだし、とりあえず頑張ってみようと華は覚悟を決めるが、その時彼女はまだ知らなかった。この動物園の園長は呪いをかけられた人間、動物たちはみな魔力を持って生まれてきた者たちであり、午後4時44分の閉園時間を過ぎた後、逢摩ヶ刻動物園は逢「魔」ヶ刻動物園となるのだということを……。

 そんな感じの、えーと……超常バトル? ストーリーマンガというよりは、設定説明マンガと言った方が近い気がしますが、読み切り作品(もしくは連載第1話)としてはそれでまったく問題ないでしょう。具体的に何を説明してるかというと、園長の呪いの解き方と、園長にいいように利用されてるように見える動物たちの本心、の2点。今作は読み切りですからそこまでで終わりですが、仮にこれが連載となるなら、それをふまえた上で物語が始まる、という感じで問題なく持って行けると思います。読み切り作品として、または連載第1話として、オーソドックスではありますが基本がしっかりしている作品、というふうに感じました。

 しかしながら、気になったのはストーリーの肉付け部分。ウサギ園長は魔力を操ることによって色々戦ったりするわけですが、どうにもそのあたりがごちゃごちゃしすぎです。色々設定はあるみたいなのですが、動物の力を使って戦うことができる、くらいのシンプルさの方が良かったのではないでしょうか。「権限発動」というのも決めゼリフのようではありますが、正直意味がわかりかねます。設定に凝るのはもちろんいいのですが、わかりやすくなくてはいけないと思いますので、そのあたりは今後直していってもらいたいなー、なんて思いました。

 作者の経歴はよくはわかりませんが、2006年に手塚賞の佳作に入ったのが最初なのかな? テーマも悪くないですし、もう少し描き慣れて無駄な演出を省いていくことができれば、もっともっと面白くなっていくと思いますので、期待しています。

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2009/12/15

サラディナーサ

Img534 河惣益巳 著。花とゆめにて1985年~89年にかけて連載、単行本全9巻完結。画像は文庫版全5巻。

 時は西暦1571年、世界最強のスペイン海軍の中核を担うフロンテーラ公爵家の跡継ぎとして生まれた10歳の少女、サラディナーサは、レパントの英雄にしてスペイン王弟であるドン・ファンから、結婚を申し込まれてしまう。王弟という身分ながらフロンテーラ家に対しても礼を欠くことなく、また父レオンに匹敵する剣の腕を持つドン・ファンを、サラディナーサは徐々に慕うようになっていく。だが、自分こそがサラディナーサの本当の父であると考えるスペイン王フェリペ二世はそれを認めず、ドン・ファンをフランドル総督に任命し、遠くネーデルランドの地へと追いやろうとする。断れるはずもないドン・ファンはその命令に従い、こうして二人は、サラディナーサが17歳になった時に結婚をする約束をし、離ればなれとなってしまうのであった……。

 そんな出だしの、いわゆる大航海時代のスペインとその周辺国を舞台とした海洋ロマン。上記あらすじが文庫版1巻の半分くらいまでで、これにてプロローグ終了。時代は6年後に飛び、フロンテーラの姫提督として才覚を発揮していたサラディナーサは、未だネーデルランドで苦戦しているドン・ファンに会うため、フランドルへ向かうが……という感じで話は進んでいきます。サラディナーサ及びフロンテーラ家は架空のものですが、それ以外はすべて史実が元となっており、特にキーマンの一人であるドン・ファンは、スペイン王弟でありレパント海戦の総司令官であり、後にネーデルランド総督になるという部分までが史実通りです(もちろんそういう経歴になる理由は違うでしょうが)。他に、スペイン王フェリペ二世やイングランド女王エリザベス一世を筆頭に、細かい実在の人物も多数出てきて、非常にうまく作品に組み合わせてあると言えるでしょう。以上のような理由から、大航海時代の様々な事象、「世界最強と謳われていたスペイン王国」「カトリック対イスラムの戦闘であったレパントの海戦」「スペイン支配下のネーデルランドにおける独立戦争」「対スペインに暗躍する新興国家イングランド」等を前情報として知っていれば、格段に興味深く読めるようになる作品となっています。そしてもちろん逆にそのあたりの歴史を知らない場合、おそらくはストーリーの理解が難しくなってしまうのでしょうが、こういった史実を元にした作品は、そのあたりは避けては通れない道なんでしょうね。

 あとは、サラディナーサがスペイン海軍所属である以上、来るべきアルマダ海戦をどうするのか、というのが当初は気になってしまうわけですが、このあたりは婚約者であるドン・ファンがネーデルランドに左遷させられたという設定も搦めて、非常に面白い返しとなっています。これも、史実を知っていてこそ楽しめる部分であるわけで、オンラインゲームである大航海時代onlineをサービス開始当初からプレイしている私にとっては、ピンポイントで楽しめる作品でした。

 こういった史実を元にした作品というのは、時代考証と歴史との整合性を高める作業が非常に面倒なんじゃないかと思うんですよね。ところがこの作品は、少なくとも私が読む分には特に違和感も無かったですし、作者のストーリー構築力は高いなー、と思わせるに十分なものではありました。こうなると他の作品も読んでみたいとは思うのですが、実はこの作者、絵が古いタイプの少女マンガという感じで、ちょっとその、普段の私だったらまったく手に取るような絵柄ではないんですよね。この作品も、大航海時代onlineで一緒に遊んでいる友人から教えてもらわなければ、まず読むことは無かったでしょうし……。長編にいきなり手を出すのはちょっと怖いので、機会を見つけて短編に手を出してみるのがいいのかなー、と思っています。

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2009/12/14

キラキラ☆アキラ

Img533 曙はる 著。まんがタイムファミリーにて2007年より連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 同じマンションの301号室に住む美波アキラと、201号室に住む林桃太郎の二人は、幼なじみにして大の仲良し。アキラは父が買ってくれた縄梯子を使って、ベランダ伝いに毎日のように桃太郎の部屋にやってきます。しかし高校生になっても無邪気に行き来を続けるアキラに対し、桃太郎はなんだか態度がぎこちない感じに。それもそのはず、可愛くて元気で明るいアキラは学校の人気者であり、桃太郎も彼女を異性として意識せざるをえなくなってきてしまったからなのです……。

 そんな感じの、学園ラブコメ4コマ。主人公はアキラでいいのでしょうが、視点としては桃太郎から見た物が多いので、二人が主人公と言っていいのでしょう。アキラの天然というか天真爛漫さをネタにしたものが多いわけですが、他の作者にはないタイプの天然ネタが多く、これは作者のセンスの勝利なんでしょうね。高校生にしてはちょっと子供っぽいネタが多めですが、それもアキラの性格を表しているということなのでしょう。

 以上のような感じなので、アキラと桃太郎のラブコメは進展があまりないのですが、アキラの事を好きな青島とか、その青島のことが好きな羊子とか、キャラが増えるに従ってそのサブキャラたちがラブコメを演じてくれるので、2巻以降はラブコメ色もだいぶ強くなってきました。ただ、ラブコメ4コマとしては正直フツーなので、やはりこの作品の特徴は、アキラの天然さをネタにした部分だと思っています。

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2009/12/13

NERVOUS BREAKDOWN

Img532 たがみよしひさ 著。月刊コミックNORAにて1988年~97年にかけて連載、単行本全13巻完結。

 頭脳は明晰だが身体は弱く、しょっちゅう食べた物を戻しているという虚弱体質者、安藤一意と、体力や身体能力、運転技術は一流だが、頭脳労働はからっきしという元警官の三輪青午。まるで正反対の彼ら二人の職業は、田沼平九郎探偵事務所に所属する、私立探偵である。その日の依頼主は、女子高生の稲葉美矢。映画部所属の彼女は友人の丹生佳子と共にとある湖に撮影に向かったが、早朝の撮影中に美矢だけが昨晩も泊まったペンションに戻ると、何故かオーナーに美矢と佳子は泊まっていないと言われてしまい、さらに佳子はそのまま姿を消してしまったのだという。佳子は消えてしまった。そして消えなかった美矢は、泊まったはずのペンションに泊まらなかった。安藤と三輪はこの二つの謎を解き明かすため、早速現地へと向かうが……。

 そんな感じの、探偵マンガ。脳味噌まで筋肉でできている肉体労働担当の三輪が暴れ、頭脳労働担当の安藤が吐きながら推理、解決する、という感じのコミカルとシリアスが同居する作品。元々作者の作品は、8頭身と3頭身のキャラを状況に応じて描き分けるという独自の手法がとられているわけですが、その手法を設定面でも後押ししている、という感じですね。内容はほとんどがシリアスで理論詰めで話が進んでいくので、ネームが多いのがややネックではありますが、探偵物なら当たり前とも言えるでしょう。そして探偵物というと事件の質が問題になると思うのですが、正直に言うと、この作品の事件の質が高いか低いかは私にはよくわかりません。そもそも私は推理系の作品であってもあまり自分で推理しながら読んだりはしないので、推理系作品の正しい読者とは言えないと思うんですよね。ではなぜこの作品が好きなのかというと、それはキャラの良さだと思っています。正反対の性格である安藤と三輪、それに探偵事務所の人々や様々な依頼主、関係者、犯人等々。どのキャラもそれぞれに魅力的であり、彼ら、彼女らが繰り広げる人間ドラマは、推理なんかしないでただ見ているだけでも非常に楽しかったです。なので、推理系作品としてよりも、人間ドラマとして評価している、ということですね。

 一つだけ残念な部分を上げておくと、画像の単行本表紙を見てもわかるとおり、そもそもの設定としては安藤と三輪のダブル主人公だったんだと思うんですよね。しかし上で何度も書いた通り、三輪は筋肉バカであって推理とかほとんどできないため、肝心の推理シーンでほとんど出番が無く、結果的に安藤ばかりが目立つ、ということになってしまっています。設定や展開を考えると、確かにどうしようもない気はしますが、それでももうちょっと、この点における推理だけは三輪も冴えてる、とかあれば良かったのになー、と思わずにいられませんでした。

 そして今回調べていて知ったのですが、この作品は単行本全13巻、全88話なわけですが、なんと文庫版には第89話が描き下ろされてるらしいんですよね。すでに絶版らしく手に入れるのは大変そうですが、これは読まないわけにはいかないですし、なんとかして読みたいと思っています。

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2009/12/12

ドラゴンクエストモンスターズ+

Img531 吉崎観音 著。月刊少年ガンガンにて2000年~03年にかけて連載、単行本全5巻完結。

 勇者になることを夢見て、日々ひのきの棒でスライム退治を繰り返していた少年、クリオの前に、ある日突然見たことのないモンスターがあらわれる。ふわふわもこもこで凶悪そうには見えないそのモンスター、わたぼうに、ボクらの世界を助けに来て欲しいと言われたクリオは、当然のように即決。自前の勇者装備と木の剣を手にし、わたぼうに連れられて異世界、タイジュの国を訪れるが……実はクリオは勇者としてではなく、モンスターマスターとしてこの地に呼ばれたのであった。モンスターに対抗するため、モンスターの力を借りて共に戦う職業、モンスターマスター。かつてこの国はテリーという一流のモンスターマスターがいたことによって守られていたが、彼が消えてしまったことで加護が失われはじめ、野生のモンスターによる襲撃を受けてしまっているのだという。当初その申し出を断ろうとしていたクリオは、モンスターマスターのかっこよさを目の当たりにし、自分も一流のモンスターマスターになると決意するが……。

 ゲームボーイ用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」のクリア後の世界を舞台としたモンスターアクションバトル。実は私はゲームはやっておらず、作者の名前でこの作品を買ったので、ゲームとリンクしている部分の設定等はあまりよくわかっていません。ストーリーは、テリーがいなくなってしまい、彼を捜すための新しいモンスターマスターとして選ばれたクリオが、旅のとびらを通じて他の世界を旅していくうちに、隠された恐るべき真実に気付いていく……。という感じなのですが、この他の世界というのが、ドラゴンクエストⅠの世界だったり、Ⅱの世界だったりと、他のドラゴンクエストシリーズとクロスオーバーしているのがポイント。特にⅡクリア後の世界編はなかなかシビアで、クリオはローレシアの王子と出会うのですが、彼は破壊神シドーよりも力を持った存在として人々に恐れられた結果、国を棄て各地を放浪している、という感じの、ちょっと陰鬱な展開となっています。と、ここまで書いたわけですが、果たしてこの設定がマンガオリジナルのものなのか、ゲームの方でも登場しているものなのかが私にはわからないので、もし何か根本的に間違っていても許してください(弱気

 その他には、ゲーム自体にはモンスター同士の「配合」という要素があるらしく、マンガではそれを超えた「邪配合」という要素があったり、テリーがその邪配合を極めようとしている? 敵役として出てきたりと、それなりに燃える展開ではあったのですが……残念ながらそのあたりの決着がつくことは一切なく、様々な伏線も回収できないまま、Ⅱの世界編終了後にあえなく打ち切られてしまいました。うーん、このタイミングで打ち切るって、なんでだったんだろう? 当時は「ケロロ軍曹」で売れ始めていた頃だったと思うので、スクエニ側から切る要素は無いと思うんだけどなー。もしかしたらケロロが忙しくなったことで、作者の方から終わりにしたとかだったり? まったく根拠はありませんが、まだその方が納得できそうです。もしくは版権絡みなのかなー。

 ドラゴンクエストはナンバリングタイトルしかプレイしたことがない私でも、それなりに楽しめる作品でしたので、おそらくはテリーのワンダーランドをプレイした人なら、もっともっと楽しめると思います。正直今からゲームボーイ版、もしくはリメイクのPS版をやる気にはなれないので、できたらDSでリメイクとか出てくれないかなー。いやでも、出ても時間的にやるかどうかはきびしいですが……。

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2009/12/11

アストロベリー

Img525 金田一蓮十郎 著。月刊少年ギャグ王にて1999年連載開始。同誌休刊に伴いコミックバウンドにて仕切り直し連載再開。同誌休刊に伴いガンガンパワード、ガンガンYGと掲載誌を移し、ガンガンYG休刊後は約3年の連載中断期間を経て増刊ヤングガンガンに移り、現在も連載中。単行本2巻まで以下続刊。

 見たところおとなしく、騒がしくなく、自己主張強くなく、目上の者に従順。そんな奴隷用、ペット用として最適と思われる人格をコピーして作った2人の人間、男子中学生のチョコと成人女性のバニラの性格は、片や反抗的で心配性、片や淫乱で出しゃばりと、元人格となる女子中学生、桜まことは似ても似つかないようなものであった。従順な地球人を複製して自分の星で販売することで大もうけを企んでいた科学者ベティは、この失敗の原因究明のため、元人格となるまこを詳しく監視、調査することを決意。そのためにチョコ、バニラと共にまこの家の隣の空き家に住み着くが……

 そんな出だしの、ドタバタコメディー。今回はこんな作戦でまこのことを調べよう、という感じの実験系の作品でもあります。作者曰くラブコメとのことですが、個人的にはラブコメとはちょっと違うかなー、という印象。その理由は、おそらくチョコの存在ですね。「ジャングルはいつもハレのちグゥ」シリーズで言うところのハレであるチョコの存在はあきらかに主役級であり、ベティとまこのラブコメディをメインにするには、ちょっと邪魔だと思います。また、肝心のベティとまこが、お互い恋愛感情を全然持っていないというのも大きな問題です。話が進んでいけば徐々にラブコメになっていくとは思いますが、展開は遅いのでそれもまだまだだと思いますし、当分はこのままなんじゃないのかなー、と思っています。ドタバタコメディーとしては十分面白いので、別にかまわないんですけどね。

 作者はつい先日、代表作である「ハレグゥ」を完結させ、現在は「ニコイチ」や今作を連載しつつ、月刊少年ガンガンでの新連載を準備中、というところでしょうか。私はハレグゥの頭身の低かった初期の絵柄が好きだったので、新連載は頭身を落としたものがいいなー、なんて思っているのですが、絵柄は変わっていくものですし、それは難しいのかなー。

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2009/12/10

BREAK-AGE

Img524 馬頭ちーめい 著。月刊アスキーコミックにて1992年連載開始、同誌休刊に伴いコミックビームに移籍し、1999年完結。単行本全10巻。

 時は西暦2007年、ビス一本からカスタム可能なバーチャル・パペット(VP)と呼ばれるロボットを操って電脳空間で戦う体感型アーケードゲーム、デンジャー・プラネットⅢ(DP)に熱中していた国府高専1年の仁村桐生は、バトルロイヤルで弁慶という重装VPに完敗する。あれだけの装備でなぜオーバーフローしないのか、そこに興味を持った桐生は、弁慶のパイロットに会うため隣町のアミューズメントスポットへと出向くが、なんと目的の相手は一つ年上の高原彩理という女子高生だった。翌日桐生は、自分が勝ったら付き合って欲しいという条件の下、完成したばかりのハンドメイドVP「九郎」で弁慶に勝負を挑むが……。

 そんな出だしの、電脳空間ロボットバトル。デンジャー・プラネットとは、ようはゲームセンターにおける通信、協力、対戦可能なロボットアクションゲームのことであり、古くはバトルテック、最近なら機動戦士ガンダム 戦場の絆、を思い浮かべてもらえば近いんじゃないかと思います。そしてそれらのゲームで自機として使用するロボットを、自宅で自由に作成、カスタマイズできる、という感じですね。作中の舞台は2007年から始まりますが、これは1990年台から見た2007年ということであり、すでに成されている事柄もあれば、未だ実現していないこともあります。通信網がISDNだったり、インターネットではなくパソコン通信のままだったりするのはご愛敬。逆にロボットを自宅で自由にカスタマイズ等は未だにできませんが、正直これはチート対策が難しいのかなー、という気がしますね。あとは技術的には可能でも市場の成熟速度が追いついておらずコスト的に無理とか、そんなところでしょうか。ただしその当時、このDPというゲームを成立させるためのシステムはきっと近い未来には実現可能なことなんだろう、と思えるだけのリアリティはあり、まずその設定だけでも文句なしに夢のある、素敵な作品でした。

 ストーリーとしても、最初は単なるユーザーだった桐生たちが、ある事件をきっかけに徐々に開発側の人間となっていき……、という感じで、これってある意味、ゲーマーの夢の一つと言えると思うんですよね。そしてそこに正体不明の敵が現れ、技術者として、そして一プレイヤーとして戦いを挑んでいく、という感じで、正直燃えます。シリアスパートとコメディパートのメリハリも効いていて、時に笑いながら、時に手に汗握りながらと、最初から最後まで本当に面白い作品でした。ただそれだけに、ラストの陰謀の首謀者(の部下)であるイーナック・アルターの正体だけは「えーw」という感じでしたが、破綻させずに風呂敷を畳むためには、そのくらいは仕方なかったのかもしれませんね。

 作者はその後、同誌にてBREAK-AGE外伝となる「ボトルシップ・トルーパーズ」の連載を始めますが、じきに中断、その後商業誌での出番無しと、ちょっとしょんぼりな状態です。(ボトルシップトルーパーズ自体は、2006年に書き下ろし多数の単行本で完結) ただ漫画家をやめてしまったわけではないらしく、ゲームショップ「わんぱくこぞう」で配られている小冊子(読んだことが無いので詳細は不明)での連載は今でも行っているらしいので、またいつか商業誌に戻ってきてくれる日を、首を長くして待ち続けたいと思います。

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