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2008/11/22

エマ

Img237 森薫 著。コミックビームにて2002年連載開始、2006年本編完結、2008年番外編完結。全10巻。

 上流階級に連なるジョーンズ家の跡取りウィリアムは、元家庭教師のケリーを訪ねた折、その家に雇われていたメイドのエマに興味を持つ。幾度かの偶然と必然を経てウィリアムとエマは互いに心惹かれていくが、時は19世紀末、イギリスでは階級の差が絶対的な壁として立ちはだかり、上流階級と労働者階級の結婚など、認められるものではなかった。

 主人と使用人のラブロマンス。と思ったけど、エマはウィリアムのメイドになったことは一度もありませんね。アメリカ行きなどの中だるみはあったものの、幸せなラストを迎えることはできたんじゃないかと思います。ストーリーで読ませるというよりは、シーンごとの描き込みというか演出で読ませるという感じでしょうか。この時代とメイドが大好きな作者の、渾身の一作と言えるでしょう。おそらくはこれが商業デビュー作というのもすごすぎます。

 これや同人誌で発表された「シャーリー」(単行本でも発売)を読む限り、この作者はストーリーやページ数を気にさせず、とにかく好きに書かせておくべきだと思いました。エマの中盤以降がストーリーという枠に捕らわれて、イマイチ弾けてられない印象が大きかったのですが、8巻以降の番外編に入り、主人公も入れ代わり立ち代わりで好きに描けるようになった途端……、そのはじけっぷりったらもう!(褒めてます)

 あと忘れてはいけないのが、書き込みの細かさ。単行本のオマケ漫画(これも楽しみ)にもよく描かれていますが、作者本人が細かく描き込むのが本当に好きなんでしょうね。主にフリルとかレースとか。必然的に生産量は落ちてはしまうとおもいますが、そんなことは気にせず、心ゆくまで描き込んでほしいです。

 現在は、Fellows!創刊号より新連載「乙嫁語り」を連載開始。19世紀末の中央アジアを舞台とした作品で、描き込みの細かさは相変わらず。ストーリーはなんだかきなくさい部分があり、消化しきれるのか不安な部分もありますが、まだ第1話だけだし、まだまだこれからでしょう。期待しています。

※2008年度(俺的)マンガランキングノミネート作品

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