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2008/12/23

APPLE

Img135 古味直志 著。週刊少年ジャンプ今週号掲載読み切りファンタジー。

 2年前に発表された「究極進化論」によると、現在東京郊外のだだっ広い空き地に一人で住んでいる新宮サトシは、地球が自身に迫る危機の為に生み出した生命体だということだった。彼には地球上すべての生物になれる能力と、ミサイルを止めたり跳ね返したりするような超能力があり、それ故世界中の軍隊が彼を捕獲しにきたが、本人はいたって平気で、毎日をのんびりと過ごしていた。だがそこに、究極進化論を発表した少年、グリム・スチュワートがやってきて、彼に言う。地球を救うために生まれたあなたは、地球が救われた後は存在意義を失い、死んでしまうかもしれない、と。それを聞いたサトシは――。

 色々説明や設定の練り込みが足りないと思います。主人公が住む空き地にはこれまでに彼を捕獲するためにやってきた戦車等の残骸が山となっており、この読み切りの最初にもけっこうな戦力が攻めてくるのですが、なんというかこの時点でおかしいです。どう考えても力押しは無理だととっくに気付くでしょうし、さらにここは東京郊外だって言っちゃってる以上国外の軍隊が来るのはおかしいし、じゃあ自衛隊ってわけでもないし、日本という国が無くなった近未来なのかな? と思ってもそんな説明もないし。あと超能力が使える、ってなってるけど、超能力にもいろいろあるし、変身能力だって超能力だろって気もするし、とにかく色々つっこめます。そんなわけで、序盤~中盤にかけては、正直ややしらけながら読んでいました。

 しかしながら、上にも書いたグリムのセリフ「地球が救われた後は存在意義を失い、死んでしまうかもしれない(意訳)」のあたりからは面白くなり、地球の危機の回避方法も伏線バッチリで見事でした。序盤をもっと簡素にまとめ、グリムがやってくるシーンをもう少しふくらませた方が良かったんじゃないかなー、と思います。あと究極進化論も、「人間の身体が外からやってくるウイルスに対し抗体をつくるように、地球も外敵に対し生命体をつくった」って感じで説明を入れるとか、舞台も現代東京ではなく近未来東欧あたりにしてそう説明を入れるとか、変身能力と超能力は一本化して分子構造を入れ替えることができる能力とかにしておくとか、そんな感じでもっと納得しやすい設定にすべきだと思いました。

 作者のデビュー読み切り「island」からまだ1年ちょっと? しか経ってないことを考えると、まだまだこれから、という気もしますが、islandも設定が甘かった部分がありましたし、今後はそういった部分を直していけたらいいんじゃないのかなー、と思っています。切られたとはいえ前連載「ダブル・アーツ」も面白かったですし、読み切りでも連載でもいけるマンガ家として、これからも期待しています。

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