« ななこまっしぐら! | トップページ | ジャジャ »

2008/12/08

グランドライナー

Img121 吉田正紀 著。週刊少年サンデーにて2006年短期集中連載、全1巻完結。

 大戦争で断層や渓谷だらけになり、分断されてしまったこの世界。一企業であるユーラシア鉄道が全世界に張り巡らした線路は、人々の生活を成り立たせるためになくてはならないものとなっていた。高額な線路利用料、さらに他国への行き来を厳密に禁止するユーラシア鉄道のやり方を疑問視する声もあったが、線路を使わなければすべてが成り立たない以上、人々はそれに大人しく従っていた。

 線路を使う列車乗りはライナーと呼ばれ、ユーラシア鉄道によって特に栄誉あると認められた者はグランドライナー、逆に犯罪者はギルティライナーと呼ばれるこの時代。貨物輸送を仕事とする若きライナー、アルゲマイネは、ある日仕事の途中で、ギルティライナーに捕まっていたマヤという女性を救う。7人のグランドライナーの1人、エタルニア号に助けてもらったアルとマヤは、マヤの目的地でもあったファールンへと無事帰還するが、なんとマヤは紅の暁号という、世界七大ギルティライナーの乗組員だった。ユーラシア鉄道とグランドライナーを信じてやまないアルに対し、マヤはユーラシア鉄道は悪の企業であり、グランドライナーはその手先であると説く。アルはその言葉を突っぱねるが、そんなとき、レアメタルが採掘されたファールンの街が、エタルニア号によって制圧されてしまう……。

 ちょー面白いです。グランドライナーという善と、ギルティライナーという悪があり、その二つが逆転する世界設定。輝かしいものが善であると信じてまっすぐ生きてきたアルという少年が、ついに知ってしまう暗い真実。まったくもって見事です。もともと短期集中連載として用意されていたんでしょうが、作品の魅力という点ではこのまま本連載にしてもまったく問題ないと思います。

 連載でもいいんですが、ゲームの設定としても使えると思いました。最初は小さな列車を買い、線路使用料を払いながら仕事をし、お金を貯めて、もっと大きな列車を買う。時にはギルティライナーに襲われたり、グランドライナーに助けられたりしながら、次第に真実を知っていく……、という感じで。どこかゲームメーカーつくってよ!

 短期集中連載の後、本連載となると信じていたのですが、作者はこの後「イフリート」という作品をサンデー本誌にて2年間連載、先日完結。現在は次回作構想中という感じだと思いますが……やはりここはぜひ、グランドライナーを元とした作品を新連載として始めてほしいと、心から思っています。

|

« ななこまっしぐら! | トップページ | ジャジャ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ななこまっしぐら! | トップページ | ジャジャ »