« タマさん | トップページ | 森田さんは無口 »

2008/12/27

ARIA

Images 天野こずえ 著。月刊ステンシルにて「AQUA」というタイトルで2001年連載開始、同年一旦終了。2002年にタイトルを「ARIA」に変更し、月刊コミックブレイドにて連載開始、2008年完結。単行本AQUA全2巻、ARIA全12巻。

 テラフォーミングされ、アクアと呼ばれるようになった火星の都市、ネオ・ヴェネツィア。そこは地球のヴェネツィアのように水路が張り巡らされた水上都市であり、ウンディーネと呼ばれる女性のゴンドラ漕ぎたちが、観光客を乗せて案内をしながら、優雅なオール捌きを披露する姿を見ることができた。ゴンドラ会社ARIAカンパニーに籍を置く、地球からやってきた少女、水無灯里は、先輩であるアリシア・フローレンスの指導を受けたり、四季折々の自然を肌で感じたりしながら、友達となった藍華やアリスらと共に、一人前のウンディーネを目指して今日もオールを握るのであった。

 ハートウォーミングな環境漫画とでも言えばいいのでしょうか。ストーリーを追うとか特に何も考えず、1ページ1ページをただ読みつづるだけで、気持ちが落ち着き、心が暖かくなってくる漫画です。透明感、及び清涼感のある絵柄は作品によくマッチしており、より一層読後感を良い物としています。そしてこれはもう作者の力量としか言いようがないのでしょうが、この作品は話のネタになる設定がたくさんあったにも関わらず、その大半を使うことなく(必要なく)完結まで持っていってしまった、という希有な漫画でもあります。普通の漫画であれば、伏線回収しろよー、ということになるのでしょうが、この作品においては、そんな考えは不要ですね。心にじわりと染みこむ、とても良い作品でした。

 褒めてばっかなので無理矢理問題点を上げるとすれば、すべては悪人が存在しないことを前提につくられた世界に見える、ということでしょうか。薄く、脆い世界に感じるわけですが、それが逆にこの作品の印象を強くしているのかもしれません。それと、キャラの名前に縛りをつけるのはどうかな、とは思いました。縛りをつける理由があるのならいいと思いますが、見た感じは無いと思いますし。あとは、賛否両論あった最終回のアリシアさんの結婚に関しては、確かに唐突感があったのは否めませんでしたね。それだけアリシアさんが愛されていたキャラだった、ということなんでしょうけど。

 作者は現在、月刊コミックブレイドにて「あまんちゅ!」を連載中。実はARIAシリーズ以外の作品を読んだことがないので、機会を見つけて読んでいきたいと思っています。

|

« タマさん | トップページ | 森田さんは無口 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« タマさん | トップページ | 森田さんは無口 »