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2008/12/10

医龍

Img123 原案 永井明、作画 乃木坂太郎。ビッグコミックスペリオールにて2002年より連載中。単行本18巻まで以下続刊。

 使う薬から医療方針まで医局の教授が決定し、技量に関係なく患者より教授に献身的に奉公した者のみが出世する、腐りきった大学病院。明真大学付属病院胸部心臓外科助教授である加藤晶には、そんな大学病院を変えるため、教授になるという野望があった。だが女の身では、教授選での票の獲得は通常不可能。そこで加藤は、胸部心臓外科教授、野口賢雄の学術会員入りを確実にするためのバチスタ論文を完成させるため、3年前にアフリカのNGO医療施設にて見た天才外科医、朝田龍太郎をスカウトする。だが、スカウトに応じたものの、朝田は加藤の言うがままに動くような男ではなかった。患者に真摯に向き合い、患者にとって最高の選択をするというその医局を無視したやり方は、腐りきった大学病院内では、逆に教授たちに疎まれるだけでしかなかったのだ。

 医療ドラママンガ。進行がややリアリティに欠け、その分ドラマ性に富んでいる作品だと思っています。比較対象としては、例えば佐藤秀峰の「ブラックジャックによろしく」は、リアリティはありますが、マンガ作品としての面白みには欠けている、という感じでしょうか。あくまで私の意見ですが、マンガ作品としては、医龍のほうがカタルシスがあって好きですね。ドラマチックな展開で、朝田のこれ以上ないってくらいのスタンドプレーっぷりは、読んでいて気持ちがいいです。

 ただ、序盤はバチスタ手術等の連続で面白いのですが、最近は教授選を間近に控えた手術室以外での口先バトルが多く、ちょっとだれ気味です。それはそれで面白くないわけではないのですが、求めているものがずれている感じでしょうか。

 で、作者の乃木坂太郎ですが、この作品の前に、週刊少年サンデーにて「キリンジ」という短期集中連載がありました。当時の絵は医龍でよくここまで腕を上げたなーと思ったくらいつたなかったのですが、遭難、難破の神サイクロップスは、裏を返せば冒険の神である、と主人公が発見した第1話は、乃木坂太郎の圧倒的センスを感じさせる見事な第1話でした。しかし2話以降サイクロップスは出てこず、単行本化もされず、当時のサンデーをとっておかなかったことを本当に悔やんだものです。

 医龍が完結したら、いくつか読み切りを書いて、そして短編集をぜひ出してくださいませ。

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