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2009/01/14

いばらの王

Img165_2 岩原裕二 著。月刊コミックビームにて2002年~2005年にかけて連載、全6巻完結。

 突如地上を襲った奇病、メデューサ。感染すると6週間で発症し、内蔵から皮膚にいたるまで全体組織が硬質化、6時間後には石になってしまうというこの病気に対し、人類は中世の古城をコールドスリープカプセルセンターに改装、カプセルをたった160個用意し、未来へ託す以外の方法を持ち得なかった。双子の姉妹、カスミとシズクは、二人でコールドスリープカプセルに応募するも、カスミだけが当選。シズクに説得され、カスミだけが未来へ向かうこととなる。

 そして、どれだけの時が経ったのだろう。目を覚ましたカスミが最初に眼にしたのは、コールドスリープカプセルが置かれた広間を覆い尽くさんばかりのいばらと、襲いかかるコウモリのような怪物だった。時を同じくして目覚めた何十人もの人間たちは、我先にとエレベーターホールへと逃げ出すが、そこには太古の恐竜を思わせる怪物が、動く物を捕食しようと待ちかまえていた。カスミを含めた7人がかろうじて生き延びるが、それは城を徘徊する怪物と、奇病メデューサの発症という、二つの恐怖の始まりであった。

 怪物からの逃走、ひいては古城からの脱出を目指すサバイバルホラーで、序盤はとにかく怪物から逃げるだけ。メデューサは最長でも6週間で発症してしまうため、逃げているだけでは結局は助からないという出口の無い状態。途中までは十分面白く、ラストはわりと衝撃の展開ではあったのですが、個人的にはやや尻すぼみかなー、と思ってしまいました。絵柄は線が太くベタを効果的に使った濃厚な感じで、この作品には非常にマッチしていたと思います。

 作者はもともとはアフタヌーン出身で、いくつかの出版社を渡り歩き、「地球美紗樹」「学園創世猫天!」などの完結済みオリジナル作品がありますが、私個人は「クーデルカ」というゲームの後日談をマンガにした同名作品が一番好きでした。初期読み切りを集めた短編集「狼の血」も良かったです。どちらかと言うと初期の方が面白かったと思うので、また初心に帰った感じの作品を発表してくれないかなー、と思っています。

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