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2009/03/11

ヨイコノミライ!

Img247 きづきあきら 著。COMIC SEED!(Webコミック)にて2003年連載開始、2005年の本誌休刊に伴い連載中断、単行本3巻まで。現在は名前を「ヨイコノミライ」と変え、書き下ろし120ページを加え完結した完全版が全4巻にて発売中。

 将来の夢はマンガ編集者という高校生、井之上広海が部長を務める漫画研究部の大半は、部室で漫画やアニメ等の批評や批判をわかったようにするだけで、まともな創作活動などしたことが無いという部員たちで占められていた。井之上は部員たちに漫画を描かせようとしつつも思い通りにならない日々を送っていたが、ある日保健室で青木杏という女生徒と出会い、それならば部誌を創るという目標をつくればいいのではと提案される。その作戦は見事はまり、根拠の無い自信の元、夢に向かってやる気を出す井之上と部員たち。だが理想ばかりが先走る部長と、マンガと呼べるようなものをまるで描いたことがない部員たちでは、まともなものが創れるはずもなく、計画はすぐさま難航する。そしてそれをけしかけた青木は、口先ばかりの部員たちの夢を叩き壊すため、密かに行動を開始するのであった。

 登場人物のほとんどが、いわゆる厨2病と言えるようなやばい性格の持ち主という、痛い青春群像劇。普通は夢に向かってがんばろう、障害があっても皆で乗り越えよう、という感じのストーリーになるところですが、メンヘラにリストカッター、ストーカー、etcと、痛いキャラばかりがそろっているため、痛い方向に話はどんどん進んでいきます。ところがそういった展開ばかりになりつつもストーリーは破綻なく進んでいくというのは、高い構成力があってこそでしょう。連載中は、この作品にはいったいどんな結末を用意してあるんだろう? と思いながら読み続けていましたが、出版社の倒産によりあえなく中断。どんな形でもいいから続きが読みたいと思っていましたが、単行本書き下ろしという形で読むことができ、本当に良かったです。

 そして期待したラストは、強烈なものではあったのですが、意外に救われる部分もあり、最初読んだ時はちょっとがっかりしたものでした。しかし今回読み返してみると、明るい未来が開けたキャラもいれば、そうでないキャラもいる、という、青春群像劇としてよくできたラストだと思うことができました。これはおそらく、当時と今との期待のベクトルが違うからなんでしょうね。面白い作品であるという事実には変わりありませんが、新しい魅力に気づけたようで、ちょっと嬉しいです。

 私はこの作品の単行本を、SEEDコミックで1~3巻まで持っていて、後から出た完全版は最終巻の4巻だけを持っていたのですが、今回レビューのために読み直していて、衝撃の事実に気付きました。それは、SEEDコミック3巻が13~18話収録で、完全版4巻は22話~28話収録だということ。あれ、19~21話は……? 今度完全版の3巻を買おうと思いますorz

 作者の作品は、ヨイコノミライ以前の短編集は多分全部持っていると思うのですが、以降の作品はサトウナンキという方の原作付きだという理由で、手を出していませんでした。ところが、今回完全版の4巻を読んでわかったのですが、このサトウナンキという方は、どうやらヨイコノミライにもからんでいるらしいんですよね。あとがきにそれっぽいことが書いてありました。というわけで、きづきあきら+サトウナンキ名義の作品も、これからは買っていきたいと思います。そして今回調べていて知ったのですが、きづきあきらとサトウナンキは夫婦だそうですね。なるほどー。

 ……しかし、ヨイコノミライを読んだあとにこんなレビューを書いていると、青木さんに「感想と書評の区別もつかない自称批評家」とか言われそうで怖いですorz いやその通りなんですけれどもorz

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