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2009/03/14

天使だけが翼を持っている

Img250 萩原玲二 著。月刊サンデーGXにて2000年~01年にかけて連載、単行本全2巻完結。

 時は西暦2050年、ロシア連邦極東部の都市ウラジオストックに、ダーティ・ジョブ専門の便利屋「浦塩斯徳愚連隊カンパニー」を営む二人組の男がいた。射撃のロシア代表に選ばれながら、内戦でオリンピックそのものが中止となり、出場を逃した男、イヴァン・T・シャンス(ヴァーニャ)。NASAの火星探査プロジェクト最終選考まで残りながら、身体が大きすぎるという理由で(ヴァーニャ曰く、乗り物に弱いという理由で)落選した男、ホンダ・イスィロー(ゴジ)。10年続いたロシアの独立運動に端を発する内戦は、二人の元にもさまざまな依頼を舞い込ませる。そしてヴァーニャは、人殺しは二度としないという甘い人道主義を掲げながら、それらの依頼をこなしていくのだった。

 ヒューマンドラマ+ガンアクション。後に仲間となるヒミコも含めて、全員が根本的には善人であるというのが作品にヒューマニズムを与え、読後感を良いものにしてくれます。自らを「終わった人間」と定義し、「未来のある人間」を生かすため、銃を取る、というヴァーニャの考え方は、甘っちょろいものではありますが、好感は持てますよね。あと、途中から出てくるちびっこ依頼人のリザが、十字を切った後に「ていっ」というかけ声と共に電車の屋根に飛び乗ってくるシーンが好きです(聞いてない

 サンデーGX創刊号から掲載されている作品で、初期のGXでは一番好きだったのですが、イマイチ人気は無かったようで、わりとあっさり終わってしまったのが非常に残念でした。その後サンデーGXでは広江礼威「ブラック・ラグーン」を筆頭とするガンアクションマンガが複数連載されており、非常に複雑な心境です。きっとこの作品は、表に出るのが早すぎんだろう、と思うことで自分を慰めています。

 作者は現在、近代麻雀にて「アーニャの麻雀日和」を月一連載中。絵柄や雰囲気はそのままですが、内容はギャグマンガで、特別面白くはないなー、というのが正直なところです。またこの作品のようなヒューマンドラマ物を、気長に待ちたいと思います。なんといっても、私はこの作品を、マンガ版カウボーイビバップであるというくらい評価しているのですから。

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