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2009/04/23

Papa told me

Img295 榛野なな恵 著。ヤングユーにて1987年より連載中、同誌休刊に伴い、現在はコーラスにて不定期掲載中。単行本はヤングユーコミックスが全27巻、その後クイーンズコミックスにて2巻まで発売中。

 小学生の的場知世(ちせ)は、ちょっと大人びたところのある女の子。それは、大好きな父と二人で暮らしていることに関して、他人にとやかく言われたくないからです。例え二人でもちゃんと生きていけるし育っていける、だからお父さんのことを悪く言わないで。そんな知世の想いに対し、作家である父、信吉は、時にやさしく、時にきびしく、また時には逆に知世のなにげない言葉に深く考えさせられながら、二人強く生きていくことを改めて決意するのです。「人はそれぞれ異なる夢と、その方法があって然るべきである」 自由で独創的な親子を目指し、二人は今日も、静かに戦い続けます。

 そんな感じの、現代社会の不満点や見逃されがちな美点を小学生視点で描いた、ちょっとファンタジックな父子家庭ストーリー。表面的には、的場家は父子家庭であり他人の常識からすれば欠けたところがある家庭なわけで、そういった無浅慮な決めつけと知世ちゃんが戦う話、という感じですね。根本に流れるのは以上のようなやや重苦しい部分だと思うのですが、実際にはほぼ善人しか出てこない内容だし、知世ちゃんの想いが力によって踏みにじられるというようなことも無い、安心して読めるつくりになっています。文章にしてしまうと堅苦しいですが、知世ちゃんってほんとに良い子だなー、とか言いながらゆっくり味わって読むのが、非常に心地よい作品です。

 作中の特に初期は、知世ちゃんがわりとメルヘンチックな出来事によく出会うのですが、こういった魔法のような出来事は知世ちゃんだからこそ起こりうる出来事なんだ、と思ってしまうくらい私は好きな作品でした。

 過去形で語ってしまいましたが、この作品は連載開始からすでに20年が経っているわけですが、現在もコーラスにて不定期掲載中で、つい先日に単行本の最新刊が出たばかりだったりします。作品内では四季こそあれ年月は進みませんが、それを取り巻く環境は大きく変わっているわけで、今後作者がどういった締め方を考えているのか、それとも終わらない物語として終わらせるつもりなのか、そういった部分も含めて、今後も楽しみにしています。

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