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2009/04/16

放浪息子

Img286 志村貴子 著。コミックビームにて2002年より連載中、単行本8巻まで以下続刊。

 女の子のような外見の転校生、二鳥修一は、性格はおとなしく趣味はお菓子作りと内面も女の子のようであり、しかも女の子になりたいという漠然とした夢まで持っていた。そんなある日、修一はクラスの女子に冗談でヘアバンドを付けられてしまうが、女の子になりたかったが方法がわからなかった彼にとって、それは大きな転機であった。すぐに修一は薬局でヘアバンドを買い、家で一人の時にささやかな女装を楽しむようになるが、セールスマンが来たときにうっかりそのまま出てしまって女の子に間違われたことで、彼の心は暴走、ついには姉の服をこっそり着るようになってしまう。一方、転校してきた修一と最初に仲良くなった高槻よしのは、修一とは逆に、男の子になりたいという気持ちを持った女の子だった。クラスの劇をきかっけにお互いの気持ちを知った二人は、やがて修一がセーラー服を、よしのが学生服を着て、二人で遠くの街まで出かけるようになる……。

 上記のような、女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子の、思春期ストーリー。高槻さんはまだしも、二鳥くんはもう性同一性障害と言っていい気がするレベルで、単なる女装マンガと思って読むと、痛い目にあうと思います。ある意味偏った思想を持つ少年少女たちの微妙な心理を、ゆっくり丁寧に描いたすばらしい作品です。これとエマのために、私はビームを買っていました。

 こういったトランスジェンダー物は、現実に当てはめた場合は重苦しい話になると思うのですが、この作品内では理解者が多いことと、絵のタッチが軽いことで、そこまでの重さは感じさせません。と言っても嫌な人物が出てこないわけではなく、思春期の少年少女らしい、フツーのいさかいはありますけどね。そういった部分の描写もまた見事で、作品にアクセントを与えています。

 小5でスタートした二鳥くんも中2となり、8巻ラストではとうとうものすごい行動に出てしまいます。果たして放浪息子、二鳥くんはどこへ向かっていってしまうのか。この作品のハッピーエンドは、どこにあるのか。興味は尽きません。今後も非常に楽しみです。

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