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2009/05/27

三国志

Img328 横山光輝 著。希望の友(後に「少年ワールド」、さらに「コミックトム」と改題)にて1971年~86年にかけて連載、単行本全60巻完結。

 およそ1800年前、後漢王朝の支配する中国本土で起こった黄巾賊の乱は、悪政で疲弊していた世をさらに混乱の渦へと落とし込んだ。そんな折、前漢皇帝の血を引く劉備は義兄弟の関羽、張飛らと共に黄巾賊討伐のための義勇軍を旗揚げし、世に名乗りを上げる。それは、今後約100年にわたって繰り広げられる、魏、呉、蜀による三国時代の幕開けであった。

 三国志にはまず歴史書である正史としての「三国志」があって、それを元にフィクションを交えて書かれた小説が「三国志演義」、さらにそれを元に吉川英治が書いた小説「三国志」があって、それを元に横山光輝が描いたマンガ作品が本作、という立ち位置です。もちろん、そんなことは知らなくても大いに楽しめますが、フィクションがだいぶ混じっていますので、作品内の記述が真実なんだと思いこむのは色々な意味で危険です。

 内容はもう好きな人に対しては説明する必要もないでしょうが、古代中国の魏、呉、蜀という三国の戦いを舞台とした英雄譚、というのがしっくりくる表現でしょうか。実際には黄巾の乱→後漢の滅亡=魏呉蜀の建国→蜀の滅亡まで、という流れで、前半は日本の戦国時代と同じように、あくまで国で一番偉いのは皇帝(天皇)であり、その条件下で劉備、曹操をはじめとする各地の将軍(大名)が覇を競っている、という形です。そして後半では皇帝が廃位となり、魏呉蜀の各国がそれぞれ新皇帝を名乗って戦う、という感じです。めちゃめちゃ大ざっぱですけどね。間違ってたらごめんなさい。

 英雄譚というだけあって、登場人物には善悪さまざまな魅力的な人物が多く、エンターテイメント作品として非常に優れていると思います。名前を挙げればきりがありませんが、一人挙げるとすれば前半の呂布でしょうか。彼なくしてはこの作品を完結まで持っていくのは難しかったんじゃないだろうか、と思ってしまうくらいの素晴らしいキャラクターでしたね。

 横山光輝と言えば、「伊賀の影丸」「鉄人28号」「バビル2世」「魔法使いサリー」等、もう初期の日本漫画界を支えた偉大な人物の一人ですよね。この三国志ももちろん代表作の一つでしょう。巻数が多いのがネックですが現在でも文庫版や愛蔵版で読むことができますし、一度読んでみて損はない作品だと思います。

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