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2009/06/02

ねこわっぱ!

Img336 松本直也 著。週刊少年ジャンプ今週号(2009年27号)掲載読み切り。

 猫又町三丁目にある猫又の森神社は、世にも珍しい猫を神と奉る神社。そこには猫童(ねこわっぱ)と呼ばれる女の子が住んでおり、絵馬に書かれた願いを叶えてくれるのだという。その話を聞いた高校生、茂加大貴が猫又の森神社へ行ってみると、果たしてそこには本当に化猫一家が住んでおり、タマと名乗る女の子が絵馬を差し出し、賽銭を入れたのならこれに願いを書けと言います。大貴の願いは、離婚した母親に引き取られていった、どこに住んでいるのかもわからない小学生の妹、六花に会いたい、というもの。タマは猫の情報網を使ってすぐさま六花の通う小学校を特定、本人を発見しますが、いざ話しかける段になって、自分は妹に会いたいけれど、妹がどう思っているかはわからない、という事に思い当たってしまい、大貴は躊躇してしまいます。ところがその瞬間、突如現れた怪しい人間に、六花とついでにタマが誘拐されてしまい……!

 そんな感じの、わりとほのぼのファンタジー。ストーリーはだいたい上記のような感じでこの後のラストも正直フツーなんですが、キャラが非常にいいですね。見た目はちょっと不良のシスコン大貴に、ねこわっぱのタマ、タマの両親と祖父?に、誘拐犯3人組と、どれもこれもいい味を出しています。特にサブキャラとしてはタマの両親が良く、ストーリーの節々でうまく笑いを与えてくれます。47Pと多めな割に最後までさくっと読めてしまうのは、そういったキャラの良さによるところが大きいんじゃないでしょうか。あとは「にゃ」という伏せ字とか、小ネタも非常に良かったです。総合的には現状でも十分及第点なわけですが、これでストーリーの、できれば転と結がもっともっと鮮やかになれば、素晴らしい作品になったんじゃないかと思いました。

 あえてツッコミを入れてみると、P211(ページ表記が全編無いので解りづらいですが、大貴が誘拐犯の所に飛び込んでくる直前のページ)の右下のコマ、六花が誘拐犯に銃を向けられるシーンですが、大貴が来ていることがはっきりとはわかっていないこの段階での六花の涙は、不要どころか有害なんじゃないでしょうか。このせいで、次ページの大貴に会えたことでの涙が薄れてしまったと思います。あとその部分の流れですが、ジレンマもあるでしょうが、タマが出張りすぎですよね。それが悪いわけじゃないんですが、タマの活躍と大貴と六花の再会を両方表現するには、ちょっとバランスが悪かったんじゃないかなー、と思いました。

 それから……読み始めた時の感触が、いけ著「ねこむすめ道草日記」そっくりだなー、というのは、言っちゃいけないお約束ですかね。ジャンプとリュウじゃ知名度が天と地ほどの差があるし、そもそもこちらのタマは本当は人間なので、設定も全然違うし大丈夫!

 作者は過去に数度赤丸ジャンプで読み切りを載せたことがあるだけの、まだまだ新人のようですね。読み切りとしてはレベル低くはありませんし、絵柄は私の好みですし、とりあえず名前は覚えておこうと思います。

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