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2009/06/04

Go West!

Img339 矢上裕 著。月刊電撃コミックガオ!にて2003年~04年にかけて連載、単行本全4巻完結。

 生き別れの両親が、新大陸にいるのかもしれない。自分の事を捨て子だと思っていたナオミがそのことを知ったとき、すぐに彼女は両親を捜すため、新大陸へと旅だった。だが、アメリシア合衆国東岸の港町に着いたナオミがその目で見た物は、自由の国とは名ばかりの、単なる無法地帯だった。西にしか進まない馬、レッド・バレットを旅の仲間としたナオミは、両親が向かったとされる大陸の西へと進むが、次の町で賞金首と賞金稼ぎが争っているところに鉢合わせしてしまう。ところがナオミの姿を見たとたん、賞金稼ぎの男は「我が娘よ」と突然口走る。いきなり父親が見つかったのかと思ったが、ナオミが黄色人種なのに対し賞金稼ぎは白人。ありえないと言うナオミだったが、次の瞬間、今度は黒人の賞金首が「妹よ」と口走る。妻が黄色人種だと言い張る賞金稼ぎと、母が黄色人種だと言い張る賞金首に対し、ナオミは絶対に違うとも言い切れないまま、とりあえず西へと向かうのであった……。

 いわゆる西部開拓時代のアメリカをモチーフとした、西部劇風コメディー。誇張無しに西にしか進まない馬(家どころか山や崖があっても迂回しない)や、肌の色が違うのにナオミの事を肉親だと言い張ってつきまとう賞金稼ぎと賞金首、それとなにかにつけてナオミに気を使ってくれる青年らと共に旅をしていく、という感じで、スタイルは作者の代表作「エルフを狩るモノたち」とそんなに変わらなかったりします。そして、これはもう作者のセンスというか才能なんでしょうが、エル狩ると同様大胆な設定でありながら読ませる話が多く、私はストーリーも好きだったんですが……。ラストの流れは、これってきっと打ち切りだったんだろうなぁ、という感じの、設定的に疑問の残る、後味の悪い終わり方となってしまいました。

 打ち切りとは言っても風呂敷を畳むページ猶予はあったと思われるんですが、設定部分の畳み方がちょっと酷かったんですよね。これならいっそ、その部分は畳まなければ良かったんじゃ、と思ってしまうほどです。具体的に言うと、大陸名が新大陸、国名がアメリシア合衆国と言っているのに、大陸西岸からさらに海路で西に向かうと、そのまま大陸東岸に戻ってきちゃうんですよね。なんじゃそりゃー、アメリカ大陸がモチーフなんじゃないのかよー、という感じです。え、アメリカだなんて一言も言ってない? そういう問題じゃないっちゅーねん。

 この作品はラストがちょっとアレでしたが、作者の話作りがうまいのはエル狩るで十分わかっていますし、これからもずっと追い続けていきたいと思っています。次の連載はまだかなー。

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