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2009/07/05

フープメン

Img372 川口幸範 著。週刊少年ジャンプにて2009年連載、完結済。単行本1巻まで以下続刊。

 都立八柴高校一年生の佐藤雄歩は、ある日ものすごい可愛いと噂の同じ一年生、小金井真央の呼び出しを受ける。放課後、淡い期待を抱きつつ小金井の元へと向かった雄歩だったが、話の内容は愛の告白ではなく、なぜか 「バスケ部に入らない?」 というものであった。あっけにとられつつも、見学だけでもと体育館まで連れて行かれる雄歩。だがなんとそこで、雄歩はバスケ部キャプテンから、救世主が来たと熱烈な歓迎を受けてしまう。もしかしたら自分にはバスケの才能があって、それを見抜かれたのかも? いきなり連れてこられてそんな歓迎をされてしまっては、雄歩がそんなあり得ない妄想をしてしまうのも仕方ないだろう。だが現実には、救世主とはアメリカからの帰国子女、ジュシュア・久慈・グリフィンJr.の事であり、雄歩は英語が話せるということで、通訳として呼ばれたのであった。落胆しつつも、言葉が通じて嬉しいとジョシュに涙ながらに言われ、かつ英語が話せてすごいと小金井に褒められたことで、雄歩はバスケ部に入ることを決意するが……。

 そんな感じの、素人が主人公のバスケマンガ。スポーツ物っていうのは極論を言うと基本は全てがありがちな作品なわけで、どう個性を出すかが連載前のアイデア勝負な部分なんでしょうが、この作品は主人公が最初は通訳として誘われる、という事で個性としようとした作品です。一見バスケを題材にする必然性が無いように思えますが、連携が重要なスポーツ、というのが必要条件なため、十分必然性はあると言えます。「連携が重要」が必要条件になる理由ですが、それは第1話できっちりと表現されています。雄歩が入部することになり、早速2、3年チーム対1年生チーム(ジョシュ、雄歩込み)でミニゲームをするのですが、当初は連携が悪くて押されていた1年生チームが、ジョシュのアドバイスを雄歩が訳して伝えることで見違えて動きがよくなり、勝ってしまう、という流れなんですよね。これにより、雄歩はバスケのまったくの素人でありながら、自分の力でゲームが左右される、ということを体験してしまうわけです。素人が主人公のスポーツマンガの第1話としては、十分いけている展開でしょう。とういわけで、雄歩にそれを体験させるために、連携が必要なスポーツを扱う必要があったということです。

 この第1話はとても良かったですし、その後の雄歩の成長物語もまぁまぁ、なにより表現のセンスが独自で、正直私の中ではかなりのプッシュ作品でした。しかしながら、結果は17話での打ち切り。ホント、しょんぼりでした。原因として一番はやはり、ちょっと前に始まった藤巻忠俊「黒子のバスケ」の存在でしょう。バスケマンガの少ないジャンプにおいて、2本のバスケマンガを両方連載続行というのはやっぱり無理ですよね……。黒子に勝つしかフープメンが生き残る可能性は無いとは思いましたが、黒子はセンターカラーとかももらってましたし、それも無理。私個人はけして敗けていなかったと思っていましたが、仕方ない結果と言えるでしょう。あとは、フープメンが抜群に面白ければ、黒子と2本とも連載続行の可能性もあったんでしょうが、そこまで言えるほどでは無かったでしょうからねー。黒子が無ければきっと打ち切られなかった、と思うのは、私のひいき目がすぎるのでしょうか。無念です。

 作者は読み切りデビューはすでにしているものの、連載はこれが初めてとのこと。この打ち切りを過去の失敗とは考えず、次につなげてほしいです。期待しています。

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