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2009/07/10

DOLL MASTER

Img374 井原裕士 著。月刊コミック電撃大王にて2000年~03年にかけて連載、単行本全5巻完結。現在はワンダーフェスティバルの開催に併せ、同誌にて「DOLL MASTER ぱられる」を不定期掲載中。

 大事にされている人形には、魂が宿るに違いない。子供の頃からそう思っていた辻本雛子は、大学生になった現在、手芸用品店でアルバイトをする傍ら、紙粘土を使った人形作りを趣味としていた。そんな時、雛子は客として店に来たモデラー、久具津巧と知り合うことで、ガレージキット(個人でそれなりに簡単に人形を複製できる制作システム)やワンダーフェスティバル(ガレージキット等を個人同士が売買するイベント)といった世界を知る。そして、雛子はガレージキットの作り方を説明して貰うために久具津の家へ行った時に、瞳にハイライトを入れることで実体化して人間のように動き出すという人形を見てしまう。それは、久具津の家に伝わる秘伝の技を使ったものなのであったが、雛子はそれを久具津の技術と愛情のせいだと勘違いし、感動して彼に弟子入りを志願する。こうして単なる人形作りが趣味だった雛子は、ガレージキットの世界へと足を踏み入れることになってしまうのだったが……。

 そんな出だしの、フィギュア制作をテーマとしたラブコメディ。真面目な部分とラブコメ部分は、7:3くらいでしょうか。話の基本軸は、雛子のモデラーとしての成長と、久具津の持つ技に関する部分の二つです。モデラーとしての成長部分はわりと順調で、その上で技術は向上したけど商売としては失敗したとか、そういったオーソドックスな展開と言えるでしょう。久具津の技に関する部分ですが、人形が動いて話に絡んで来るというのは、コメディとしてはフツーにアリですよね。問題は話の本筋に絡め、厳密な説明をしようとした場合どう決着を付けるかなわけですが、正直その部分が、最後ちょっと駆け足でやりすぎちゃったんじゃないかなー、と思わないでもありませんでした。もうちょっと、じっくり展開させたほうが良かったと思ったのですが、もしかしたら、編集部の意向とかだったりしたのかなー。単行本が、5巻だけちょっと厚いんですよね。そんな穿った見方ばかりしてはいけないのでしょうが……。

 もともと私は作者のファンだということもありますが、全体的には真面目な部分とラブコメ部分の比率も良く、最後まで面白い作品でした。フィギュア制作をしてる人が読んだら、もっと共感できたりするのかなー。作者もフィギュア制作はしてるそうなので、全然違うー、ってことは無いでしょうしね。

 現在作者は、武装神姫というフィギュアのコミカライズ作品を連載中。仕事があるのは良いことなわけですが、もっと売れていいマンガ家だと私は思っていますので、またオリジナル作品を期待しています。

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