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2009/08/19

第六大陸

Img415 原作・小川一水、漫画・吉祥寺笑。FlexComixネクスト にて2008年より連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 サハラ砂漠に大規模緑化基地、南極大陸にウラニウム抽出基地、ヒマラヤ9合目に観測基地、そして2025年、水深2000メートルの海底に海底都市「ドラゴンパレス」を建設した後鳥羽総建に、世界屈指のレジャー会社を傘下に持つ桃園寺グループから、新たな仕事の依頼が入る。地上とドラゴンパレスを繋ぐ交通艇リヴァイアサンで起きたトラブルを収束させた手際から、桃園寺グループ会長とその孫娘、妙に見込まれた起動建設部所属の青峰走也は、次なる建設予定地の現地調査に妙と共に行くことになったのだが、その行き先とは、ドラゴンパレスの遥か上空……そう、なんと次の建設予定地とは、月であった。

 そんな出だしの、近未来宇宙開拓物。この作品はハヤカワSF文庫より刊行中の小川一水「第六大陸」のコミカライズ作品であり、私は原作及び原作者のファンでありまして、感想もそれに則ったものになることをお断りしておきます。

 月を6番目の大陸と位置づけ、そこに10人以上が滞在できる施設を建設し、運用する。というのが原作の初期目的であり、このコミカライズ版も、今のところはそれに沿った展開になっています。まず中国の月面基地へ行って現地調査を終え、単行本2巻では新型エンジンによる輸送コスト削減を図っている段階ですが、なんというか、その……原作とこの漫画版とでは、重視してる部分が明らかに違うんですよね。漫画版はかなり劇場型ですが、原作はもっとずっとストイックですよ。文字媒体である小説と視覚媒体である漫画ではそれぞれ表現するに適したシーンがあるのは当たり前ですが、だからといって視覚表現のために意味を変えてしまうのは正直どうかと思います。特に2巻の月面基地からの帰還はひどいですね。SF考証的な部分もひどいですが、中国人宇宙飛行士の扱いもひどい。中国に喧嘩売ってるのかなー。

 近未来SFとして原作は抜群に面白いですし、このコミカライズ版にも頑張って欲しいのですが、少なくとも現在のところは、見せ方が間違ってるんじゃないかなー、という感じです。トータルで評価される小説と1話1話で評価される漫画とでは違う、というのは確かにわかりますのが、根底に流れる面白さの基となる部分は同じのはず。単行本は買い続けますので、今後の展開に期待しています。

 あと今回調べていて知ったのですが、なんと小川一水の他作「復活の地」もコミックフラッパーにてコミカライズが開始されているそうです。遥か未来だけど文明は衰退していて文化レベルは20年前の地球、という感じのとある惑星が舞台で、その首都で大地震が発生し、壊滅した都市の復興を図る、という感じの内容なのですが、これもまた原作は非常にストイックな展開のお話。まだ漫画版を読んではいませんが、正直、今のところは不安です。面白いといいんだけどなー。

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