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2009/08/06

危険がウォーキング

Img401 星里もちる 著。プチアップルパイにて1986年連載開始、掲載誌を月刊少年キャプテンに移し、89年まで連載、単行本全4巻完結。

 夏休みを控えたある日、お笑い好きの中学1年生、牧野いくろうは、この春に北海道から越してきた岡原佳枝に、ついに告白を決意する。だが放課後コート裏に来て欲しいという手紙にOKをもらったのはいいものの、突然教室で謎の爆発が起こり、怪我をしたいくろうは病院へ搬送。爆発の中心にいたにもかかわらず無傷だった佳枝は、事情聴取のために警察へ連れて行かれるが、なんとそこで恐るべき事実が明らかになる。それは、佳枝の汗はニトログリセリンに近い成分でできており、気温が30度を超えると、落ちたショックなどで爆発するというのだ。冗談のような話だが本当のため、佳枝は気温が下がる夕方まで、警察内で保護されることになるが、そこで彼女はふと思い出す。放課後コート裏で、いくろうが待っているということに……。

 そんな設定の、ドタバタラブコメディー。気温もしくは室温が30度を超えている状態で汗がおちると、爆発します。あと涙も爆発しますが、涙の場合は感情の大小で爆発の規模が変わります。いくろうは佳枝の体質について特に有効な手だてをもっているわけではないのですが、暑いところには行かせないようにしたり、一緒に居ないときでも爆発があれば駆けつける、というヒーロー的立ち回りです。あといくろうがいることで話がコメディーに大幅に偏り、あまり深刻にならずに済んでいる、と言う感じでしょうか。特異な設定ではありますが、そもそも学園ラブコメとしての出来も良かったし、非常に面白い作品でした。

 この作品には山場が2回ありまして、1回目が三角関係の挙げ句に、佳枝が北海道へ帰ってしまおうとするところ。北海道に戻ってしまえば気温が30度を超えることはないでしょうし、ニトロの汗を気にする必要もありませんからね。2回目が温室状態のエレベーターに、佳枝といくろうの2人が閉じこめられてしまうところ。このままだといくろうに大怪我をさせてしまう……、と考えた佳枝は、自らの意志で新陳代謝を止め……。というものです。パターンは違いますがどちらもこの作品だからこその山場であり、こういった山場があったからこそ、この作品自体が面白かったんだろう、と思っています。

 作者はその後小学館に移り、ビッグコミックスピリッツで描いた「りびんぐゲーム」が恐らく代表作と言えるものでしょう。というかりびんぐは、私のマンガ人生の元となる作品(のうちの片方)です。私にとっては記念碑的作品のため、タイミングを見計らってレビューする予定。閑話休題。

 現在作者は、ビッグコミックスペリオールにて「光速シスター」を不定期連載中。作者の作品って基本的にオトナが主人公であることが多く、中高生が主役の作品って初期の頃だけなんですよね。また中高生を主人公とした作品を読みたいなーとは思うのですが、今となってはさすがに難しいのかなー。

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