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2009/08/13

百舌谷さん逆上する

Img408 篠房六郎 著。月刊アフタヌーンにて2008年より連載中、単行本3巻まで以下続刊。

 小学5年生の百舌谷小音(もずや こと)は、100万人に一人しか発症しないという、ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害、俗称ツンデレだった。誰かと仲良くしたいとか好きだと思った時に、普通の人とは逆に攻撃的な言動や行動をとってしまい、しかも自分ではそれを抑えられない、というその症状から身を守るため、小音は他者をすべて拒絶し、すべての事に期待せず、そして事件が起こるたびに、自分なんか生まれてこなければ良かった、と思い続ける日々を送っていた。そんなある日、小音は新しい転校先の学校で、一人のクラスメイトに出会う。好みの顔でも性格でもないし、勉強もできないし運動もできないしという、小音が好きになる要素が一切無いその少年の名は、樺島番太郎。こういう相手となら、ツンデレの症状が出ることもなく、薄く長いつきあいをしていけるんじゃないだろうか……? そう考えた小音は、とある事件をきっかけに番太郎の弱みを握り、いいように使い始めるが……。

 いわゆるツンデレをリアルの病気(症状)として取り扱い、その症状に悩まされつつあきらめ達観している百舌谷さんと、その周囲の人々が繰り広げる日常コメディー。ラブコメ要素もあるような気もするんですが、百舌谷さんのツンデレが発症しちゃうので、出かかりで潰されています。基本的には病気に悩まされる可哀想な女の子の物語、になるのでしょうが、散りばめられた小ネタとツンデレ状態の時の百舌谷さんの言動がかなりコメディーとして狙っているため、笑い所の方が多いです。ただ話の終着地点として考えると、やっぱり百舌谷さんがツンデレを克服する感動的な話、になるとは思うんですよね。果たしてそこに至るルートはどうなるのか、そもそもそういう結末を迎えるのか。興味は尽きません。

 作者の作品は初期の読み切りはいくつか読んでいたのですが、緻密な絵柄+エロ+内容は特に無し、というイメージがあったので、それっきりあまりチェックしていませんでした。ところがこの百舌谷さんは読んでみてびっくり、作り出した設定の上に構築された人間関係は非常に緻密で、単に面白いと言ってもいいのですが、続きがとても気になる作品と言っておきます。難を言えばセリフや心理描写等、ネームが非常に多いことですが、作品の質を考えると、それも仕方のないことでしょう。安易なハッピーエンドにはきっとならないでしょうし、最後がどうなるのかも含めて、期待しています。

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