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2009/09/19

ママ

Img446 細野不二彦 著。ヤングサンデーにて1987年~92年にかけて連載、単行本全9巻完結。

 失恋したばかりの高校生、萩原行(コウ)は、引っ越し当日に自分だけ自転車で移動中、雨宿りに入った公園で一人の子供に出会う。まだ幼稚園にも入っていないようなその子供、留太郎にちょっかいをかけられ、ついムキになってしまったコウだったが、今度はそこに現れた留太郎の姉と思わしき女の子に変質者と勘違いされてしまう。なんとか誤解をといたコウは、その女の子、江夏みさをが働いている春巻食堂で、お詫びにとゴハンをごちそうになるが、同い年ということがわかり、会話もはずみ、コウはみさをのことをいいな、と思い始める。ところがなんと、最初に出会った子供、留太郎は、みさをの弟ではなく、子供であることが判明。そう、江夏みさをは17歳にして、なんと子持ちの出戻りなのであった……。

 そんな出だしの、コブ付きラブコメ。ラブコメとして設定は特異だとは思いますが、基本的な展開は非常にオーソドックス。シリアスとコメディの比率は7:3くらいでシリアスの方が多く、今後三角関係も多発するのでそのあたりで好き嫌いが別れると思います。特に物語ラストで、主人公のコウともう一人のヒロイン、佐倉恵との顛末は、展開上仕方ないとはいえ非常にやるせなかったです。三角関係物にしろハーレム物にしろ、あきらかに最終的に報われないことがわかってるキャラっていうのは、ホント見ていて辛いですね。しかも、コウの性格がこれまた仕方ないとはいえかなりな優柔不断、自分勝手なので、読んでいてけっこうきつかったです。もう一本のストーリーの軸である、床屋の息子であるコウが調理師を目指すという自分探し的な部分は、非常に面白かったんですけどね。現実的なのかもしれないけど、イコール面白さとは結びつかない。そんな、惜しい作品だと思いました。

 作者は漫画家生活も長く、代表作も多数という、もはや日本漫画界の大御所の一人なわけですが、正直このママは、高橋留美子「めぞん一刻」を意識してたんだろうなー、という印象がぬぐいきれない作品でもありました。偉大なる作品が他にあったため、それとずらさないわけにはいかない、という部分もあったのかなー。そういう意味では、不幸な作品だったと言えるのかもしれません。ただラブコメがメインの作品って、描く時期を選ぶんでしょうし、どうしようもなかったんでしょうけどねー。

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