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2009/09/26

いいひと。

Img454 高橋しん 著。ビッグコミックスピリッツにて1993年~98年にかけて連載、単行本全26巻完結。

 自分の周りの人たちを幸せにしたい。その夢の実現のために、スポーツブランド最大手のライテックスを第一志望とした就職活動を行っている彼の名は、北野優二。ところが彼は、大事な面接の当日に、迷子の女の子のお母さんを一緒に捜したために飛行機に乗り遅れ、電車に乗り損ねそうになっていたお婆さんを助けたために自身がドアに挟まれ、急いでいる人にタクシーの順を譲ったために渋滞に巻き込まれ、会社の前でコンタクトにゴミが入って泣いている人を助けたために結局面接に遅刻してしまうという、これ以上ないくらいのいいひとだったのです……。

 そんな設定の、ヒューマンドラマ。主人公ゆーじは仕事ができるわけでも、頭が回るわけでもないのですが、とにかく性格がいいひとであり、彼に関わった人たちが皆それによって良い方に変わっていく、という感じの作品です。作品の性質上、展開は必ず良い方に良い方に転ぶわけで、ご都合主義過ぎると言える部分は多々あるのでしょうが、エンターテインメント作品としてはむしろこうすべきでしょうし、問題は無いのでしょう。自分の信念に基づいて努力している人が報われる世界、というのは読んでいて気持ちがいいものですしね。あとごく初期を除き、1シリーズが長めの展開ばかりなのですが、そのシリーズ終盤は常に気持ちよく読むことが出来るという、プロットが綿密な作品だなー、とも思いました。主人公ゆーじの変わらない信念と、彼が関係することで変わっていく世界というのが、読んでいて非常に心地良い作品でした。面白かったです。

 私的な作者の代表作は本作ですが、世間的にはこの後同誌で発表した、「最終兵器彼女」の方が有名なのかなー。そしてその後週刊少年サンデーで発表した「きみのカケラ」は、本誌では連載がとっくに終わっている(中断?)というのに、今度最新7巻が出るそうです。事情が色々あるんだろうなぁ……と余計なことを考えてはしましますが、作品が出続けることはいいことですし、これからも読み続けたいと思っています。

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