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2009/10/30

ToHeart

Img484_2 高雄右京 著。月刊コミック電撃大王にて1997年~99年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 ――春。すべてが、新しい季節。だけど高校2年生になっても、通学途中で藤田家を訪問するという神岸あかりの日課は、変わることが無い。両親が仕事で家を空けているため、この家で1人で暮らしている幼なじみ、藤田浩之を今日も起こさなければならないからだ。だけど最近、昔と同じように「浩之ちゃん」と呼ぶと、彼はやめろと言う。確かに高校生にもなって、ちゃん付けで呼ばれるのは恥ずかしいのかもしれないけれど……それでも小さな頃から、彼はあかりにとってずっと変わらず「浩之ちゃん」だったのだ。そのことを伝えると、彼はあかりのことを子供の頃から変わらないなと言う。だけどあかりは気付いていた。彼女の浩之に対する想いは、子供の頃とは違ってきているということに……。

 そんな出だしの、同名のゲームを元とした学園ラブコメディー。まず簡単にゲームの説明をすると、プレイヤーは主人公、藤田浩之となって高校生活を送り、複数いるヒロインの中から一人と恋仲になることを目指す、といういわゆる恋愛アドベンチャーゲームです。最初にPCで18禁版が発売され、その後PSにて非18禁版が発売、アニメ化もされています。まぁ多分、こんな説明をする必要なんて無いくらい、有名な作品ですよね。マルチとか。

 そしてこのコミック版は、おおまかなストーリーはゲームのままですが、視点はメインヒロインであるあかりが基本となっています。浩之が他の女の子たちと接するのを近くで見ていて、徐々に自分の気持ちに素直になっていく……、という感じです。そして、ゲームに登場する攻略可能ヒロインは全員出てくるのですが、それぞれメインの話がちゃんと全員分用意されているというのがポイント。ところが、そういったファンサービス的な展開が逆にネックとなっており、各キャラの話を無理矢理1話で終わらせているものもあるため、物語の深みというか説得力がイマイチ足りなくなってしまっています。限られた連載期間で全キャラの話をやらなければならない、という制約を考えると致し方ない部分はあったんでしょうけどねー。ろりぷにむっちりな絵柄はゲーム版とはちょっと違いますが可愛いですし、そういった良い点もあっただけに残念だったなー、と思ってしまいました。

 そして、これが一番重要なわけなんですが……なんというかもう、私が一番好きな長岡志保の扱いが悪すぎますよ? 確かに元々人気は低いキャラなわけですが、ゲームならまだ主人公の悪友という感じで出番は多かったのに、このコミック版では出番すらほんのわずか。弱肉強食が世の常とは言え、なんとかしてよ超先生!(だまれ

 話を戻しますが、10年以上前の連載ということで、こういう形でのコミカライズしかできなかったんだとは思います。ただ、可能なら誰か一人にスポットをあてた外伝みたいな形で読んでみたかったなー、とどうしても思ってしまうような作品でした。

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