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2009/11/08

軽井沢シンドローム

Img493 たがみよしひさ 著。ビッグコミックスピリッツにて1982年~85年にかけて連載、単行本全9巻完結。画像は文庫版全5巻。続編となる「軽井沢シンドロームSPROUT」は、ヤングチャンピオンにて2002年~06年にかけて連載、単行本全7巻完結。

 7年前、大宮で高校生をしていた相沢耕平と松沼純生は、それぞれカメラマンとイラストレーターを目指すため、家出をして東京へ向かう。その後プロの仲間入りはするものの、年功序列の世界に嫌気が差した二人は、とにかく日本を飛び出そうとロサンゼルスに行くことを決意。だが先立つものが無いため、一人暮らしをしている純生の姉、薫を頼って、二人は冬の軽井沢へと向かう。それは、別荘地軽井沢を舞台とした若い男女たちの、複雑な人間関係の始まりであった……。

 そんな出だしの、軽井沢を舞台とした青春群像劇。ストーリーの基本は、出てくる女キャラのほとんどと関係を持つような、女好きで無節操でちゃらんぽらんだけどケンカが強くて皆から慕われていてやる時はやる、という耕平を軸に進んでいきます。なんというか、文章にしてみるとちょっとあざとすぎる設定ですね。しかし作中では耕平は基本的に受け身であり、巻き込まれることはあっても自ら出しゃばることはあまり無いため、読んでいてあざとい設定だなー、と思うようなことはそんなにはありません。それよりも、出てくるキャラたちの複雑な相関関係を理解しながら読むのが忙しくて、気にする暇があまり無い、というのが正解かもしれません。面白い作品ではありましたが、四半世紀以上前の作品ということで今とはだいぶ意識も違うでしょうし、現在二十代前半の人たちが読んでどう思うかはちょっとわかりませんね。絵柄は作者独自のものだし、ネームが多くて読むのに時間もかかる、という点も不利かもしれません。ですがそれらをふまえた上でなら、青春群像劇として非常に面白い作品でした。人間関係が複雑でネームが多いというのは、じっくり読むのに適している、ということでもありますしね。

 その後20年近く経って始まった続編、「軽井沢シンドロームSPROUT」は、耕平と薫の息子、薫平を主人公とした話なのですが、やはり時代が変わったせいか無印と同じようなことをやっていてもイマイチ話が盛り上がらず、物語の終盤に耕平がメインキャラになってようやく面白くなった、という感じの作品でした。しかもそれだって、おそらくは無印の軽シンを知っていた私だからそう思ったのであって、知らない読者は終始おいてきぼりだったんじゃないかなー。作者は現在も漫画家を続けているわけですが、そういった点をふまえた現代風の作品を描けるかどうか、そこが今後のポイントになるような気がします。

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