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2009/11/29

揉み師

08 空詠大智 著。クラブサンデー(Webコミック)掲載読み切り。

 胸を揉むことで脳や身体に刺激を与え、体調を劇的に変えることができるという、中国で4000年前にあみ出された究極のマッサージ、乳揉(ニャオマム)。その後継者である高校生、黒木マサトは、白井剣術道場に居候する傍ら、修行のための人助けと称して乳揉みを行う日々を送っていた。だが本人は至って真面目に乳揉みを行っているのだが、その行為のイメージからか道場の評判は悪くなり、最近では乳揉み道場なとど噂されて門下生も増えず、経営も苦しくなるばかり。このままでは道場を畳むことになるかもしれないと、幼なじみの道場主、白井時奈に言われ、マサトはそれならばと一計を案じ、乳揉みの技術を活かして門下生を増やそうとするが……。

 そんな出だしの、能力バトルマンガ。マサトの乳揉みは単純に体調を良くするものから、怪力になれる「鬼神揉み」、運動がしたくなる「獣揉み」等の奥義まであり、かつ服の上からだろうと乳を見れば、その人物の身体の事がわかる、という分析能力まで持っています。くだらない設定を一つ用意し、あとは真面目に話をつくる、というスタイルは私が好きなものではありますが、この作品におけるネックは、あまりに中盤以降の展開がオーソドックスすぎること。この程度の展開では、起承転結の承程度だと思います。この作品タイトルなら女の乳を揉むシーンが満載なんだろう、と思わせておいて、序盤から中盤にかけて揉むのは男の乳ばかり、という展開は笑えただけに、中盤以降はもう一ひねりどころか、二ひねり、三ひねりくらいあっても良かったんじゃないかと思いました。

 ところが、です。この作品は全34ページで、33ページ目までですべての決着が付き、34ページ目はオチとしてのページなわけなんですが、この最終ページのオチが、それまでのオーソドックスすぎる展開を補って余りあるくらいの、私好みの秀逸なラストでした。詳細はぜひ読んで欲しいので書きませんが、作者は実はこのオチを書きたいがためにこの作品を考えたんじゃないの? とか思いたくなってしまうくらい。画像のアオリに「28ページ目まではある意味前フリ」と書いてあるのですが、これって「33ページ目まではある意味前フリ」の間違いですよね? こんな重要な部分を間違えるなんて問題ですよ? まぁ落ち着け?(お前がな

 何度も言いますが、メインストーリー自体は悪い意味でオーソドックスすぎ、つまらないとまでは言いませんが、正直オススメとも言えません。だけどこのラストは、思わず感想を書いたり語ったりしたくなるくらいの、話の流れにも沿った本当に秀逸なものでした。オチとはこうあるべき、と言ってしまっていいくらいです。あとはメインストーリーをもう少しなんとかしてくれれば、一気に本誌掲載どころか連載獲得レベルだと思います。ただそれには、若干目の描き方等に不満もありますけどね。

 この作品は現在、小学館のWebコミック「クラブサンデー」にて無料公開中ですので、気になった方はぜひ「クラブサンデー 揉み師」でググって読んでみてくださいませ。(掲載期間は2010/1/21まで予定)

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