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2009/12/24

サイボーグ009

Img543 石ノ森章太郎 著。週刊少年キングにて1964年連載開始、その後週刊少年マガジン、月刊少年ジャンプ、週刊少年サンデー等掲載誌をいくつも渡り歩き、1985年まで断続的に掲載。画像は文庫版全23巻。

 時はアメリカ、ソビエトによる東西冷戦のまっただ中、両国による宇宙開発競争は激化の一途をたどり、戦争は新たな地へ場所を移そうとしていた。そこに目を付けた秘密組織、黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)は、未来戦計画を発動。それは、宇宙空間等の過酷な状況下でも自由に動き回れるサイボーグ兵士を開発し、各国に売りつける、というものであった。混血の日本人、島村ジョーは、少年院から脱獄したところをブラック・ゴーストにさらわれ、9体目の試作型サイボーグ、009に改造されてしまう。だが改造直後の機能テストを終えたところで、突如001から008までの8人と、彼らを改造したアルザック・ギルモア博士がブラック・ゴーストに対して反旗を翻す。当初は優れた未来の人間をつくるためと言われて協力していたギルモア博士は、未来戦計画の実体を知ってしまい、これ以上荷担はできないと逃げ出すことにしたのだ。ジョーを加えた一行は一時は脱出に成功するが、すぐにブラック・ゴーストの追っ手が現れ、彼らは休むことなく戦いを余儀なくされる。ブラック・ゴーストから本当に逃げ出すためには、奴らの基地を破壊し首領を殺すしかない。そう考えた009たちは、自らの自由を勝ち取るため、ブラック・ゴーストの基地へと潜入する……。

 そんな出だしの、近未来SFアクション。改めて説明するまでもないようなタイトルであり、そのキャラクターは多くの人が知っていることでしょう。発表された時、場所によって設定がけっこう違うらしく、上記あらすじは少年キング版の「誕生編」のもの。009のイメージって、単に悪の組織と戦う、というものだったんですが、初めてこの誕生編を読んだときは、ちゃんとそこに至るまでの過程が描かれていたんだなー、と感心したものでした。というか正直初めて読んだ子供の頃は、サイボーグという見た目の派手さに目を奪われて、その本質であった暗いテーマが理解できていませんでしたね。望まず人間離れした能力を身につけてしまった彼らが、誰に頼まれたわけでもなく、その能力を活かした戦いに身を投じていく。明朗快活なわかりやすいヒーローを否定するわけではありませんが、やはり個人的には、こういった陰のあるヒーローのほうが人間くさくてかっこいいなー、と思ってしまいます。まーでもそう思うのは、年を重ねたせいもあるんでしょうけどねー。

 構想ではこの作品には神との戦いを描く最終章があったらしいのですが、作者の死によって、永遠の未完となってしまいました。確かにストーリーには、神話や古代文明をモチーフにしたものが多く、いずれそういう展開になっていたとしても、きっと驚きはしなかったことでしょう。すべてを描ききって死ぬ、なんて都合のいいことはそうそうできることではないでしょうし、仕方のないことなんでしょうが、でもやっぱりその最終章は、読んでみたかったですね。

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