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2009/12/10

BREAK-AGE

Img524 馬頭ちーめい 著。月刊アスキーコミックにて1992年連載開始、同誌休刊に伴いコミックビームに移籍し、1999年完結。単行本全10巻。

 時は西暦2007年、ビス一本からカスタム可能なバーチャル・パペット(VP)と呼ばれるロボットを操って電脳空間で戦う体感型アーケードゲーム、デンジャー・プラネットⅢ(DP)に熱中していた国府高専1年の仁村桐生は、バトルロイヤルで弁慶という重装VPに完敗する。あれだけの装備でなぜオーバーフローしないのか、そこに興味を持った桐生は、弁慶のパイロットに会うため隣町のアミューズメントスポットへと出向くが、なんと目的の相手は一つ年上の高原彩理という女子高生だった。翌日桐生は、自分が勝ったら付き合って欲しいという条件の下、完成したばかりのハンドメイドVP「九郎」で弁慶に勝負を挑むが……。

 そんな出だしの、電脳空間ロボットバトル。デンジャー・プラネットとは、ようはゲームセンターにおける通信、協力、対戦可能なロボットアクションゲームのことであり、古くはバトルテック、最近なら機動戦士ガンダム 戦場の絆、を思い浮かべてもらえば近いんじゃないかと思います。そしてそれらのゲームで自機として使用するロボットを、自宅で自由に作成、カスタマイズできる、という感じですね。作中の舞台は2007年から始まりますが、これは1990年台から見た2007年ということであり、すでに成されている事柄もあれば、未だ実現していないこともあります。通信網がISDNだったり、インターネットではなくパソコン通信のままだったりするのはご愛敬。逆にロボットを自宅で自由にカスタマイズ等は未だにできませんが、正直これはチート対策が難しいのかなー、という気がしますね。あとは技術的には可能でも市場の成熟速度が追いついておらずコスト的に無理とか、そんなところでしょうか。ただしその当時、このDPというゲームを成立させるためのシステムはきっと近い未来には実現可能なことなんだろう、と思えるだけのリアリティはあり、まずその設定だけでも文句なしに夢のある、素敵な作品でした。

 ストーリーとしても、最初は単なるユーザーだった桐生たちが、ある事件をきっかけに徐々に開発側の人間となっていき……、という感じで、これってある意味、ゲーマーの夢の一つと言えると思うんですよね。そしてそこに正体不明の敵が現れ、技術者として、そして一プレイヤーとして戦いを挑んでいく、という感じで、正直燃えます。シリアスパートとコメディパートのメリハリも効いていて、時に笑いながら、時に手に汗握りながらと、最初から最後まで本当に面白い作品でした。ただそれだけに、ラストの陰謀の首謀者(の部下)であるイーナック・アルターの正体だけは「えーw」という感じでしたが、破綻させずに風呂敷を畳むためには、そのくらいは仕方なかったのかもしれませんね。

 作者はその後、同誌にてBREAK-AGE外伝となる「ボトルシップ・トルーパーズ」の連載を始めますが、じきに中断、その後商業誌での出番無しと、ちょっとしょんぼりな状態です。(ボトルシップトルーパーズ自体は、2006年に書き下ろし多数の単行本で完結) ただ漫画家をやめてしまったわけではないらしく、ゲームショップ「わんぱくこぞう」で配られている小冊子(読んだことが無いので詳細は不明)での連載は今でも行っているらしいので、またいつか商業誌に戻ってきてくれる日を、首を長くして待ち続けたいと思います。

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コメント

わんぱくこぞうでのちーめいはブレイクエイジ連載当時からいたので今でも連載してるとなればもう超長期レギュラーの領域じゃないかと。読んだのもう10年くらい前の話ですが…

投稿: ちゃみい | 2009/12/11 08:20

ただ確か1年程前に潰れたとか聞いた覚えも…

投稿: | 2009/12/11 08:22

 うちの近くのわんぱくこぞうは、いつのまにかカメレオンクラブになっていました……
 ぱっくんぽっけの連載は作者の公式ブログで見たのですが、今見返してみたら3年前の記事でした(涙) 申し訳ない……

投稿: やの | 2009/12/19 23:30

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