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2009/12/22

宇宙のSPARROW

Img541 高橋一郎 著。週刊少年ジャンプ2010年03、04合併号掲載読切。

 日頃から目立ちたくないと思っている高校2年生、椿龍太は、ある朝車にはねられて一度死んでしまい、車を運転していた宇宙人、スパロウの命をもらうことで生き返る。ところがその副作用か、彼は軽く力を加えるだけでどんなものでも壊すことができるような、怪力を手に入れてしまっていた。もしバレれば、クラスで完全に浮いた存在になってしまう。そう危惧する椿だったが、そこにスズメに魂が乗り移ったスパロウが現れ、彼が椿に接触している限り、そのスーパーパワーは抑えることができると言う。こうして怪力に関しては事なきを得た椿だったが、今度は四六時中スズメを肩や頭に乗せていなければならず、結局目立ってしまうことに変わりはないのだった。もう変人のレッテルを覆すことはできない。そう嘆く椿に対し、それならスーパーパワーを活かしてヒーローにでもなったらどうだ? とスパロウは提案するだったが……。

 そんな出だしの、ヒーローコメディ、でいいのかなー。いきなり不満点を挙げますが、ちょっと違和感があるというか、筋が通ってないように見えてしまいました。中盤以降で明確にされる椿の願いは「変人としてクラスで浮いた存在になりたくない」というものなわけなんですが、それって序盤の「目立ちたくない」とはそのままイコールじゃないですよね。だって目立ったら必ず変人になるわけじゃないし。ストーリーのキモは、他者にいくら変人と言われようと、物事の本質には関係が無い、と椿が気付く部分なわけであり、それはまったく問題ないのですが、その結論に持っていくなら、伏線として序盤に学級代表のエピソードのような、もっと強いエピソードを入れておくべきだったと思います。単に目立ちたくないと言っているだけでは、少なくとも私には、伏線になっているようには見えませんでした。

 それ以外は、目立ちたくないのにスズメをいつも連れていなければならないとか、スズメを離すと怪力が使えるようになるとか、設定としては悪くないと思います。というかストーリーだって、終盤のシリアスとコメディーの入り交じった展開はそれなりのレベルだとは思うのですが、上記のような違和感をずっと持ちながら読み続けることになってしまうせいで、今一歩楽しめなかった、というのが正直なところでしょうか。序盤の違和感が全てをだいなしにしてしまった、非常に惜しい作品だったんじゃないかと思います。

 調べるまでまったく気付きませんでしたが、作者は「バレーボール使い 郷田豪」の作者だったんですね。スポーツマンガではなくちょっとシュールなギャグマンガという感じで、展開が予想できなくて見た目よりは面白かったなー、という記憶は残っています。この読み切りも十分連載に耐えうるつくりだとは思いますが、個人的にはあまりコメディー寄りにせずに、ストーリー重視の作品の方がいいんじゃないかなー、なんて思うのですがどうでしょうか。

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