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2010/01/17

とある飛空士への追憶

Img559 原作・犬村小六、作画・小川麻衣子。ゲッサンにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 中央海をへだてた神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上という大国同士の戦いは、天ツ上の開発した戦闘機「真電」の出現によって一変する。それまでは戦況を有利に保っていたレヴァームだったが、制空権を奪われ天ツ上本土領地であるサン・マルティリアも爆撃を受け、サン・マルティリアを管掌するディエゴ・デル・モラル公爵が死亡するなど、状況は悪化の一途をたどっていた。そんな中、デル・モラル空挺騎士団エースである青年、狩乃シャルルは、軍司令部より極秘指令を受ける。それは、死亡したディエゴ公爵の一人娘であり、半年後にレヴァーム皇子との婚姻を控えたファナ・デル・モラル嬢を、複座式の偵察機でレヴァーム本土へ送り届ける、というものであった。レヴァームと天ツ上との混血児として生まれ、9歳の時には孤児となるなど不遇な人生を歩んできたシャルルだったが、実は彼は幼き日に偶然ファナに出会い、生きる希望を貰ったことがあった。もし天ツ上に狙われているとも言われるファナをこの苦境から救い出すことができたなら、いつ死のうとも後悔せずに済むのではないだろうか。そう考えたシャルルは、ファナを連れて単機レヴァーム本土を目指すことを決意する……。

 そんな出だしの、飛空挺を舞台とした冒険ファンタジー。同名のライトノベルのコミカライズ作品です。お姫様との二人旅、という設定はまぁありがちだとは思いますが、展開や表現がラノベにしては非常にストイックで、原作はなかなか面白かったですね。ネット上では評判になってましたし、読んだ方も多いんじゃないでしょうか。そしてこのコミカライズ版ですが、全体的に原作に忠実で、ストーリー的には安心して読めるつくりになっています。そしてコミカライズの利点である視覚的な部分ですが、個人的には成功してるんじゃないかと思います。特に二人で飛び立って、ファナの表情が出るようになってからがいいですね。ファナは元々は感情を押し殺した表情を持たないお人形というキャラで、作中で徐々に感情を表すようになっていくわけですが、文字だけでは物足りなかった表情という部分をこのコミカライズ版では見事に補填していると言えると思います。こうなると、2巻以降の展開になる天ツ上空軍との戦闘や、来るべきエンドシーンにも期待が持てるというわけではありますが……ここに一つ、不安要素があります。それは、今作は映画化が決定しているということ。

 アニメなのか(無いとは思いますが)実写なのかはわかりませんが、ファナの表情を視覚的に表す、という利点がコミカライズ版だけのものではなくなってしまうのは確実です。そしてこれはまだ絶対ではありませんが、コミカライズ版連載中に映画版が公開されてしまえば、話題は映画版にさらわれてしまうのは必死で、コミカライズ版は本当にオマケ程度の扱いというか、映画版の宣伝材料の一つ程度になりかねません。個人的にはそれは非常に悲しいので、なんとか作画担当の小川麻衣子には、終わってみればコミカライズ版も素晴らしかったと世間に言ってもらえるよう、頑張ってもらいたと思っています。

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