2009/05/26

ケロロ軍曹

9  吉崎観音 著。月刊少年エースにて1999年より連載中、単行本18巻まで以下続刊。

 オカルトクラブ所属の小学6年生、日向冬樹は、ここ数日宇宙人に地球が侵略される夢を見続けていた。姉、夏美にはバカにされる始末だったが、そんな折になんと二足歩行のカエルのような不思議な生き物が部屋に現れる。彼の名はケロロ軍曹、もちろん宇宙人であり、地球侵攻軍の先行部隊長なのだと言う。身柄を拘束し通信装置その他として使えるケロボールを奪い、ひとまず軍曹に対して有利な立場となった日向姉弟だったが、地球侵攻軍の本隊が来てしまえば地球はひとたまりもない。だがそこで、ケロボールに本隊よりの通信が入る。内容は、地球人に我々の存在を知られた可能性があるので、危険と判断し一時撤退するというものだった……。かくして地球に取り残された軍曹は日向家の居候となり、掃除洗濯に精を出す毎日となるのであった。

 宇宙人による地球侵略をネタとしたストーリーギャグ。ギャグの質としては侵略者であり軍人である軍曹が、実際にはボケとツッコミを駆使したり些細な事で感情を上下させたりオタク文化に詳しかったりという、ギャップを笑う感じです。あとはパロディがやや多め。特にガンダムネタは多く、他の元ネタはわからなくてもストーリーを追うのに問題はありませんが、ガンダムを知らないと意味不明の台詞やコマがだいぶ増えてしまうのではないでしょうか。初期の頃はブラックでマニアックなネタも多く、非常にとがった作品という印象だったのですが、アニメ化され低年齢層に大人気になってきたあたりからネタに制限がかかってきてしまったようで、だいぶブラックなネタは無くなってしまったなー、という感じなのが残念です。またこれは仕方のないことなんでしょうが、巻が進むにしたがってストーリー比率が高くなり、初期のころのようなギャグで始まりギャグで終わる回が減ってしまったのも残念です。

 作者はケロロ以前にも「護衛神エイト」「ドラゴンクエストモンスターズ+」等、複数の作品を連載していましたが、いずれもつまらなくはないがもう一歩という感じだったところを、このケロロで大ブレイクした形ですね。その要因は、主人公が裏表のあるブラックなキャラだ、という部分が大きいと思っています。今までの吉崎作品の主人公はストレートな性格のキャラばかりで、イマイチ作品に深みが足りない印象もありましたしね。いずれにせよこれで大きな実績はつくりましたし、当分はケロロでやっていくんでしょうが、その次回作にも今から期待しています。

| | コメント (0)

2009/03/19

げんしけん

Img259 木尾士目 著。アフタヌーンにて2002年~06年にかけて連載、単行本全9巻完結。

 マンガ、アニメ、ゲーム等が好きだけれど、いわゆるオタクと同類には見られたくないという思いも持つ隠れオタク、笹原完士は、大学入学を機にオタク系サークルに入ろうと、現代視覚文化研究会(現視研)へと入部するが、今一歩会話にとけ込めず、部室から足が遠のいてしまう。そんな時、たまたま学食で出会った同じ新入部員の高坂真琴の部屋へ遊びに行くこととなるが、オタクグッズで溢れる彼の部屋を見た瞬間、笹原は自分にはオタク人生に踏み込む覚悟が足りていなかったんだということを思い知る。こうして覚悟を決め、自分に正直に生きることを覚えた笹原は、一歩ずつ、だが着実に、オタクへと染まっていくのであった。

 大学のサークルを舞台とした、オタク系日常マンガ。作中ではゲームをやったりマンガを読んだりアニメを見たりそれらの感想を言い合ったりと、まさにオタクな毎日。同人ショップや同人誌即売会にも行くし、コスプレもするし、終盤ではサークル参加まで果たします。一般人はこうしてディープオタになっていく、という典型的な例ですね。マンガを好んで読むような人なら、自分の過去と照らし合わせて笑えるネタが、いくつもあるんじゃないでしょうか。

 高坂の彼女でオタクが嫌いな一般人、春日部咲という強気キャラが出てくるのですが、これがまた非常に秀逸な立ち位置を持つ重要キャラだったりします。オタクキャラばかりだとぐだぐだにしかならないような所を、咲ちゃんの出番によって空気が引き締まったり、思いも寄らない展開に進んだりするんですよね。あくまで一般人としての意見、感想を述べる咲ちゃんがいてこその、げんしけんの面白さだと思っています。

 作者は現在、アフタヌーンにて「ぢごぷり」という作品を連載中とのこと。現在アフタヌーンは購読していないので内容はわかりませんが、げんしけんの作者の作品だというだけで、単行本は間違いなく買うでしょう。楽しみにしています。

| | コメント (0)

2008/12/21

ゲッチューまごころ便

Img134 緋采俊樹 著。週刊少年チャンピオンにて1998年~2001年にかけて連載。全17巻完結。

 中堅宅配会社まごころ便の次期社長(予定)、後藤紅男は、今日も高校をサボって家業の手伝いに大忙し。お客様のためと思う余り、時に常軌を逸した行動をしてしまうせいで、現社長の父親、炎やオペレーター兼配達員の姉、火呼には毎日のように殴られるけど、それも愛情あってのこと。心友の葛西信幸や幼なじみの山川コトミ、商売敵であるツバメ便配達員佐古田優二らとバカをやったり手伝ってもらったりしながら、今日も荷物だけじゃなく、まごころもお届けいたします。

 そんな感じの、宅配便コメディー。ギャグのテンポが非常に秀逸で、たたみかけるようなツッコミやボケの連発は、本当に笑えます。メインキャラ複数人がからんで話をつくり、罠にはめられた方もはめた方も、ラストはほぼ全員がそれぞれ不幸な目にあう、という見事な多段オチがよくあるのも特徴。連載開始時の紅男は高2でしたが、高3、ダブってもう一度高3、卒業、と巻数を重ねるごとに、徐々に人情話も増えていきます。全17巻でキャラもけっこう増えましたが、最後はきっちりまとめきり、おめでとう、これからもがんばって、と思える良い終わり方となりました。

 作者はその後、2002~03年にかけて「ひもろぎ守護神」(そのうちレビュー予定)というオカルトギャグを連載していましたが、それを最後に作品発表無し。体調不良だという噂は聞いたことがありますが、OHPも閉鎖されてしまい、放置状態の携帯用HPが残るのみ。どうしちゃったのかなー。いつかまた帰ってきてくれる日を心待ちにしています。

| | コメント (0)

その他のカテゴリー

| | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 単行本感想 | あさりよしとお | あずまきよひこ | いけだたかし | かがみふみを | こうの史代 | そにしけんじ | たがみよしひさ | ちばあきお | ひな。 | ふくやまけいこ | まるのすけ | みさき速 | むんこ | ゆうきまさみ | モリタイシ | 井原裕士 | 佐野妙 | 入江紀子 | 八木教広 | 叶恭弘 | 吉崎観音 | 和月伸宏 | 大井昌和 | 天野こずえ | 宇仁田ゆみ | 宮原るり | 小川一水 | 小池恵子 | 山口舞子 | 山名沢湖 | 山東ユカ | 岡崎二郎 | 岩原裕二 | 島本和彦 | 幸村誠 | 弓長九天 | 志村貴子 | 手塚治虫 | 施川ユウキ | 日本橋ヨヲコ | 星里もちる | 暁月あきら | 曙はる | 木尾士目 | 東屋めめ | 東村アキコ | 板垣恵介 | 林家志弦 | 栗橋伸祐 | 桂明日香 | 桜場コハル | 森薫 | 椎名高志 | 氏家卜全 | 水上悟志 | 渡辺航 | 湖西晶 | 皆川亮二 | 矢上裕 | 祥人 | 秋月りす | 竹内元紀 | 紫堂恭子 | 細野不二彦 | 緋采俊樹 | 羽海野チカ | 能田達規 | 芳崎せいむ | 荻野眞弓 | 藤田和日郎 | 西尾維新 | 近藤るるる | 重野なおき | 野広実由 | 金田一蓮十郎 | 長谷川裕一 | 雷句誠 | 青山広美 | 高橋留美子 | CLAMP | OYSTER | kashmir | アニメ・コミック | 日記・コラム・つぶやき | 読み切り