2009/12/07

深夜食堂

Img521 安部夜郎 著。ビッグコミックオリジナル増刊にて2006年連載開始、現在はビッグコミックオリジナルにて連載中、単行本5巻まで以下続刊。

 営業時間は夜中の12時から朝の7時まで。メニューは豚汁定食とビール、酒、焼酎のみだけど、注文してくれればできるものなら作る。そんな営業方針のめし屋に集まる、年齢も職業も様々な男女たち。ある者はポテトサラダに故郷の母を思い出し、ある者はタラコに恋人の姿を重ね、そしてある者は明日からダイエットすると言いながら、今日も牛すじのおでんでご飯三杯を食べる。さぁ、深夜食堂、本日も開店です。

 そんな感じの、場末の食堂を舞台としたヒューマンドラマ。各話ごとに異なる客が主人公となり、何かしら食べ物が絡んだエピソードを披露する、という感じの作品です。どことなく谷口ジロー「孤独のグルメ」を感じさせる作品ですが、あちらは主人公が固定で店がバラバラなので、読後感は全然違いますね。抜群に面白いというわけではないし、画もうまいわけではないのですが、心にじわりとくる、味の染みこんだ料理のような作品です。

 一点だけどうしても気になってしまうのが、登場する客の中に、有名女優とかオリンピック選手とか高名な犯罪者とか、(ある意味)有名人がやけに多いこと。そういう人たちのほうが話になりやすい、というのはわかりますが、いくらなんでも多すぎなんじゃないかなー、とどうしても思ってしまいました。いや、もしかしたら、世間には有名人なんてごろごろいて、私が気付いてないだけなのかもしれませんが……。

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2009/11/20

新世紀エヴァンゲリオン

Img505 原作・GAINAX、漫画・貞本義行。月刊少年エースにて1994年連載開始、2009年に掲載誌をヤングエースへと移し、現在も連載中。単行本11巻まで以下続刊。

 西暦2000年、南極に大質量の隕石が落下。氷の大陸は一瞬で溶解し、水位の上昇をはじめとした天変地異が世界を襲い、地球人口は半分まで激減した。これが世に言うセカンドインパクトである。そして15年後――自分には特に生きている理由も意味もないと、日々をドライに生きる14歳の少年、碇シンジは、10年以上も離れて暮らしていた父親に呼び出されて第3新東京市に向かう途中、突如巨大な怪物と国連軍との戦闘に巻き込まれてしまう。国連軍の武器は怪物に対してまったく役に立たず、町ひとつを破壊する威力を持ったNN地雷ですら、怪物にわずかに傷をつける程度でしかなかった。父と同じ組織に所属する葛城ミサトと、謎の巨大ロボットの援護により難を逃れたシンジは、ミサトからあの怪物は使徒と呼ばれていて、彼女たちが所属する特務機関ネルフこそが使徒殲滅の任を負っていると聞かされる。そしてネルフの本拠地である地下空間、ジオフロントへ連れてこられたシンジは、先ほどの巨大ロボット、人造人間エヴァンゲリオンと再開するが、その場で突然、父に「これにはおまえが乗るのだ。そして使徒と戦うのだ」と告げられるのであった……。

 そんな出だしの、近未来SF。連載開始当時に放映されていた同名のアニメーション作品のコミカライズであり、大筋の流れは同じですが、細部には色々変更点があります。現在劇場版として公開されている「エヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズは、初期のアニメシリーズと比べると変更点が色々あるそうで、当然このコミカライズ版とも色々違う点があるでしょうから、新劇場版シリーズのコミカライズとしては読まない方がいいのかもしれません(新劇場版シリーズは私は見てないので、あまりわかりませんが……)

 ストーリーとしては、使徒が次々と攻めてきて、それをエヴァンゲリオンに乗ったシンジや綾波、アスカらが倒していくが、様々な思惑が絡み合う中、徐々に隠された真実が明らかになっていき……という感じです。とにかく設定された謎が多く、少しずつ明かされる情報を頼りにそれらを読み解いていくというのが楽しかったのですが、アニメ版はこれにプラスして使徒対エヴァのアクションシーンの出来も非常に良く、まさに傑作と言っていい作品だと思いました。ただし最終2話は、私にはちょっとアレでしたが……。このコミカライズ版も面白いは面白いんですが、どうしてもアニメ版の印象があるため、単独で評価するのはちょっと無理ですね。アニメ最終2話の印象が悪くて、実は単行本は途中で買うのをやめてしまったのですが、コミカライズ版のラストの構想はアニメ版とは違うとか聞いた覚えがあるので、完結したら読もうかなー、なんて思っています。

 作者は漫画家というよりも、イラストレーターやデザイナーといったイメージの方が大きいですよね。ただしマンガ作品がイラストっぽいのかと聞かれればそうではなく、コマ割りやセリフ等、マンガ作品としてまったく違和感はありません。イラストレーターのマンガってどうしても違和感があるものが多いですが、そういう意味ではすごいですね。よく休載しているとのことで、遅筆なのは仕方ないのかもしれませんが、ちゃんと最後まで描ききってくれることを願っています。

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2009/11/06

神話ポンチ

Img491_2 桂明日香 著。ヤングガンガンにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 表では男ウケしそうな演技して媚びへつらってくるくせに、裏では罵詈雑言言いたい放題という姉2人との3人部屋という環境は、有形梯守(でいご)を卑屈心の塊とするには十分なものだった。卑屈を愛し、卑屈に生きることをポリシーとするようになった彼は、一人で卑屈になれる場所を求めて高校進学を機に一人暮らし始めようとするが、向かった不動産屋で隣に座っていた少女が持つ像から、とうとう幻聴を聞いてしまう。卑屈レベルが上昇したと喜ぶ梯守だったが、その像に触らせて貰った瞬間、像は消失、自身は気を失ってしまい、次に目覚めた彼を待っていたのは、あなたは狂気の神リュッサに取り憑かれてしまいましたと真顔で言う、知恵と戦いの女神アテナを自称する変なコスプレ女だった。さらにアテナは、あっけにとられる梯守を尻目に、取り憑かれた人間が心の底から幸せになればリュッサは追い出せる。そうでなければ死んでしまうので、くれぐれも卑屈になったりしないでね、と言葉を続けるのだった……。

 そんな出だしの、ギリシャ神話を扱ったドタバタコメディー。正直、設定は難解というか無駄に凝りすぎだと思うんですが、ようは卑屈な生き方が好きな高校生がいて、そこに女神アテナが現れ、卑屈に生きると死ぬと宣告されてしまう、というものです。さらにリュッサの化身だった像を持っていた空子先輩、アテナの友人のドジっ子女神アルテミス等がからんできて、ドタバタコメディーを繰り広げるという感じです。どのキャラもまだ表に出てこない設定が色々あるようで、メインストーリーに関してはまだ何とも言えないというのが本当のところなのですが、一つだけ確かなことがあります。それは、やっぱり作者のラブコメは面白いなー、ということ。この作品に関して言えば、ラブコメ部分はメインではない可能性が高いわけですが、少なくとも現時点では、空子先輩の絡んだラブコメ部分がかなり最高です。お金持ちで天才でちょっと変人だけど寂しがり屋、というわりとお約束な空子先輩をこれだけ可愛く見せるのは、作者の力量だと言っていい気がします。あーもー、もっとフツーの学園ラブコメをやってくれればいいのに!(問題発言

 タイトルなんですが、神話ポンチのポンチは、フルーツポンチのポンチなのか、いかれポンチのポンチなのか、ポンチ絵のポンチなのか、はたまたそのどれでもないのか、もしくは複数かけているのか、どれなんでしょうね。イメージ的にはフルーツポンチかなーと思ったのですが、フルーツポンチは英語にするとFruit Punchであり、この作品はアルファベットだとSHINWA PONCHIと表記してあるので、違うようなんですよね。となるとポンチ絵かなーとは思いますが、それだとようは神話マンガということになり、ひねりがないなぁ……なんて思ってしまいます。ただいずれにせよ、タイトルの語感はちょっと作品とあってないなー、というのが現時点では感想です。最終的にピッタリになってくれればいいんですけどねー。

 今後どういった展開になっていくかでこの作品の評価は変わってきそうですが、とりあえず最低、空子先輩だけは幸せにしてあげてくださいね?

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2009/10/19

新暗行御史

02 原作・尹仁完、作画・梁慶一。月刊サンデーGXにて2001年~07年にかけて連載、完結済。単行本全17巻+外伝1巻。

 むかし、聚慎という国に、暗行御史(アメンオサ)という特殊官吏があった。彼らは王の特使として秘密裏に地方を回り、悪政を糾弾し庶民を救うことを仕事としていた。だが時が経ち、聚慎が滅びたことで、後ろ盾を失った暗行御史たちもいなくなったという……。ところがその頃、とある村に暗行御史がやってくるという噂が流れる。その村の女村長は領主からの増税に異議を唱えたために捕まってしまい、処刑の日を待っているという状態だった。村長の娘、ロロは母を助けるため、暗行御史がやってくるのを心待ちにしていたが、そんな時、一人の誠実そうな旅人が、領主の部下、文秀によって取調べを受けている場面に遭遇する。ロロはその旅人こそが暗行御史なのではないかと一瞬思うが、彼のどこを探しても、暗行御史の証である馬牌は見つからなかった。そして数日後、ついに村長が処刑される日がやってくる。暗行御史は結局現れず、ロロは一人、母を救うために役人に挑みかかるが……。

 そんな出だしの、過去に朝鮮半島で実在した役職、伝説をテーマとした、伝奇アクション。上記あらすじは第1話の中盤までですが、実は旅人は領主が変装している姿であり、本当の暗行御史は潜入捜査をしている文秀だったりします。暗行御史というのは実在した役職であると同時に物語の題材としてもよく扱われ、イメージ的には日本の水戸黄門みたいなものだそうです。印籠の代わりに馬牌を出し、「この紋所が~」の代わりに「暗行御史のおでましだ!」と言うのだとか。ただし暗行御史の持つ三馬牌には、幽玄兵士というこの世ならざる軍団を呼び出す力があり、これによって大軍相手にも渡り合える、という設定になっています。あと山道という護衛と、房子という従者もセットのようです。どこまでが暗行御史での設定で、どこからがこの作品オリジナル設定なのかは、正直わかりません。

 そんな感じの、原作も作画も韓国人という、日本人にはあまりなじみのない設定、スタイルなわけですが、これが非常に面白い作品でした。勧善懲悪というのは文化が違えど普遍のものである、といういい証拠だと思えましたね。残念ながら中盤以降はちょっと(かなり)中だるみ感がありましたが、(原作者の)日本での初連載としては、大成功だったのではないでしょうか。絵は画像を見ればわかるとおり、その山道の服装はどうよと思ってしまう部分はありますが、そこにさえ目をつぶれば書き込みも細かいし動きもいいしと、何の問題もありませんでしたね。むしろ山道も、その格好だからいいというかなんというか(だいなし

 作者は現在、同じ原作、作画の組み合わせで、週間少年サンデーにて「DEFFENSE DEVIL」という作品をシリーズ連載中。魔界を追放された悪魔の弁護士が、罪人の弁護をして無実を証明することによって、魔界へ復帰しようとする、という感じの話なのですが、今のところはフツーに面白い感じです。しかし暗行御史を完結させた実績から考えると、正直まだまだ物足りないと思っていますので、もう少しはじけてほしいなー、なんて思っています。週刊連載のページ数にまだ慣れてないんじゃないかなー、なんて気もしますね。

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2009/06/15

シャーリー

Img348 森薫 著。同人誌にて1~5話を2000年頃に発表、その後2006年にコミックビームFellows! Volume2(現在隔月誌として発行中の「fellows!」とは別物)にて新たに2話発表。単行本1巻まで。

 カフェ「モナ・リザ」の女主人、ベネット・クランリーがある日夜遅くに家に帰ると、そこにはシャーリー・メディスンと名乗る女の子が待ちかまえていた。彼女はベネットが新聞に出した、住み込みメイドの求人を見てやってきたのだと言う。確かにメイドの募集はしていたものの、シャーリーが13歳と聞いて、ベネットはあまりに若すぎると悩んでしまう。だが両親はいない、住む場所もないと聞いてしまった以上追い出すわけにもいかず、ベネットは覚悟を決めてシャーリーを雇うと決める。ところが翌日、ベネットが仕事先から帰宅すると、一人で暮らすには大きすぎてまともに掃除もできていなかった家の中は見違えるほどに綺麗になっており、出された夕食は文句なしく美味しい出来であった。満足したベネットは、改めてシャーリーにこれからどうぞよろしくね、と言うのであった。

 そんな感じの、おそらくは「エマ」と同様19世紀末の英国を舞台とした、ベネットとシャーリーの日常を描いたマンガ。まぁなんというか、アレだ、シャーリーは萌えます。というか、作者が萌えながら描いてるんですもん、読者が萌えずにどうする、って感じですね。メイドとしての能力は高いし性格も真面目なのに、両親はおらず住むところも無いというちょっと不憫な設定。きちんとしたメイド服を身につけたことを思わずスカートを翻してみてしまうくらい喜んだり、人形をもらってはしゃいで喜ぶことはないけれど、食事の支度も忘れて服をつくってあげようとしたりと、一挙手一投足がもうとにかくかわいすぎなんですよこんちくしょー。

 その後エマの連載が始まり、作者は同人からは離れてしまったわけですが、2006年に今度は商業誌に新しい話が載るという嬉しい展開が待っていました。さらにはその後書きで、まだちょっと描き足りないので、こんな感じで時々描いていきたい、というコメントまであったりします。もう大歓迎ですので、のんびり気長にお待ちしていますよー。

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2009/06/10

G戦場ヘヴンズドア

Img340 日本橋ヨヲコ 著。月刊IKKIにて2000年~03年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 小説家志望の高校生、堺田町蔵は、人気漫画家である父、坂井大蔵がマンガを優先して母が出て行くのを止めなかったことから、父親のみならずマンガそのものまでを憎むようになっていた。そんなある日、町蔵の小説を読んだ漫画家志望の同級生、長谷川鉄男から、一緒に漫画をつくりたいと話を持ちかけられる。鉄男の投稿作を読んだ町蔵は、うまいがただそれだけ、という内容に、だから自分の原作が欲しいのだと半ば納得するのだが、鉄男が小学生の時に描いた大量の漫画は、今の町蔵でも敵わないような、背筋の震えるものばかりだった。これだけ描けるなら、原作なんていらないだろう。そう問いつめる町蔵だったが、帰ってきた鉄男の返事は、小5の時に父に向けて描いた漫画を最後に、もうストーリーが思いつかないんだ、というものであった……。

 漫画家を目指す二人の高校生の物語、ではなく、二人の高校生が漫画家になる過程の物語、です。どう違うのかと言うと、作中で町蔵と鉄男の二人が手に入れるものは、技術ではなく意志である、という事でしょうか。漫画家志望として四苦八苦するシーンというのは少なく、もっと内面的な部分で苦しんで苦しんで、それでも前に進んでいく、というシーンがメインを占める作品です。漫画家志望という設定は、あくまでこの作品を表現するための手段である、と言ったほうがわかりやすいかもですね。

 作品としてはフツーに面白いですし、第1話の台詞を最終話でも使うなど、首尾一貫もしていて良かったとは思うのですが、この作品、単行本のオビで他の漫画家が褒めすぎじゃね? って思うくらい褒めてるんですよね。島本和彦、土田世紀、藤子不二雄Aという錚々たるメンツが褒めているわけですが、それを読むと、あー、この作品は、漫画家もしくは漫画家志望くらいの人じゃないと、本当の面白さはわからないのかなー、なんて気持ちにちょっとなってしまいます。しょんぼり。

 作者が現在連載中の「少女ファイト」も、もしかしたらバレーボールを知らないと本当の面白さは理解できない、という作品なのかもしれませんが、少なくとも今のところは、私はこの作品よりも楽しんで読めています。特定の人にしか本当の面白さがわからない漫画よりも、もっと間口を広くして、万人受けする作品の方がいいと思うのですが、あれ、その話題って、このG戦場ヘヴンズドア内でも語られてましたね……。その問に対する答えが、この作品ってことなのかなー。

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2009/05/11

少女ファイト

Img314 日本橋ヨヲコ 著。イブニングにて2005年より連載中、単行本5巻まで以下続刊。

 ささいな喧嘩から「ねーちゃんなんか死んじゃえ」と言ってしまった翌日、女子バレー強豪校のレギュラーだった姉は、春高バレー準決勝を勝った帰りに交通事故で死んでしまった。以来、姉より7つ年下だった大石練は、その間だけは姉のことを忘れられるという理由で、バレーにのめり込んでいく。姉に劣らぬバレーの実力を持っていた練は、やがて所属していた小学校のチームを全国大会準優勝へと導くが、独りよがりなプレーは他の部員たちの反発を買い、部員全員が私立白雲山学園へスカウトされたというのに、練以外の全員が示し合わせて辞退するという目にあってしまう。そして3年後――もう調子にはのらない、友だちもつくらない、という決意の元、わざと実力を隠して中学の3年間を補欠のまま終えようとしていた練は、ある日レギュラーの一人を怪我させてしまい、代役として練習試合のスタメンに選ばれてしまう。予期せぬ3年ぶりの実戦は、練にバレーの楽しさを思い出させるには十分すぎるものだった。だが好プレーを連発する練は次第に熱くなってしまい、試合中にチームメイトと接触、2人とも負傷退場することとなり、試合も中止に。さらに痛めた背筋を幼なじみで整骨院の跡取り息子である式島滋に診てもらっていたところ、監督に逢引していたと誤解され、中学から高校への特待生としての進学も絶望的になってしまう……。

 天才系バレーボールマンガ。喧嘩して謝る前に相手が死んでしまうとか、もう友だちなんてつくらないとか、ありがちな設定だとは思いますが、ありがちというのは王道と言い換えることもできるわけで、そういう設定をうまくつかった、非常に面白い作品です。上記あらすじは正直なところプロローグで、本編はこの後、姉が死んだにもかかわらず翌日の決勝戦に出場しそのまま優勝した、 私立黒曜谷高等学校に練が進学するところから始まります。2年生が3人しかいないチームに1年生6人が入部し、個々の実力は高いもののバラバラだったチームが少しずつまとまっていく、という感じの流れですね。

 特筆すべき点としては、小田切学という女子キャラがいるのですが、練にあこがれていて、いつか練を主人公としたバレーボールマンガを描くのが夢で、もっとバレーボールの事を知るためにバレー部のマネージャーになろうとするが、なりゆきで選手として入部してしまう、という、フツーの努力系作品なら主人公で全然おかしくない設定だったりします。メインが練の内面描写や精神的成長であるのは間違いないのでしょうが、学の技術的な成長物語部分も、これはこれとしてとても面白いです。

 作者は他に何作か連載終了した作品を持っていますが、この作品が一番の代表作となっているみたいですね。他の作品は読んだことがないのですが、基本的に同一世界観の元での話になっているということなので、機会を見つけて読んでいきたいなー、と思っています。

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2009/04/28

じゃじゃ馬グルーミン★UP!

Img300 ゆうきまさみ 著。週刊少年サンデーにて1994年~2000年にかけて連載、単行本全26巻完結。

 高校1年生の久世駿平は、春休みを利用しての北海道ツーリングの最中に財布を落としバイクはガス欠という事態に陥り、空腹と疲労で行き倒れていたところを、一頭の馬と一人の女の子に助けられる。翌日目を覚ました駿平は、そこが競走馬の繁殖と育成を行う牧場であり、昨日の馬の名はタケル、女の子はこの牧場主の次女、渡会ひびきという名であることを知る。そして一文無しであった駿平は、帰りの旅費を稼ぐためこの渡会牧場でアルバイトをすることになるのだが、競馬というものをまったく知らなかった彼にとって、牧場での生活は驚きととまどいの連続なのであった。

 そんな出だしの、競走馬育成ラブコメディ。レースシーンもそれなりには出てきますし、騎手や調教師もたくさん出てきますので、競馬マンガというくくりに入れても問題は無いでしょうが、メインはあくまで牧場での繁殖、育成です。ただしこの作品の真骨頂は、ラブコメ部分だと思います。作者は他にも「機動警察パトレイバー」「究極超人あ~る」「鉄腕バーディー」と代表作が多いですが、じゃじゃ馬~ほどラブコメ部分に重きが置かれている作品は他には無いと思います。まさしく王道ラブコメと言えるでしょう。そしてラブコメにはつきものなわけですが、ヒロインは当初から渡会家4姉妹の次女ひびきであることがあからさまであり、駿平に想いを寄せる三女、たづなちゃんの報われ無さっぷりは、読んでいてちょっと可哀想でした。

 作中の時間経過は約4年と、意外に短かったなー、という感じですが、少年漫画にしては珍しくヒロインの妊娠、出産まで描くという、すごい作品でもありました。最終巻の表紙なんて、妊娠中のヒロインですからね。ラブコメ部分が多いと書きましたが、競走馬育成部分がおろそかになっているわけでもなく、見事両立させた非常に面白い作品でした。久しぶりに読み返しましたが、朝までかかって全巻読破してしまいましたよ。

 作者は上でも書いたように、このじゃじゃ馬~以外はSF物が多いわけですが、またいつかこのような王道ラブコメ作品も描いてほしいなー、と思っています。

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2009/04/15

C.D.A 若き彗星の肖像

Img285 北爪宏幸 著。月刊ガンダムエースにて2001年より連載中、単行本12巻まで以下続刊。

 宇宙世紀0079、後に一年戦争と呼ばれることとなるジオン公国の独立戦争は、ジオン公国総帥ギレン・ザビの死と共に、地球連邦の勝利で終わりを告げようとしていた。そんな中、自らの復讐を終わらせ、生きる意味を見失っていたジオンのエースパイロット、シャア・アズナブルは、ギレンの弟の妻であるゼナとその娘、ミネバが存命していることを知り、二人を救うことを決意、無事ジオン公国最後の軍事基地である小惑星アクシズへと脱出させることに成功する。そしてシャアはそこで、アクシズ最高責任者マハラジャ・カーンの次女であり、シャアに憧れる可憐な少女、ハマーン・カーンと初めて出会うこととなる……。

 CDAとは、Char'sDeletedAffairの頭文字であり、訳としては「シャアの消された歴史」とでもなるのでしょうか。というわけで、ガンダムとZガンダムの間の、シャアの空白の7年間を繋ぐ物語です。当然のごとくガンダムを知らなければ意味がわからないでしょうし、主人公がシャアとハマーンの2人である以上、ハマーンが出てくるZ、ZZも知っていてこその話のつくりになっています。シャアとハマーンが過去に浅くない関係にあったことはZガンダムの台詞でわかりますが、それを漫画化したという形ですね。ガンダム(ファーストからZZまで)が好きなら、読んで損のない内容だと思います。

 というかですね、シャアはファースト時代やZ以降と比べても特に違和感なく描かれているんですが、ハマーン様はZやZZ時代はあんなにキツい性格のお姉様なのに、CDAでは快活可憐なお嬢様ですよ、もう! なんでこんな純真な少女があんなになっちゃうの? いや、あんなになっちゃってるハマーン様も素敵ですよ? むしろあんなになっちゃってる方が!

 ……

 えーと、作者の北爪宏幸ですが、Z、ZZ、逆シャアなどの作画監督やキャラクターデザインを手がけた人ですね。アニメ雑誌の表紙を数多く手がけていることから、イラストレーターとしてのイメージも強いですが、この作品もそういった面が強く出てしまっていて、正直言ってコマ割りマンガとしては下手だし読みにくいです。しかしながら、その欠点を補って余りあるネタとストーリーは、見事の一言。表現の仕方が下手なだけで内容はしっかりしていますし、このまま最後まで期待しています。

 ただ一点、Zには繋がらないようなオリジナルラストにだけはしないでくださいね……?

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2009/04/12

神聖モテモテ王国

Img282 ながいけん 著。週刊少年サンデーにて1996年~2000年にかけて連載、単行本6巻まで、未完。現在はコミックパークより、単行本未収録分+ヤングサンデー短期連載分も含めた全7巻が発売中。

 ナオンと彼らだけの蜜あふるる約束の地、モテモテ王国。この物語は、女性にもてたいがその方法もわからず話しかける度胸もない少年、深田一郎、通称オンナスキーと、口は達者で行動力もあるが、行動原理というか存在自体が間違っているような気がする変な宇宙人、ファーザーという親子の、モテモテ王国建国を目指す物語である。今日もファーザーとオンナスキーはトンカツで腹ごしらえをし、主にファーザーの考案する作戦で女性をナンパしに出かけ、ほぼ必ず失敗するのであった。王国建国の日はまだ遠い……。

 実験系ショートギャグ。毎回毎回、こうすればナオン(女性)にもてるんじゃないか? という仮定のもと行動し、見事に失敗する、というのを笑って読む作品。失恋直後のナオンは落としやすいのじゃよー、とか、お笑い芸人がもうもってもてじゃよ? とか、出だしはそれなりにまともなんですが、その後の展開は確実にまともにはならず、オチは警察に連行されるか犬やヤクザに襲われるか死ぬか、だいたいそんな感じ。ファーザーの人間離れした外見と言動で大笑いさせていただきました。ジーク・ナオン!

 この作品は週刊少年サンデーで連載されていたわけですが、ある日突然掲載されなくなり本誌でもその理由について一言も説明が無く、いつのまにやら闇に葬り去られてしまったという、残念な終わり方の作品でした。その後の作者はヤングサンデーで短期集中連載はしたもののそれ以外の漫画家としての活動は見あたらず、もう作品を見ることは無いのかなー、と思っていたのですが、なんと2009年5月創刊予定の月刊少年サンデーにて連載を持つらしいことが発表されました。まだどんな作品になるのかまったくわかりませんが、とにもかくにもちょー期待です。

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