2009/07/28

ニコイチ

Img392 金田一蓮十郎 著。ヤングガンガンにて2004年より連載中、単行本6巻まで以下続刊。

 須田真琴が大学生の時、つきあい始めて1年が経つ年上の彼女、成美は、交通事故で死んでしまった。残されたのは真琴と、真琴も知らされていなかった、2歳半の成美の息子、祟。成美には身寄りが無く、このままでは養護施設へ送られてしまいそうになる祟を、真琴は養子とすることを決意する。だが2歳半の祟には母の死など理解できるはずもなく、母がいないという事実にただ泣きわめき、母の臭いである化粧品を握りしめたまま泣き疲れて寝てしまう、という毎日を過ごしていた。そして真琴は、決意する。少しでもうまくいく可能性があるのなら、自分がこの化粧品を使って、祟の母のフリをしてみよう、と。――そして8年後、小学6年生になった祟は、立派な男の子に成長していた。そして29歳となった真琴は、祟の前では未だ女親として、女装してすごす日々を送っていた……。

 そんな出だしの、女装ラブコメ。一般的な女装要素付きのマンガとは違い、主人公、真琴には女装癖や性転換願望等があるわけではなく、30までには祟にカミングアウトしたいと思っている、という設定です。親子が2人で暮らしているという設定で、8年間親が子供に対し性別を偽り続ける、かつ親子仲は非常に良い、というのははっきりいって不可能、あり得ないとは思いますが、その部分だけはファンタジーとして目をつむって読むことができれば、コメディー作品として非常に楽しめると思います。

 最終目標は今も昔も祟にカミングアウトすることですが、序盤~中盤のストーリーとしては、真琴は女状態の時に知り合った藤本菜摘という女性と仲良くなるが、男状態ではかなり嫌われている状態なので、本当の事を言えるはずも無いところに、なんと菜摘が女同士だけど好きですと真琴に言い寄ってくる……という感じの、この手の作品としては王道な展開で進んでいきます。一歩間違えればすべてが終わる危険な橋を渡りまくってはいるのですが、あくまでコメディ作品ですので、常にギリギリになりつつも、良い方、良い方へと話は進んでいきます。このあたり温いと言われればその通りですが、私的にはこのくらい温いのがちょうどいいので、不満はありません。現在、菜摘とはすべての誤解を解き、その上で良い関係を築けているので、残る大きな試練は祟へのカミングアウトだけと言えそうですが、さてはて果たしてどうなることやら。ハッピーエンドになることは疑っていませんが、どうやって締めてくれるのかには、非常に期待しています。

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2009/03/29

娘々花激団

Img267 前崎彬 著。コミックGENKi及びコミックニュータイプ(共にニュータイプ付録)にて1993年~96年にかけて連載、単行本全2巻完結。

 吉星百戯団の天才軽業師、娘々(にゃんにゃん)には、幼き日に団長に拾われた以前の自分のことを知りたいという夢があった。そんなある日、娘々は荷物の中にしまわれていた一つの宝石を見つけ出す。それは、幼き日に娘々が唯一持っていたものであり、廟会(寺の縁日)で出会った老爺に、この石はおまえさんの人生に深く関わっている、これと同じ石を4つ捜してごらん、と言われたものだった。満月にかざすと、中から五つの星が現れる宝石。娘々は百戯団に同行しながら、自分の過去を捜すため、残り4つの宝石を捜すのであった。

 中国を舞台とした冒険アクションファンタジー。上のあらすじは、第一話以前の設定、という感じですね。この後宝石泥棒を繰り返し、ようやく見つけた手がかりは……という感じで話は進んでいきます。そして一番語りたいラスト、最終章はちょっと衝撃、困惑の展開で始まるのですが、その締め方は非常に見事なものでした。見せ方をもうちょっと変えてくれればなー、と思う部分もあるのですが、でも読後感の良い、面白く読める作品でした。

 15年以上前の作品だけあってやや絵柄は古くさいですが、キャラは可愛いし動きもいいし、今でも十分通用すると思います。ところが残念ながら、作者はその後Gファンタジーで読み切りをいくつか描いたくらいで、2000年以降は活動の痕跡が見つからないんですよねー。もう漫画家は辞めてしまった可能性も高いですが、いつかまた作品に出会える日を気長に待ちたいと思います。

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2008/11/21

24のひとみ

Images_2 倉島圭 著。週刊少年チャンピオンにて2006年~08年にかけて連載、全6巻完結。

 産休の先生の代わりにやってきた新しい担任の先生は、美人だけど嘘つきだった。口を開けば嘘と悪口、疑り深い相手には時々本当の事を織り交ぜ、だましまくるひとみ先生。しかもその内容は、人を貶めたり困らせたりと、いっさい容赦無し。今日もひとみ先生は、嘘につぐ嘘で人々を苦しめるのだった。

 嘘つき学園ショートギャグ。嘘をつく側(ボケ)と騙される側(ツッコミ)のテンポのいいかけあいが楽しいマンガ。ひとみ先生の嘘は、自分に利益があるわけではなく、とにかく相手を騙す、という事に重点がおかれたものなので、笑って読めるんだと思います。連載中は、騙されると「ひとみせんせー」と叫ぶのが、私のまわりでは流行ってました。

 あとこの作品は、なんと実写ドラマ化されています。90秒ドラマで全80話とかいうよくわからない放送形式で、1回だけ観ましたが、けっこう雰囲気出てました。DVDも発売中ですが、もうちょっと安かったら考えるんだけどなー。

 前作の4コマ「メグミックス」は、下ネタ率が高すぎるのと、画が3パターンくらいしかなくてそれを使いまわしてなんとかしている、というのが非常にきびしかったんですが、24のひとみは絵のパターンも格段に増え、ショートギャグとして十分読めるレベルまできていると思いました。次回作も期待しています。

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