2009/10/08

猫ラーメン

Img467 そにしけんじ 著。コミックブレイドMASAMUNEにて2004年連載開始、現在は月刊コミックブレイドにて連載中、単行本は本編3巻+番外編1巻が発売中、以下続刊。

 血統書つきのアメリカンショートヘアーであるウィリアム・トーマス・ジェファーソン3世は、トップモデルである父の大きすぎる期待に反発し、家を飛び出してしまう。そして彼は、寿司職人、自動車教習所教官、医者、スポーツ選手、作家等、職を転々とするが、どれもうまくいかず人生に悲観していたところを、とある屋台のラーメン屋に救われる。その店が出してくれた、煮干しとカツオベースのぬるいスープ、噛みやすい薄いチャーシューに味のしないメンマ、短く切った麺、という猫のためを思ってつくられたラーメンは、彼がラーメン屋を目指すきっかけになるには十分すぎる物であった。やがて屋台を譲られ、大将と呼ばれるようになった彼は、オリジナルの牛乳と鰹節を練り込んだ麺、猫麺を完成させ、ついには自分の店を持つに至る。さぁ、元祖猫ラーメン、本日堂々の開店です!

 そんな設定の、猫が経営するラーメン屋を舞台としたちょっとシュールなギャグ4コマ。大将のサイズは普通の猫と同じですが、二本足で立って菜箸と麺揚げを器用に操ったり、人の言葉を話せたりと、その辺はギャグマンガ仕様。ネタの基本は、ラーメンの内容やサービス方法について大将が思いついたことを、常連客のサラリーマン、田中相手に色々試す、というものなのですが、それがどれもこれも的を外していてとても面白い。太麺と言ってのびたラーメンが出てきたり、冷麺と言ってラーメンに氷を入れたり、おにぎりをサービスしようとするが猫なので握れなかったり、店主のまかないラーメンが猫缶入りだったり、回転寿司ならぬ回転ラーメンを始めてみたり、流しそうめんならぬ流しラーメンを始めてみたり、etcetc……とよくもまぁこれだけネタが続くものです。わりと麺を粗末にする描写が多いのがちょっとアレですが、そのへんはきっとほら、終了後にスタッフで美味しく食べていることでしょう。

 線が太く大ざっぱな絵は明らかに今風ではありませんが、でも下手というわけではないし読みにくさも無いため、ギャグマンガとしてならこれでまったく問題ないと思います。難を言うならば、作者の作品すべてが似たテイストになってしまっている、ということなんでしょうが、どれもこれも一定以上には面白いので私的には問題無し。中でもやはり、この「猫ラーメン」が一番面白いかなー、と最近は特に思うようになってきました。いつまでも読み続けますので、いつまでもこの作風のまま続けてもらいたいものです。

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2009/06/02

ねこわっぱ!

Img336 松本直也 著。週刊少年ジャンプ今週号(2009年27号)掲載読み切り。

 猫又町三丁目にある猫又の森神社は、世にも珍しい猫を神と奉る神社。そこには猫童(ねこわっぱ)と呼ばれる女の子が住んでおり、絵馬に書かれた願いを叶えてくれるのだという。その話を聞いた高校生、茂加大貴が猫又の森神社へ行ってみると、果たしてそこには本当に化猫一家が住んでおり、タマと名乗る女の子が絵馬を差し出し、賽銭を入れたのならこれに願いを書けと言います。大貴の願いは、離婚した母親に引き取られていった、どこに住んでいるのかもわからない小学生の妹、六花に会いたい、というもの。タマは猫の情報網を使ってすぐさま六花の通う小学校を特定、本人を発見しますが、いざ話しかける段になって、自分は妹に会いたいけれど、妹がどう思っているかはわからない、という事に思い当たってしまい、大貴は躊躇してしまいます。ところがその瞬間、突如現れた怪しい人間に、六花とついでにタマが誘拐されてしまい……!

 そんな感じの、わりとほのぼのファンタジー。ストーリーはだいたい上記のような感じでこの後のラストも正直フツーなんですが、キャラが非常にいいですね。見た目はちょっと不良のシスコン大貴に、ねこわっぱのタマ、タマの両親と祖父?に、誘拐犯3人組と、どれもこれもいい味を出しています。特にサブキャラとしてはタマの両親が良く、ストーリーの節々でうまく笑いを与えてくれます。47Pと多めな割に最後までさくっと読めてしまうのは、そういったキャラの良さによるところが大きいんじゃないでしょうか。あとは「にゃ」という伏せ字とか、小ネタも非常に良かったです。総合的には現状でも十分及第点なわけですが、これでストーリーの、できれば転と結がもっともっと鮮やかになれば、素晴らしい作品になったんじゃないかと思いました。

 あえてツッコミを入れてみると、P211(ページ表記が全編無いので解りづらいですが、大貴が誘拐犯の所に飛び込んでくる直前のページ)の右下のコマ、六花が誘拐犯に銃を向けられるシーンですが、大貴が来ていることがはっきりとはわかっていないこの段階での六花の涙は、不要どころか有害なんじゃないでしょうか。このせいで、次ページの大貴に会えたことでの涙が薄れてしまったと思います。あとその部分の流れですが、ジレンマもあるでしょうが、タマが出張りすぎですよね。それが悪いわけじゃないんですが、タマの活躍と大貴と六花の再会を両方表現するには、ちょっとバランスが悪かったんじゃないかなー、と思いました。

 それから……読み始めた時の感触が、いけ著「ねこむすめ道草日記」そっくりだなー、というのは、言っちゃいけないお約束ですかね。ジャンプとリュウじゃ知名度が天と地ほどの差があるし、そもそもこちらのタマは本当は人間なので、設定も全然違うし大丈夫!

 作者は過去に数度赤丸ジャンプで読み切りを載せたことがあるだけの、まだまだ新人のようですね。読み切りとしてはレベル低くはありませんし、絵柄は私の好みですし、とりあえず名前は覚えておこうと思います。

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2009/01/16

ねこむすめ道草日記

Img168 いけ 著。月刊COMICリュウにて2008年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 藤森商店に住み着く黒猫の黒菜は、実は妖怪、猫娘。普段は猫の姿でおばあさんの所にいますが、面白おかしいことが好きな黒菜はしょっちゅう人の姿に変化し、町のあちこちに散策に出かけます。黒菜のしっぽや耳に触ろうとする町の子供は苦手だけど、でもどうして触ろうとするんだろうと逆に疑問に思ったりも。すぐエロいことをしてくる河童や、説教くさい自称天狗の化けガラスなども住むこの町で、黒菜は今日も気の向くままに、あちらこちらへ道草中です。

 ほのぼの妖怪マンガ。世に妖怪が主人公のマンガなんて大量にあるわけですが、ここまでほのぼのとした日常を描いた妖怪マンガも少ないんじゃないかなー、と思います。雰囲気としてはとなりのトトロを妖怪側から見た感じとするのが近いんじゃないかと思うのですが、それはさすがに褒めすぎ? やや話の方向性が固まってないように見える部分もありますが、それでも十分に面白いレベルですし、しかも作者はこれがデビュー作だとのこと。たいしたものだと思います。

 ただ、作者もわざとそうしているのだとは思うのですが、1話に必ず1回はある黒菜のちょいエロシーンが、これって必要あるのかなー、と正直疑問です。黒菜は元々猫だしあっけらかんとしてるので、服に関しては隙だらけという設定の上でのパンチラとかは全然問題ないと思うのですが、そうでないちょいエロシーンでページとりすぎなんじゃないでしょうか。どうしても入れたいのなら、せめて1、2コマに納めるべきだと思います。あとタイトルが道草日記とあるわけですが、黒菜に目的地があるようには見えないので、道草というのも変な気がしました。妖怪としての長い人生(?)の、現在は道草中、って意味なのかなー? ただ、タイトルとしての「道草日記」という語感は、非常にいいと思いますけどね。

 人間社会に紛れ込む妖怪ということで、いくらでも重いテーマは転がっているわけですが、そのへんは軽く流す程度にして、今後もほのぼの路線でいってもらいたいと思います。

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