2009/10/12

ベツ×バラ

Img471 曙はる 著。まんがタイムスペシャルにて2008年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 お菓子のパッケージ会社、アマイ企画に勤務する別所たまきは、甘味が大好きな制作部のエース。やる気もセンスもある彼女ですが、社内の平均年齢が50台で若いのがたまき1人という状況に、高卒入社当初は困惑したりしたものでした。そんな中、営業部の新人として、原田智哉が入社してきます。初めての後輩、と思いきや、原田は大卒なので年上。さらに態度も良くないし言葉遣いもなってないと、扱いづらいことこの上ありません。ところが話していくうちに、たまきは気付きます。原田は口は悪いけど根はいいやつだし、なにより彼も周囲が年上ばかりという状況に、困惑していたのだということを……。

 そんな出だしの、オフィスコメディー4コマ。ポジティブでアクティブでさらにお菓子に関しては底なしという、たまきを見ているだけで楽しい作品です。ネタの基本はたまきと原田のかけあいで、2人が主人公と言ってもいいくらいですが、原田は受け身体質なのでやはりメインはたまきですね。そしてその掛け合いが楽しいため、他のネタにもいい影響を与えている、という好循環になっていると思います。タイトルの由来は、そのまんまの意味と、別所×原田という意味から。ただしたまきと原田の間には今のところは恋愛感情はありません。あと別×原という順番に深い意味は無いと思います(聞いてない

 実は作者は、「らいか・デイズ」等で有名なむんこと、高校時代ずっとクラスまで一緒だったんだそうですね。しかも漫研の部長副部長だったとか。「妹本」というむんことの合同誌は読んでいて、その時は特別印象には残らなかったんですが、この作品は文句なく面白いですし、他作も読んでみようかなー、と思っています。

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2009/10/09

辺境警備

Img468 紫堂恭子 著。プチフラワーにて1988年~92年にかけて連載、完結。その後ファンタジーDXにて1995年~96年にかけて短編を発表。単行本はプチフラワー版が全6巻、ファンタジーDX版が全6巻(プチフラワー版とほぼ同内容)+外伝1巻(ファンタジーDX版の内容)。現在は文庫版が全4巻にて発売中。

 ルウム復活歴996年、女性関係が元で都を飛ばされたサウル・ガダフは、辺境警備隊の隊長として、王国北西部のドレングの町へと到着する。だがそこは、北方諸国との交流は絶えて久しく警備隊の役目など無いという、国境とは名ばかりの単なる辺境の地であった。当初は何をして暇をつぶせばいいのやらと思うサウルであったが、素朴な町の人々や9人の陽気な隊員たち、そしてこの地方の神官を務める若きジェニアス・ローサイらとの交流を経て、彼は少しずつこの地を気に入っていくのであった……。

 そんな出だしの、いわゆる剣と魔法の世界を舞台とした本格ファンタジー。場所は辺境ですが特に何も警備はしないので、タイトルに偽りは有り。しかもこの後のストーリーも、実はジェニアスは将来を嘱望された神官であり、ついに王都へ呼び戻されるが、実は彼の出生には秘密があり……という感じで、まったくもって警備はしません。ホント、なんでこのタイトルなんでしょうね。しかし内容はというと、主に人間関係を扱ったシリアスあり、コメディあり、ほのぼのあり、陰謀ありと、非常に面白い。古い作品ですが指輪物語のような本格ファンタジーなので、絵柄以外は今でも違和感無く読めるであろう点もポイント。そして圧巻なのは、ファンタジーDXに掲載された完結編。プチフラワー版最終回も、辺境にサウルがやってきて、色々あった挙げ句ジェニアスの一件を片づけ、そして辺境から去る、という感じの余韻を残す良い終わり方だったんですが、完結編は回収されていなかった伏線を全て回収しきり、そして一つの時代が終わるという、これまた見事なものでした。でもこれって多分、プチフラワー版最終回の直後に発表されてたら、ある意味蛇足に感じたと思うんですよね。何年か経って発表されたものだからこそ、ここまで感動できたんだと思います。ただ、何年か経ってから完結編を描くなんて、普通はできないんでしょうけどね……。

 作者の作品は実はこれしか読んだことがないのですが(そもそもこれを読んだきっかけも覚えて無い)、今でも複数の連載を持っているとのこと。そして今回調べていて知ったのですが、この作品と世界設定を同じにした他の作品があるらしいんですよね。この辺境警備は文句なく面白い作品ですし、とりあえずはその同じ世界設定の作品から読んでいきたいと思っています。

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2009/07/09

変ゼミ

Img370 TAGRO 著。モーニング・ツーにて2008年より連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 大学1年生の松隆奈々子が、あこがれている先輩の武蔵小麦が採っているからという理由での自身も採ってしまった、飯野教授率いる変態生理ゼミナール、通称変ゼミ。様々な特殊性癖持ちが集まりそれについて研究、演習をするそのゼミは、純真ノーマルな松隆にとって、変態の巣窟以外の何物でもなかった。当然所属する小麦も変態性癖持ちだったのだが、それでも彼への想いを棄てきれないまま半年が経った頃、ふとしたことで松隆は自分が変ゼミのスタイルに慣れ始めていることに気付き、愕然とするのであった……。

 そんな感じの、大学のとあるゼミを舞台としたエロコメディ。一般青年誌掲載作品ではありますが、18禁表現が頻出する作品ですので、その点はご留意ください。

 一見するとよくある「一般誌でここまでエロくしてみました」という感じの作品です。なので、当初はここで取り上げるのはやめようと思っていたのですが、ところがどっこい読めば読むほど味が出てくる(ような気がする)、不思議な魅力を持つ作品でした。その理由は、作品の基本的なスタイルに由来していると思います。曰く、この作品を表現するに適切な言葉は、「変態性癖を持つキャラが出てくる作品」ではなく、「変態性癖を学術的に研究、演習する作品」だ、と言うことです。結局の所、登場人物の大半は変態性癖を持っているのですが、収束地点がそこではないという差は大きいと思います。同じエロ本を買うにしても、読むために買ったのではなく、研究するために買った、ということですね。そしてそれを作中で意外に真面目にやっているからこそ、不思議な魅力があるのでしょう。

 作者はもともとは18禁出身だそうで、この変ゼミの元となる「変態生理ゼミナール」というタイトルの単行本も出ているそうです。ただそっちはきっと完全なる18禁で、手段と目的が変ゼミとは入れ替わってしまってるんでしょうね。いや、この変ゼミの方こそが入れ替わってるんだ、という気もしますが……。

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2009/04/05

HELLSING

Img275 平野耕太 著。ヤングキングアワーズにて1997年~2008年にかけて連載、単行本全10巻完結。

 英国北部の小村で、村人が1日に1人ずつ消えていくという事件が発生する。それが吸血鬼の仕業であると突き止めた王立国教騎士団、通称ヘルシング機関は、さっそく対吸血鬼のエキスパート、アーカードを村へ向かわせる。圧倒的な力で吸血鬼とその奴隷である食人鬼を倒し、事件を解決させるアーカードであったが、なんと彼こそが正当なる吸血鬼であり、銃で撃たれようが首を刎ねられようが、けして死ぬことのない不死の血族(ノーライフキング)なのであった。

 人間に使役される吸血鬼アーカードと、英国に敵対する人及び組織との戦いを描いた、ゴシックホラーアクション。キャラとそのアクションや台詞回しが非常に特徴的で、シーンシーンが印象に残る作品でした。少佐の演説とか、ものすごく有名ですよね。反面、メインストーリー自体は全10巻にしてはそれほど凝った物ではなく、あまり記憶に残らなかったなー、というのが正直な感想です。ただ、だからといってつまらないわけではなく、完結まで読めたことが嬉しく思えるような、とても良い作品でした。10年以上連載していたわけですが、完結して本当に良かったです。

 最終10巻のオビにも書いてありましたが、ヤングキングアワーズ6月号より、新連載「DRIFTER」が始まるそうです。ヘルシングも面白かったし、次も非常に楽しみにしています。

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2009/02/22

ペンギン娘

Img217 高橋てつや 著。週刊少年チャンピオンにて2006年~07年にかけて連載、単行本全3巻完結。現在は掲載誌をチャンピオンREDに移し、タイトルも「ペンギン娘MAX」として連載中、単行本2巻まで以下続刊。

 私立北極学園に転入してきた南極さくらは、世界一の巨大財閥「南極財閥」のお嬢様であると同時に、普段着は様々なコスプレ、寝るときはスクール水着、アニメ放送を見るために学校を早退し、家から秋葉原までの直通地下鉄まで開通させてしまうという、常軌を逸したアニメ大好きオタクであった。さくらの好きなアニメキャラに似ているという理由でなつかれてしまった、オタク嫌いの空手少女、択捉鯨や、誰とでも仲良くなることができる、温かいお祖母ちゃんのような少女、栗尾ねねらと共に、南極さくらは今日も我が道を突っ走ります。

 ハイテンションなドタバタショートギャグ。初期は1~4ページマンガと4コマの複合形式でしたが、中期以降4コマは無くなりました。月刊誌のチャンピオンREDに移ってからは、ページ数も増えた通常のストーリーギャグです。メインキャラは女性キャラがほとんどで、パンチラもたくさんというちょいエロ風味。ただエロいコマはあってもシーンはほとんどなく、ハイテンションなドタバタギャグが好きで支離滅裂な部分を許せるのなら、笑って読めると思います。背景の書き込みやトーンが多く、やや読みづらいのが個人的な難点。さらにMAXになってからはページ数が増えたことで間延び感があり、ページ数が少なかった時の方がすっきり仕上がってて良かったなー、と思わないでもありません。

 今回調べていて知ったのですが、元々はサンシャインクリエイション(同人誌即売会)のカタログ表紙用に描かれたキャラであり、チャンピオン編集からのオファーがきっかけで漫画化された、ということらしいですね。この点、現在もチャンピオンで連載中の「侵略!イカ娘」に近い部分がありそうです。チャンピオンの編集部方針として、こういうやり方が確立している、ということなのかなー。いいことだと思います。

 サイト内レビュー(侵略!イカ娘)

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2009/01/18

ベルセルク

Img170 三浦健太郎 著。ヤングアニマルにて1989年より連載中。単行本33巻まで以下続刊。

 傭兵団「鷹の団」に所属し、黒い剣士と呼ばれていた男、ガッツは、現世に絶望した団長グリフィスがゴッドハンドと呼ばれる異次元の生命体に転生するための儀式「蝕」に巻き込まれ、右目と左手、そして仲間のほとんどを失い、うなじには悪霊を呼び寄せる生贄の烙印を刻まれてしまう。同じく蝕に巻き込まれ精神が破綻、幼児退行してしまったかつての恋人キャスカを守り、治療するため、ガッツはひとまず復讐を忘れて妖精郷を目指すが……。

 とにかくダークな伝奇ファンタジー。グロい直接描写も精神描写もてんこ盛りなので、そういうのが苦手な人は覚悟して読んだ方がいいです。緻密で写実的な絵柄が、グロさに一層拍車をかけています。私が一番きつかったのは、グリフィスが幽閉、拷問されてたあたりですね。最近は精神的にグロい描写が少ないので、まだ読みやすいです。連載開始が1989年ってことは、もう20年も経ってるわけですね、恐ろしい。そして物語はまだまだ一向に収束に向かっていないという……。しょっちゅう休載しながらもかろうじて連載は続いていますが、正直終わらない感がひしひしとあります。いや、もちろん完結してほしいですけどね。

 今後の展開予想として怖いのは、ガッツを残して一行皆殺しの可能性かなー。最近はダークさも薄れだいぶ仲間も増えたけど、ゴッドハンドを倒すという最終的な目標を考えると、ガッツをとことんまで追いつめるために仲間皆殺し、という可能性が無いとはとても言い切れない。さすがにそれはやだなー。ただこのまま進んでいくと、だいぶぬるくなってしまいそうでそれもやだなー、というのはありますが……。

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2008/11/01

ヘレンesp

Img008  木々津克久 著。週刊少年チャンピオン短期集中連載。前に短期連載を一度して、今回新たに4話掲載。2009年1月に単行本1巻刊行予定。

 事故で両親、視覚、聴覚、そして言葉を失ってしまった少女ヘレンは、リハビリの最中に普通の人には見えないものが見えたり、聞こえない声が聞こえたりという、不思議な力を手に入れる。

 そんなヘレンが、理解者件保護者の叔父や、espのおかげで心が通じ合うようになった盲導犬ヴィクターの助けを借りながら、精一杯生きていく、というお話です。

 そして問題の、今回の第3話。学校へ通うようになる話なのですが、ヘレンが熱を出して寝込んだ時に、学校の友達が何人もお見舞いに来てくれます。その中で花束を持ってきてくれた女の子が、花束がちょっと淋しかったからと、そうとは知らずにヘレンが育てていたチューリップ畑から少し拝借して、花束に加えました。だがそのチューリップは、ヘレンとヴィクターだけに見えるチューリップの精霊、オリンピアが宿っていた一輪。香りを嗅いでオリンピアを感じたヘレンでしたが、ヘレンの問いかけに、オリンピアは応えないのでした。

 ……あれ? これハッピーエンドじゃないよね? でも誰にも悪意はないよね? あれれ?

 という、なんとも悩ませるお話。いったいどういう意図で描かれたんだろう。ものすごく印象には残りました。

 作者はチャンピオンREDにて「フランケン・ふらん」という作品も連載中で、単行本1巻も発売中ですが、ちょっと様子見状態なので買っていません。ヘレンespの単行本は買うつもりですが、それ読んでから決めようかなー。

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