2009/12/18

ぼくの彼女はウエートレス

Img537 重野なおき 著。まんがホームにて1999年連載開始、まんがタイムオリジナルとの2誌連載を経て、2004年連載終了、単行本全3巻完結。

 23歳の星野アリスは、流行っているとはいいがたい喫茶店「with」の看板ウエートレス。料理はまったくできませんが、明るく元気な応対でお客様をお出迎えします。そんなアリスの彼氏は、同じく23歳の山本トシミツ。出会いは3年前、身長192センチのトシミツが営業回り中に立ち寄ったwitnの入り口で頭をぶつけてしまい、それをアリスが介抱したのがきっかけで二人は付き合うようになり、同時にトシミツはここ喫茶withの常連となったのです。さぁ、喫茶with、本日も開店です!

 そんな感じの、喫茶店コメディー4コマ。メイン舞台は喫茶withでありメイン主人公はアリスで間違いないのですが、アリスと喫茶店どちらも出てこない4コマもあるので、若干まとまりがない印象をうけます。特にトシミツの会社のチーフは、アリスと面識も無いのに出番が多く、まとまりを感じさせない一番の原因になっていました。ところが物語終盤で、そのチーフが実は……という感じで隠されていた設定が明らかになり、出番が多かったこと自体は納得できました。でもそれなら、もっと早い時期に読者にだけはネタばらししとくとかのほうが、個人的には良かったと思うんですけどねー。

 作品自体は問題なく面白いんですが、作者の他作に比べると、若干キャラが弱いかなー、という気はします。いや、キャラが弱いんじゃなくて、サブキャラが強すぎてメインキャラが押されてる、という感じかな。特にwithのマスター親子が強いため、いっそ喫茶withという舞台を主人公にしておいたほうが良かったのかもしれません。そしてそうなると、やっぱり上記のチーフネタが浮いてしまうんですよね。やはりその部分が、ウイークポイントだったんだと言わざるをえないでしょう。チーフというキャラ自体は問題なかっただけに、残念です。

 作者は現在も複数というかたくさんの4コマ作品を連載中ですが、さらについ最近、まんがタイムジャンボにて新連載「じょしもん」を開始。平凡な女子高生が入部した生物部は、マッドな動物がたくさんいて……という感じの作品で、面白そうではありますが、正直そんなに連載かかえて大丈夫なんですか? なんて心配になってしまいます。「ひまじん」が現在休載中で、再開する頃には「たびびと」が終わりそう? という感じなので、一応連載数は変わってない、ということなのかなー。

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2009/11/30

×××HOLiC

Img514 CLAMP 著。週刊ヤングマガジンにて2003年連載開始、2009年にタイトルを「×××HOLiC・籠」と改め、現在も連載中。単行本15巻まで以下続刊。

 あやかしが視えてしまう高校生、四月一日君尋(わたぬき きみひろ)が迷い込んだ屋敷は、願いを叶える代わりにその願いに見合った大切な物をもらうという、不可思議な雰囲気の中に存在する店だった。その店の女主人、壱原侑子が言うには、この世には偶然は無く、四月一日がこの店に迷い込んだのも、また必然であるらしい。にわかには信じられない四月一日だったが、彼が名前と生年月日を伝えただけで、彼の家族構成や家庭環境、さらには彼があやかしを視て困っているということを侑子に言い当てられてしまい、唖然としてしまう。そして四月一日は侑子に言われるがまま、あやかしが視えなくなればいい、という願いを叶えてもらうことになるが、侑子がルールに則って求めたその対価は、なんと彼の労働力であった。かくして四月一日は、願いに見合った労働力が提供できるその日まで、この店でアルバイトをすることになるが、それは四月一日と侑子、そしてこの店を巡る不思議な物語の、始まりであった……。

 そんな出だしの、オカルトファンタジー。ストーリーの基本は、店にやってきた客の願いを叶えるべく、侑子と四月一日がその手助けをする、という感じですが、終わり方はハッピーエンドばかりではなく、むしろ暗示的な、依頼者にとってはバッドエンドな終わり方も多いです。侑子にも四月一日にも謎な部分は多く、特に四月一日の謎に関してはストーリーの大筋の一つとなっており、意図的に演出されている不可思議な雰囲気と相まって、物語の臨場感を高めてくれていると思います。連載開始から約6年が経ち、つい最近本誌の方では物語が大きく動いたのですが、果たしてこの物語の行き着く先はどこなのか。これからも楽しみに読み続けたいと思います。

 そしてこの作品で忘れてはいけないのは、同時期に週刊少年マガジンで始まり、つい最近完結した同作者の「ツバサ」と、大きくリンクしていたということ。リンクしていると言っても互いのメインストーリーが絡み合うわけではなく、ツバサの主人公たちが異世界であるHOLiCの世界に何度かやってきて、侑子に願いを叶えて貰う代わりに対価を支払う、という感じなわけですが……ごめんなさい、実は私はツバサの方を読んでいないので、あまり細かくはわかりません。連載開始当初は読んでいたんですが、いつのまにか読まなくなって、単行本も買って無くて……。というか、ツバサを読んでないのにHOLiCを語るなんて、間違ってると言われそうですね。しかしツバサは全28巻と、量的にもちょっと手が出しづらいん状態。「カードキャプターさくら」の主人公が高校生になった姿が出てくるらしいとか、ちょっと読みたい要素もあるのですが、ツバサの内容を知らずにHOLiCを読んでるだけでも十分面白いので、ホント悩み所です。

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2009/10/31

惑星のさみだれ

Img485 水上悟志 著。ヤングキングアワーズにて2005年より連載中、単行本7巻まで以下続刊。

 平凡な男子学生の雨宮夕日がある朝目覚めると、布団の上には両手で抱えるくらいの大きさの喋るトカゲがいた。そのトカゲ、ノイ=グレサント卿によれば、この惑星は現在とある魔法使いによって滅ぼされようとしており、それと戦う姫に付き従うトカゲの騎士として、夕日が選ばれたのだという。騎士の証としての指輪と、掌握領域という力を手に入れた夕日だったが、祖父から人と関わるな、と厳しすぎる躾を受けてきたこともあり、彼は騎士としての使命をあっさりと拒否。ところが外出中に魔法使いの放った泥人形に襲われてしまい、死を覚悟した夕日を救ったのは、姫の証である指輪を持つ女子高生、朝日奈みだれであった。後日、宇宙を漂い地球に近づいてきている超巨大な泥人形、ビスケットハンマーを見せられた夕日は、そこでさみだれの恐るべき言葉を聞く。それは、あんなハンマーなんかに地球は壊させない。なぜなら地球を砕くのは、私の拳なのだから、というものであった……。

 そんな出だしの、SFストーリー。ラブコメ要素も有り。さみだれが地球を砕こうとする理由は、私は地球を愛していて自分の物にしたい。そして自分が死ぬときには、愛する地球も連れていく(砕く)、という感じです。まぁ一応、筋は通ってるのかな……。これが表向きの理由であり、真実は別にある、という可能性もありますが、それは今のところはわかりません。ストーリーはこの後、全部で12人いる騎士たちが徐々に揃っていき、魔法使いの泥人形と戦っていく、と言う感じですが、上記さみだれの目的は夕日とあともう一人しか知らないとか、敵である魔法使いと通じている者がいるとか、人間関係はそれなりに複雑です。単行本は7巻までとそれなりの長期連載となっていますが、すでに伏線の回収も始まっており、来るべきラストへ向けて収束中、という段階だと思いますので、今後も期待していきたいと思っています。

 作者の作風についてですが、作者はこういう、設定は世界(宇宙)規模なんだけどやってることはご町内規模、というスタイルが本当に好きというか、やりやすいんでしょうねー。以前読んだ「サイコ・スタッフ」もそうでしたし。別に文句があるわけではなく、面白いのでぜひ今後もこの調子でお願いします、というお話でした。

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2009/10/16

ほほかベーカリー

Img474 ボマーン 著。まんがタウンオリジナルにて2005年連載開始、同誌休刊に伴いまんがタウンに移り、現在も連載中。単行本2巻まで以下続刊。

 ベーカリーさかいの女性店員、ホホカ=チルノ=パナナの生まれ故郷は、遠いヨーロッパの小国、ナホナ。日本が好きで、社会勉強も兼ねて日本にやってきたという彼女の語学力は高く、店長夫妻や同僚、お客さんとの会話も非常に流暢ですし、なんと日本語の推理小説だって読めてしまいます。今の夢は、ごはんが主食の日本人に、パンだって主食だということを知ってもらうこと。しかし残念ながら、ホホカの焼くパンは固すぎたり形がいびつだったりと、未だ店頭に並べることはできないのでした……。

 そんな感じの、パン屋さんを舞台としたほのぼのコメディー4コマ。と見せかけて、シュールなネタも意外に有り。舞台はパン屋さんですが、パンを創るという事に関するネタは少なめなので、パン作りマンガと思って読んではいけません。しかしメインとなる登場人物同士のかけあいや、ホホカさんが外国人であるがゆえの日本文化取り違えネタが非常に面白いので、現状でなんら問題はなし。そして気になるシュールネタ部分ですが……、タイプとしては登場人物がものすごい真面目におかしな事を言う、というものですが、これが「男爵校長」シリーズのOYSTERのテイストに非常に近い、私好みのセンスだったりします。最初はこれはOYSTER本人じゃないのか? と思ってしまう程でした。褒め言葉になってない気はしますが、OYSTERのシュールネタが好きな人なら絶対にこの作者の作品も楽しめるでしょう、ということでどうか一つフォローとさせてください。

 そして今回調べていて知ったのですが、作者は上記の「男爵校長」が最初に掲載されていた「もえよん」という4コマ誌で、「でゅあるてぃーちゃー」という作品を連載していたとのこと。もえよんは数回買ったはずですが、ちょっと記憶にはありませんでした。単行本も出ているとのことなので、ぜひ捜して買ってみようと思います。

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2009/04/16

放浪息子

Img286 志村貴子 著。コミックビームにて2002年より連載中、単行本8巻まで以下続刊。

 女の子のような外見の転校生、二鳥修一は、性格はおとなしく趣味はお菓子作りと内面も女の子のようであり、しかも女の子になりたいという漠然とした夢まで持っていた。そんなある日、修一はクラスの女子に冗談でヘアバンドを付けられてしまうが、女の子になりたかったが方法がわからなかった彼にとって、それは大きな転機であった。すぐに修一は薬局でヘアバンドを買い、家で一人の時にささやかな女装を楽しむようになるが、セールスマンが来たときにうっかりそのまま出てしまって女の子に間違われたことで、彼の心は暴走、ついには姉の服をこっそり着るようになってしまう。一方、転校してきた修一と最初に仲良くなった高槻よしのは、修一とは逆に、男の子になりたいという気持ちを持った女の子だった。クラスの劇をきかっけにお互いの気持ちを知った二人は、やがて修一がセーラー服を、よしのが学生服を着て、二人で遠くの街まで出かけるようになる……。

 上記のような、女の子になりたい男の子と、男の子になりたい女の子の、思春期ストーリー。高槻さんはまだしも、二鳥くんはもう性同一性障害と言っていい気がするレベルで、単なる女装マンガと思って読むと、痛い目にあうと思います。ある意味偏った思想を持つ少年少女たちの微妙な心理を、ゆっくり丁寧に描いたすばらしい作品です。これとエマのために、私はビームを買っていました。

 こういったトランスジェンダー物は、現実に当てはめた場合は重苦しい話になると思うのですが、この作品内では理解者が多いことと、絵のタッチが軽いことで、そこまでの重さは感じさせません。と言っても嫌な人物が出てこないわけではなく、思春期の少年少女らしい、フツーのいさかいはありますけどね。そういった部分の描写もまた見事で、作品にアクセントを与えています。

 小5でスタートした二鳥くんも中2となり、8巻ラストではとうとうものすごい行動に出てしまいます。果たして放浪息子、二鳥くんはどこへ向かっていってしまうのか。この作品のハッピーエンドは、どこにあるのか。興味は尽きません。今後も非常に楽しみです。

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2009/01/13

ポポ缶

Img166 いわさきまさかず 著。月刊コミックガオ!にて2002年~2004年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 バカゲー好きな小泉ヤスハルが、限定品、残り1つ、という文句につられて、どんなジャンルかすらわからないまま買ってきたゲーム、山岸太一郎のRPG論。だがゲームを起動させると、なんとポポミと名乗る少女が、テレビの中から現実側に落ちてきた! 混乱し慌ててリセットを押そうとするヤスハルだったが、そこにポポミのハイキックが炸裂する。「人生ってのはそう簡単にはリセットできないのよ!」 聞けばポポミは、こちらの世界に存在するターゲットを倒すことでゲームクリアーとなり、ゲームの世界に戻れるのだと言う。それなら早くターゲットを倒しに行けとせっつくヤスハルだったが、当のポポミは缶ビールを飲みつつせんべいをたべつつヤスハルのことを勝手によしおと命名し、そして一向に冒険に出る様子はないのであった……。

 ゲームの中から美少女が! というお約束設定をやっておきながら、出てきたのは脳天気で傍若無人でだらしなくて冗談の過ぎるダメヒロインでしたー、というドタバタギャグ。ポポミの行動はそれなりに好意に基づいているので、行動自体に嫌悪感は残らず、おいおいもうちょっとヒロインらしい行動しろよー、とか笑いながら楽しく読めました。よしおの祖父やよしおの事が好きな千野ミコ、ポポミの仲間キャラのスティンガーZや敵となるひろポン、サイコなど、サブキャラもそれぞれ味があって面白かったです。

 絵柄は当初はまだあまり書き慣れていないらしく、女性キャラがどうしても筋肉質で太り気味に見えてしまうんですよね。ポポミがネタで裸エプロンとかするんですが、全然色っぽくない。ただそれも序盤だけで、2巻くらいからはフツーのぽっちゃりキャラという感じに落ち着き、問題なくなっています。どことなく吉崎観音を彷彿させる絵柄ですが、多分関係無いでしょう。

 作者のその後を全然知らず、今回調べていて知ったのですが、こないだまでアニメが放映されていた「ケメコデラックス!」が作者の次作だったんですね、全然気付いてませんでした。ポポ缶は好きだったし、次の機会に買いたいと思います。

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2008/12/30

ぼくらの戦国白球伝

Img142 魚住青時 著。週刊少年マガジンにて2005年~06年にかけて連載。全1巻完結。

 高校球児、吉田祐志は、雨の中でのカーブの練習中、雷の影響でなんと戦国時代、しかも織田信長の目の前にタイムスリップしてしまった。あまりの恐怖に吉田はカーブの握りのままボールを投げつけ、それを切り捨てようとした信長から偶然にも空振りを奪う。不審者として捕らえられた吉田は、信長に求められるまま野球についての説明をし、そして数日後――牢から出された吉田の前に現れたのは、そろいのユニフォームに身をつつんだ信長とその家来たちだった。「野球を制する者は天下を制す!」 ここに、天下布球の印を掲げた織田信長の、野球による天下穫りがはじまった。そして当然のことながら、吉田は否応なく巻き込まれていくのであった。

 戦国野球ギャグ。合戦のかわりに領地を賭けて野球の試合をしたりします。あれ、これって死人が出なくて平和的解決?(違います お市の方がマネージャーになったり、助っ人外国人と称して南蛮人が出てきたり、信玄と謙信が川中島の試合を行ったりと、野球と戦国時代、武将を知っていれば、あまりのおバカなミックス加減にとても笑えると思います。

 しかしながら、ストーリー的にはまだまだこれからというところで、あえなく打ち切られてしまったのがとても残念でした。最終回サブタイトルも「ワシらの戦はこれからじゃ」とかだったし。でもまぁ、確かにマガジンでうける絵柄ではないと思いますし、打ち切りとはいえ単行本も出してもらえたわけだし、まだマシなほうなのかなー。

 今回調べてて知ったのですが、作者は現在、アフタヌーンで連載中の競馬漫画「トライアルライド」の原作をやっているそうです。ストーリーだけの原作かネームまでやる原作かはわかりませんが、ぼくらの戦国白球伝はコマ割りとかはまぁ問題なかったので、ネームでの原作かもしれませんね。自分で漫画を書きながら原作もやる漫画家もいますし、次回作にも期待しています。

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