2009/11/05

MISTERジパング

Img490 椎名高志 著。週刊少年サンデーにて2000年~01年にかけて連載、単行本全8巻完結。

 時は天文17年(西暦1548年)、なけなしの所持金を夜盗に奪われ、殺されそうになっていた日吉は、うつけと呼ばれた織田家の跡取り、信長に偶然助けられる。その後、行商をして生計を立てようとしていた日吉は、ヒナタという一人の渡り巫女と知り合いになるが、実は彼女は武田家の抜け忍であった。偶然日吉を見つけて後を付けていたがために、信長と部下の犬千代らは日吉、ヒナタと共に武田忍軍に囲まれてしまうが、その時気を失ったヒナタが、突如神懸かったかのように話し出す。曰く、自分はヒナタのもう一つの人格であるヒカゲであり、予知能力で武田家の滅亡を占ってしまったが為、追われる身になってしまったのだという。ヒカゲの予知と日吉の機転によってその場を逃れた一行だったが、その頃三河では天回という謎の僧が、時代を変革しようと動き始めていた……。

 そんな感じの、史実を元にした歴史ファンタジー。作者の作品らしく、ふんだんにコメディーも取り入れられています。日吉はいわゆる日吉丸=豊臣秀吉であり、信長との関係は大筋では史実に基づいた物となっていますが、細部はけっこう(かなり)違います。連載当初は、予知ができる巫女ヒナタ=ヒカゲだけがオリジナル設定だったんですが、中盤で謎の僧天回が実は未来からやってきた者であるとわかり、タイムパラドックスまでからんできてしまい、展開としてはかなり史実とは離れてしまいました。しかしながら、信長や秀吉と言ったメインキャラが皆それぞれキャラが立っていて、作中でも(ある程度は)納得のいく言動をしていたため、物語としては最後まで面白く読むことができました。史実との整合性に関しても、ギリギリ踏みとどまったかなー、という感じですね。ツッコミ所は色々ありましたが、それらをふまえた上でのファンタジー作品として非常に笑える作品でした。ようはアレです、「こんな信長や秀吉もアリだよね」ってことで。

 当時はこれは打ち切りだったのかなー、と思っていましたが、進めていけばいつかボロが出るor史実とは異なってしまうわけで、もともとあったいつ終わらせるかの候補の一つで終わらせたのかもしれませんね。ただ、やはり信長ということで桶狭間くらいまでの構想はあったでしょうから、そこまでは読んでみたかったなー、とは思わずにはいられませんでした。信玄の出番が終盤すごい多かったので、長篠は難しかったかもですけどね。

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2009/10/28

みそララ

Img482 宮原るり 著。まんがタイムにて2006年より連載中、単行本3巻まで以下続刊。

 4年目のOL、麦田美苑の勤めていた会社は、ある日突然倒産してしまった。再就職先を捜さなければと思う美苑だったが、それと同時に自分が前の会社になんの未練もないということを認識してしまい、次はやりがいのある仕事をしたい、と彼女は考えるようになる。そんなとき、美苑は就職情報誌で、とあるデザイン会社の経理事務の募集要項を見かける。そういえば、4年前は競争が激しくてすぐ諦めてしまったけど、当時の自分はデザイン関係の仕事がしたかった。そのことを思い出した美苑は、勇気を振り絞ってそのデザイン会社、マース企画に応募。面接で社長に対し、事務をやりながら、デザインの勉強もしていけたら、と本心を打ち明けてみるが……。

 そんな出だしの、デザイン会社を舞台としたストーリー4コマ。上記あらすじ後、無事経理兼ライター見習いとして入社した美苑は、先輩だけど同い年のデザイナー、米原梨絵や、同じく先輩だけど年下の営業、粟屋真琴らと一緒に切磋琢磨しながら、少しずつ成長していく、という感じです。穀物娘(麦、米、粟)たちの仕事っぷりはなんだか見ていて文化祭のノリのようで、こんなに楽しくやれて、しかも結果もうまくいく事なんてそうそう無いよね、とは深く思いますが、そこはそれ、この作品はフィクションであるわけですから、最終的にはうまくいくということでまったく問題ないでしょう。ただまぁ、もうちょっとボツとかがあってもいいのかなー、とは思いますが。

 このブログだって、見方を変えればライターの真似事とも言えるのでしょうが、やはり一番大きな違いは他人からのボツが有るか無いかだと思うんですよね。そういう意味で、美苑のやっていることは間違いなくプロの仕事なんですから、たくさんのボツを乗り越えて完成させました、という表現がもうちょっとあればいいのになー、と個人的には思いました。逆に、意味は同じなんだけど言い回しを変えて印象を操作するネタとかは、すごい納得も共感もできて良かったですけどね。

 作者はフリーのライターだった時代もあるそうで、きっとその頃の経験を生かして描いているのが、この作品なんでしょう。個人的には女子高生たちのおバカなスクールライフを描いた「恋愛ラボ」の方が好きですが、この「みそララ」も問題なく面白い作品ですし、どちらも今後とも期待しています。

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2009/10/23

ミステルの住人

Img477 島田ひろかず 著。月刊コミックNORAにて1993年~95年にかけて連載、単行本全3巻完結。現在は同人誌にて「ミステルの人々」を不定期刊行中。

 長らく離れて暮らしていた父が戻ってくると聞き、寄宿舎生活を続けていたティア・ランズが喜んで駅まで迎えに行くと、電車から降りてきたのは父ではなく、初めて会う兄のウェルスだった。彼からこの町にも持ち家があると聞き、ティアはルームメイトのジュディを巻き込んで、兄と共に幽霊屋敷として有名だったその家に住むことになりますが……。ところが屋敷内を探索中に、ジュディは気付いてしまいます。それは、ウェルスとうり二つの肖像画がたくさん残されており、古い物は300年以上前のものだということ。そう、実はすべての画はウェルス本人のものであり、彼は16世紀から生きている不老者であり、さらにウェルスはティアの兄ではなく、本当は父だったのでした……。

 そんな感じの、現代の英国を舞台としたホームコメディー。設定は上記のようにミステリアスかつ人間関係も複雑であり、オカルトめいた部分が多々ありますが、ストーリーでの比重は少なめ。と言っても、なぜウェルスが不老者なのかを筆頭とする数々の謎は小出しにされていく感じで、まったく関係してこないというわけではありません。秘密を解き明かしていくのが本筋というわけではなく、あくまでティアとウェルス、ジュディたちの日常を描くのが本筋、という感じですね。単行本コメントを読むと2巻で終了のところを3巻まで伸ばしてもらった等描いてあり、人気はイマイチだったのかもしれませんが、私は非常に好きな作品でした。

 そして現在、本作は「ミステルの人々」と名前を変えて、同人誌にて不定期に刊行されていたりします。時系列はバラバラになっているためミステルの短編集、という感じですが、どんな形であれ続きが読めるというのは、もう幸せの一言に尽きますね。もちろん、同人誌ではなく商業誌でやれるのが一番なんだとは思いますが、もうミステルは同人誌で23号まで出ていますし、このままでいいんじゃないか、なんて思っています。(そして調べてみたら、途中巻が3冊ほど見あたらない。欠かさず買ってるつもりだったんだけどな~)

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2009/10/22

水色時代

04 やぶうち優 著。ちゃおにて1991年~94年にかけて連載、単行本全7巻完結。

 小学6年生の河合優子の朝は、近所の低学年の子供たちを引き連れての集団登校から始まります。最高学年ということで、小学校では一番の大人。そう思う優子でしたが、中学生の人たちを見ると、まだまだ自分は子供だなー、と気後れしてしまうのもまた事実。さらにはその頃クラスの女子の間でささやかれる、生理や初ブラに関する話題も悩みの種。幼馴染の長沼博士との仲を揶揄されるのもこまりものですが、恋というものに対する漠然としたあこがれも、最近持つようになってきました。もう子供じゃない、でもまだ青春ってわけでもない。そんないわば白から青になる途中の「水色」の時代を、優子は今、生きているのです――。

 そんな感じの、優子の小学6年生~中学3年生までを描いた、学園青春ストーリー。いや、それだとタイトルに偽りありになってしまうので、学園思春期ストーリー、とかかな。主に恋愛絡みの話が多いですが、女同士の友情ネタや、学校生活のイベントネタもフツーにあります。優子の年相応の言動や悩みが非常にほほえましい作品ですが、当時はおそらく、同世代からの支持が圧倒的だったんでしょうね。昔の作品だけあって設定や絵柄に古臭さはありますが、今読んでも十分面白いです。最終回の、「それが青春のはじまり――。それが、水色時代のおわり――」というフレーズも、本当に見事でした。

 この作品には、「新水色時代」という続編もあるのですが、続編と言いつつ高校生編ではなく、学年は中学1年生から開始だったりします。というのも、新は優子が大人になってから書いた自伝的小説をマンガ化した作品、という扱いだそうで、アニメ化に伴い行った連載だったらしいですが、リスタート版とは言わずに上記のような設定にするとは、なかなかうまかったですね。

 そして今回調べていて知ったのですが、なんと短大生になった優子を主人公とした読みきり作品があるとのこと。文庫版のみに収録されているそうで、これはもう買わざるをえませんね。

 作者は現在も、精力的に作品を発表中。最近だとやはり、小学館の小学5年生に掲載されている「ないしょのつぼみ」が色々な意味で有名ですね。しかしこれ、内容はあきらかに女子向けなんですが、掲載誌は重ねて言いますが小学5年生。あれ、最近の学年誌の読者層って、女子の方が圧倒的に多かったりするのかな……?

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2009/09/21

みりたり!

Img448 まもウィリアムズ 著。まんが4コマKINGSぱれっとLite(現まんがぱれっとLite)にて2008年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 ぱっとしない高校2年生、矢野宗平の家に、ある日突然戦車が、壁を壊して進入してくる。さらにその戦車から現れた女の子兵士に、宗平は銃を突きつけられてしまうが、なんとそのルトガルニコフ中尉とハルカ少尉の2人は、宗平の父親から宗平の元へ送られた、彼の護衛だと言うのだった。平凡なセールスマンだったはずの父の身に、一体何が起こったのか。実は宗平の父親は、仕事で彼女たちの国であるクラコウジア公国に行った際に、書類ミスで軍隊に入れられてしまい、返してくれないので仕方なしに傭兵をやっているのだという。そして彼の立案した作戦により、隣国グラニア共和国との戦局は一気に好転。凄腕の傭兵として名を知られてしまい、そのせいで、息子である宗平の身にも危険が迫っているのだそうだ……。ところがルト中尉とハルカ少尉の2人は、世間知らずの兵器オタクにしてドジっ子という、ある意味敵より怖い存在。果たして宗平は生き残ることが……もとい、平和な日常を送ることができるのか!

 そんな感じの、ドタバタギャグ4コマ。ぷに系の女の子にごつい兵器を持たせてみました、というのはよくあるパターンの一つだとは思いますが、理由付けが上記あらすじのように(ギャグ4コマとして)しっかりしており、第1話が意外に読ませる作品でした。設定は深く考えずに、とにかく現状はこうです、みたいな作品が多い中、これはポイント高いと思います。ただまぁ、その後の展開は、敵方の刺客として同じようなぷに系女の子が現れドタバタギャグを繰り返したりする、という感じで、別につまらなくはないんですが、特筆するほどでもない、という感じなんですけどね。あ、内容に沿った欄外の小ネタは面白いので、これはずっと続けてほしいです。

 作者の経歴はちょっとわからないのですが、同人出身で商業誌の単行本はこれが初めて……なのかな? 絵柄がいわさきまさかず(「ポポ缶」「ケメコデラックス!」等)に微妙に似てるかなー、と最初は思っていたのですが、見れば見るほど違ってきたので、多分まったく関係は無いのでしょう。隣に住むお姉さんがらみのネタとかがわりと私のツボに近いので、そういった日常系の作品とかも読んでみたいなー、と思っています。

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2009/08/17

みどりのマキバオー

Img412 つの丸 著。週刊少年ジャンプにて1994年~98年にかけて連載、単行本全16巻完結。現在は続編(主人公は入れ替え)の「たいようのマキバオー」を週刊プレイボーイにて2007年より連載中。

 借金に苦しむ北海道鵡川みどり牧場の逆転の秘策は、同牧場所属の桜花賞馬ミドリコの子供が、もうすぐ産まれるということ。だが難産の挙げ句に生まれてきたのは、外見は馬というよりむしろ豚、性格も臆病でいつまで経っても母離れができないという、とても競走馬になんてなれそうもない白毛の牡馬であった。だが母ミドリコとの別れ、ネズミのチュウ兵衛との出会いを経て、競走馬として覚醒。体格は相変わらずサラブレッドとは思えないほど小柄ではあったが、山本菅助という騎手も得て、ついにはミドリマキバオーという名前でデビューを果たす。当初は白い珍獣とそのインパクトだけでもてはやされたマキバオーだったが、新馬戦、函館3歳ステークス(GⅢ)、京成杯3歳ステークス(GⅢ)とまさかの3連勝。一躍クラッシックへと名乗りを上げるが、そこに立ちはだかるは、マキバオーにとっても母ミドリコにとっても因縁の相手である、黒い殺し屋、カスケードであった……。

 競走馬を主人公とした、競馬マンガ。作中では馬も鼠も人も全部言葉が通じており、その部分ではファンタジーですが、逆に人と馬と鼠を同格としたヒューマン(馬だけど)ドラマ、と捉えることもできます。実際ストーリーは表向きはギャグですが、その内容はかなり熱いヒューマンドラマであり、日本ダービー決着の回は涙無くしては語れません。ただ惜しむらくは、その後の蛇足さ加減。当時のジャンプじゃ難しい等色々事情もあったのでしょうが、やはりダービーで終わりというプロットのもと、話をつくってほしかったです。というか実は、私は日本ダービー終了の8巻までしか持っていません……。

 作者はその後、ジャンプでいくつか連載を持ちましたが、どれも鳴かず飛ばず。サバイビーとか好きだったんですが、ちょっと対象年齢が低かったんですかねー。その後プレイボーイに移り、現在は続編「たいようのマキバオー」を連載中。ミドリマキバオーの妹の子、ヒノデマキバオーを主人公としたマンガとのことですが、みどりのマキバオーを超えるのは無理だろうと思っているせいもあって、ちょっと手を出していませんでした。だけどやっぱりこの作品も面白いし、次の機会には読んでみたいと思います。

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2009/07/29

三好さんとこの日曜日

Img393 三好銀 著。ビッグコミックスピリッツにて1991~92年頃に断続掲載、単行本全1巻完結。

 アパート住まいの三好さんちの家族構成は、夫と妻と猫1匹。特別なことがある毎日ではないけれど、でも昨日とは違う今日という日を、マイペースにのんびりと過ごしています。そんな三好家のなんでもないような日々を綴った、どこかノスタルジックなショートストーリー。

 全体的に版画っぽい雰囲気なのが特徴の、ショートストーリー集。タイトルは日曜日となっていますが、日曜日に限らない、三好家の2人と1匹の日常、という感じですね。どこが面白いと説明するのは難しい作品ですが、どこかもの悲しい雰囲気を漂わせつつも、読んでいると心が落ち着くというかなんというか、不思議な感覚に包まれる、読後感の良い作品です。

 今回これを取り上げたのには理由がありまして、現在発売中のビッグコミックスペリオールに、作者の作品が載っているんですよね。秘密基地をテーマとした競作シリーズなんですが、久しぶりに名前と作品を見て懐かしくなり、この作品も引っ張り出してきたというわけです。ところが、ちょっとネットで調べてみたところ、最近だとコミックビーム等でも掲載作品があるとのこと。全然気付いてませんでしたよー。まぁなにはともあれ、漫画家として生きていることは判明したわけですし、今後も作品を読んでいけたらいいなー、と思っています。

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2009/07/02

みなみけ

Img366 桜場コハル 著。週間ヤングマガジンにて2004年より連載中、単行本6巻まで以下続刊。

 長女で高校2年生の南春香は、一家の母親代わり。家事はなんでもおまかせですが、所帯じみてしまうのは仕方ありません。次女で中学2年生の南夏奈は、一家のトラブルメーカー。面白いと思うことを後先考えずにやってしまいますが、姉妹想いな一面も有り。三女で小学五年生の南千秋は、一家の影の支配者。末っ子ならではの素直な性格を持つ一方、我が儘さも併せ持っています。そんな南家三姉妹の、ほのぼの日常ストーリー。

「この物語は南家三姉妹の平凡な日常をたんたんと描くものです。過度な期待はしないでください」 というアオリ通りと言えば通りなんですが、平凡という言葉にはやや疑問が残る日常系ショートコメディ。ネタは確かに日常から拾ってきたものばかりですが、下地となる設定や人間関係等がやや平凡とは言えないと思います。もっとも、平凡なキャラで平凡なストーリーの話などわざわざ読みたくなるような物でもないでしょうし、そういう意味では別に不満はありませんけどね。

 ストーリーは有って無きが如しですし、ショートコメディ作品として何の不満もありませんが、絵柄に関してちょっと不満があります。一つは、表情を含めてリアル系の絵柄なのに、口だけはタマネギのような形というバランスの悪さ。ただしこの点は、オリジナリティーのある口の形ということで、もしかしたら美点なのかもしれません。もう一つは、キャラに動きが少なく、さらに背景も書き込みが極端に少なく白いこと。見開きで2ページを見たとき、背景が描いてあるコマの方が圧倒的に少ないです。ただしこの点は、それでも現状把握に問題が無いということで、もしかしたら可能な範囲でわざと背景を無くしているのかも? あれれ? 不満点を挙げているつもりなのに褒めてるような?

 えーと、その、あの……、そうそう、高校生、中学生、小学生の三姉妹に、それぞれの友だちが数人ずつ出てくるので意外にキャラが多く、ショートコメディということもあって出番のローテーションがなかなかまわってきません。私のお気に入りはチアキの友人、内田ユカなのですが、もっと、もっと出番を! いやまぁ、内田は比較的出番多い方ですけどね(聞いてない

 作者の前作「今日の5の2」も、リアル系、白い背景と似た感じではあるのですが、もっと絵柄が丸っこく、デフォルメされている感じなんですよね。みなみけの初期もそうだったのですが、今ではだいぶ違ってきてしまいました。その部分があるため、私はどうしても前作の方が好きですね。昨年アニメ化記念で今日の5の2の新作がヤンマガに載っていましたが、絵柄が今の物だったために、昔の方が良かったなー、と思ってしまいました。がっかり。

 そうは言いつつ、このみなみけもフツーに面白いので、たんたんと読み続けたいと思います。過度な期待はしませんよー。

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2009/06/20

みずたま注意報

Img353 山東ユカ 著。まんがライフMOMOにて2003年~08年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 明日の天気と降る地域、時間、量が100%わかるという、微妙な能力を持つ女子高生、雨音玲音。だけど雨が降る仕組みはわからないし、勉強も赤点続出という低空飛行なので、気象予報士にはなれません。ところが、隣に住む全国トップクラスの成績を誇る天才高校生、石塚晴太にとっては、その能力は非常に魅力的。なぜなら、晴太が好きで集めている包装紙や古紙には、湿気は大敵なのですから……!

 そんな設定の、ラブコメ4コマ。序盤はラブコメ要素はそれほど多くないんですが、2巻以降はもうラブコメ街道まっしぐらです。上記設定は穿った見方をすると、玲音と晴太の関係に意味を持たせるためのこじつけ設定にも見えてしまうんですが、いやいやどうして、あくまで飾りの設定として序盤から終盤までをサポートする、控えめで非常に良い設定だと思いました。逆に、この設定を使いこなした作者がすごい、とも言えるのかなー。設定にひっぱられてしまい手段と目的がおかしくなっている作品が多い昨今、たいしたものだとおもいます。

 序盤と中盤以降の晴太の性格が違うとか、紙オタクは作中で「フォルダー」と呼ばれてるけど調べても出てこないとか、微妙に気になる部分もありますが、ラブコメ色が強くなってきてからはかなり面白くなり、高校卒業の3巻ラストできっちり締めて完結、という見事な終わり方の作品でした。完結するまでは作者の代表作「ヒミツの保健室」の方が面白いかなー、と思っていましたが、ストーリー要素が濃い分、終わってみるとこちらの方が面白いかもですね。満足です。

 作者は4コマが専門で、現在も3誌程で連載中。絵にクセがあり見た目は万人に受けるとは言い難いですが、受け入れてしまえば面白く読めると思います。あと腰からお尻にかけてのラインがすごい艶っぽくて私は好きなんですが、それはあえて言わないでおこうと思います。誤解されるとアレですしね。

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2009/05/09

MEAN -遙かなる歌-

Img312 原作・長谷川裕一、作画・栗原一実、クリーチャーデザイン・矢野マサキ。Yahoo!コミック内ヒーロークロスラインにて、2007年~09年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 半年前に起こったオルタレイション・バーストという謎の現象をきっかけに、この世界にはノッカーズと呼ばれる異能、異形の生物がはびこるようになった。だが高校生、有賀透の周囲は、クラスメイトの日暮夏鳴が人気アイドルのMEANに似ているということで盛り上がるくらい、まだまだ平和な毎日を送っていた。そんなある日、MEANのコンサートを見にいった透は、客席で夏鳴の親友、西表山音の姿を見かける。MEANと夏鳴が同一人物なのではという疑惑をさらに深めた透は、MEANに会うため楽屋へと忍び込むが、そこでハエ男と形容すべき怪物がMEANの控え室を襲おうとしているのを目撃してしまう。夏鳴と山音のピンチだと思い、叫びながらハエ男に飛びかかる透。その声に気付いて控え室から出てきたのは、透の予想通り、夏鳴と山音であった。山猫のような俊敏な動きを見せる山音と、聞いたことのない言語の歌から剣を作り出した夏鳴の前に、ハエ男はなすすべもなく倒されてしまう。そして夏鳴は驚く透に向かって、およそ1年後、自分が死んでしまうまでは、このことは黙っていて欲しいと言うのであった。

 そんな感じの、アイドル+ファンタジーバトルアクション。そもそもの流れは、ヒーロークロスラインという一種のシェアードワールド設定があり、それに乗っ取ったWebコミック作品群の一つとしてこの作品が開始された、というものでした。私は原作が長谷川裕一だからという理由で読んでいたので、オルタレイション・バーストとかノッカーズとかの専門用語に関してはあまりよくわかってませんが、異世界ファンタジーものの設定としては特別凝ったものでもありませんし、フツーに読む分にはまったく問題ありませんでしたね。

 絵はもちろん違いますがストーリーやサービスカットはバッチリ長谷川裕一という感じで、良い感じに盛り上がっていたのですが、マガジンZ休刊→ヒーロークロスライン一旦休止、という流れで、あえなく終了という形になってしまったのが残念でした。復活の場を捜しているということですが、シェアードワールド作品ということもあり、どう再開させるか非常に難しいところなんでしょうね。ヒーロークロスライン自体が復活してくれれば問題なさそうなんですけど、どうなのかなー。

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