ちばあきお

2009/05/13

プレイボール

Img316 ちばあきお 著。週刊少年ジャンプにて1973~78年にかけて連載、単行本全22巻完結。

 中学時代に右手人差し指の骨が折れているにもかかわらず無理をして試合を続けてしまった影響で、谷口タカオの指はまっすぐに伸びなくなってしまい、ボールが投げられなくなってしまった。墨田高校入学後、谷口は野球部の練習をフェンスの外からただ見学する日々を送っていたが、ある日それを見かねたサッカー部のキャプテンから、サッカー部に入ってみないかと誘われる。押し切られる形で入部した谷口は、野球をやっていた頃と同様に影の努力ですぐに頭角を現し始めるが、どれだけサッカーに打ち込んだところで、野球への思いを消すことはできないでいた……。

 まさしく王道の野球マンガ、その2。先日の「キャプテン」の初代主人公、谷口くんの、高校時代のお話です。上記のあらすじ後、結局野球部へ入部し、当初はベンチのキャプテンとして活躍するんですが、そのうちに指が曲がったままでも投げられるようになり、最終的には手術をして元通りに。その後指の件はまったく出てこないので、ホント序盤のイベントのためのものですね。当初は短期で終わらせる構想だったらしいので、そのための設定だったと言えるのかもしれません。

 キャプテンの続編ですので、谷口くんの学年が上がると中学時代の後輩が入学してきたりと、そのへんの楽しさもあります。丸井、イガラシといったメンバーも出てきますしね。ただ残念なのは、作者にドクターストップがかかってしまい、3年夏の予選を前に連載が終了してしまったこと。シード権も取り、甲子園に向けて……! というところだったのに、本当に残念です。さらにはその後、作者の自殺。続きは永遠に読めなくなってしまいます。まったくもって、残念です。

「あしたのジョー」「あした天気になあれ」のちばてつやが実兄、「4P田中くん」「風光る」の原作、七三太郎が実弟というのもすごいですよね。兄弟漫画家は今でも多少はいますが、やっぱり同じ境遇で成長すると、弟が兄の真似をしたりして同じことをする可能性が高くなるのかなー。

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2009/05/12

キャプテン

Img315 ちばあきお 著。月刊少年ジャンプにて1972年~79年にかけて連載、単行本全26巻完結。

 墨谷二中に転校してきた二年生、谷口タカオは、そこでも野球部へと入部するが、野球の名門青葉学園から転校してきたというだけで、プレーも見ないうちからとんでもなく野球がうまいのだと思われてしまう。だが実際には、確かに青葉学園の野球部に在籍してはいたものの谷口は二軍の補欠であり、守備も打撃も人並み以下なのであった。谷口は何度もそのことを皆に言おうとしたのだが、誤解は一向に解けることはなく、逆に期待は高まるばかり。困り切った谷口だったが、父親のアドバイスをきっかけに、それならば青葉のレギュラーとして通用するくらい腕を磨こうと決意、特訓を開始する。だがそんな急にうまくなるはずもなく、ノックも満足に取れないまま迎えた三年生の引退日、なんと谷口は新キャプテンに任命されてしまう。自分は青葉の二軍の補欠だった、キャプテンにふさわしくないと元キャプテンに伝える谷口。だが元キャプテンは、そんなことは当然のように見抜いており、その上で影の努力によって実力を身につけた谷口を、新キャプテンに任命したのだった。

 まさに王道直球の野球マンガ。ジャンプのキャッチフレーズ、「友情・努力・勝利」を地でいく作品ですね。30年以上前の作品であり、素質も才能も無い谷口が努力に努力を積み重ねてうまくなっていく、という、今時あまりないストレートなスポ根作品ではありますが、今読んでみても全然面白いです。たしかに絵柄やセンス、作品内の風景などが古くさいのは当たり前ですが、本質的な部分が面白いというのは、こういう作品のことを言うんでしょうね。ただ勝つだけじゃなく、チームワークがうまくいかなくて敗けることもあったりと、痛快なだけではない作品ですが、それでも一読の価値はあると思います。

 特筆すべきことの一つめとして、実はこの作品の主人公は谷口ではなく、谷口を筆頭とした「墨谷二中野球部歴代キャプテン」である、というのがあります。なので、谷口の出番は最初の5巻までしかなく、そのあとはほとんど顔を出しません。こういった、主人公が入れ替わっていくストーリーマンガって、今でもそう多くはありませんよね。新キャプテンは今まで部員だったサブキャラがなるわけで、作品内時間が経つにしたがって主人公が自動的に変更されていくシステムというのは、非常に面白いものなんじゃないかと思いました。

 もう一つは、この谷口はすぐにキャプテンの舞台からはいなくなってしまうのですが、今度は高校生になった谷口を主人公とした一種のスピンオフ作品「プレイボール」が週刊少年ジャンプで連載された、ということです。内容については近日中にレビュー予定なのでここでは省きますが、キャプテンの連載時期が1972年~79年、プレイボールが73年~78年ということで、スピンオフ作品としても同時連載とか正直ありえないですよね。まったくもってたいしたものです。それだけに、作者がその後自殺したという事実は、本当にショックでした……。

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