吉崎観音

2009/12/12

ドラゴンクエストモンスターズ+

Img531 吉崎観音 著。月刊少年ガンガンにて2000年~03年にかけて連載、単行本全5巻完結。

 勇者になることを夢見て、日々ひのきの棒でスライム退治を繰り返していた少年、クリオの前に、ある日突然見たことのないモンスターがあらわれる。ふわふわもこもこで凶悪そうには見えないそのモンスター、わたぼうに、ボクらの世界を助けに来て欲しいと言われたクリオは、当然のように即決。自前の勇者装備と木の剣を手にし、わたぼうに連れられて異世界、タイジュの国を訪れるが……実はクリオは勇者としてではなく、モンスターマスターとしてこの地に呼ばれたのであった。モンスターに対抗するため、モンスターの力を借りて共に戦う職業、モンスターマスター。かつてこの国はテリーという一流のモンスターマスターがいたことによって守られていたが、彼が消えてしまったことで加護が失われはじめ、野生のモンスターによる襲撃を受けてしまっているのだという。当初その申し出を断ろうとしていたクリオは、モンスターマスターのかっこよさを目の当たりにし、自分も一流のモンスターマスターになると決意するが……。

 ゲームボーイ用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド」のクリア後の世界を舞台としたモンスターアクションバトル。実は私はゲームはやっておらず、作者の名前でこの作品を買ったので、ゲームとリンクしている部分の設定等はあまりよくわかっていません。ストーリーは、テリーがいなくなってしまい、彼を捜すための新しいモンスターマスターとして選ばれたクリオが、旅のとびらを通じて他の世界を旅していくうちに、隠された恐るべき真実に気付いていく……。という感じなのですが、この他の世界というのが、ドラゴンクエストⅠの世界だったり、Ⅱの世界だったりと、他のドラゴンクエストシリーズとクロスオーバーしているのがポイント。特にⅡクリア後の世界編はなかなかシビアで、クリオはローレシアの王子と出会うのですが、彼は破壊神シドーよりも力を持った存在として人々に恐れられた結果、国を棄て各地を放浪している、という感じの、ちょっと陰鬱な展開となっています。と、ここまで書いたわけですが、果たしてこの設定がマンガオリジナルのものなのか、ゲームの方でも登場しているものなのかが私にはわからないので、もし何か根本的に間違っていても許してください(弱気

 その他には、ゲーム自体にはモンスター同士の「配合」という要素があるらしく、マンガではそれを超えた「邪配合」という要素があったり、テリーがその邪配合を極めようとしている? 敵役として出てきたりと、それなりに燃える展開ではあったのですが……残念ながらそのあたりの決着がつくことは一切なく、様々な伏線も回収できないまま、Ⅱの世界編終了後にあえなく打ち切られてしまいました。うーん、このタイミングで打ち切るって、なんでだったんだろう? 当時は「ケロロ軍曹」で売れ始めていた頃だったと思うので、スクエニ側から切る要素は無いと思うんだけどなー。もしかしたらケロロが忙しくなったことで、作者の方から終わりにしたとかだったり? まったく根拠はありませんが、まだその方が納得できそうです。もしくは版権絡みなのかなー。

 ドラゴンクエストはナンバリングタイトルしかプレイしたことがない私でも、それなりに楽しめる作品でしたので、おそらくはテリーのワンダーランドをプレイした人なら、もっともっと楽しめると思います。正直今からゲームボーイ版、もしくはリメイクのPS版をやる気にはなれないので、できたらDSでリメイクとか出てくれないかなー。いやでも、出ても時間的にやるかどうかはきびしいですが……。

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2009/07/27

アーケードゲーマーふぶき

Img391 吉崎観音 著。月刊ファミ通Waveにて1998年~2000年にかけて連載、単行本全1巻完結。

 女子中学生、華原ふぶきが持っているゲームハードは、初代ファミリーコンピューター。古いハードだしふぶきのゲーマーとしての腕前もへっぽこだけど、いろんなソフトを楽しんでいます。ところが実は、彼女はなんと世界(?)アーケードチャンピオン。謎の人からもらったP・P(パックマン・パンティー)を身につけ、スカートがめくれるなどしてそれが表に現れることで、性格が一変。全宇宙のゲーム魂がふぶきに宿り、必殺の「一撃でクリアー!」を繰り出すことができるのです。がんばれふぶき、戦えふぶき、ゲームとゲームを愛するすべての人のために!

 タイトルからわかるとおり、古の名作「ゲームセンターあらし」のオマージュマンガです。巻末で吉崎観音とすがやみつるの対談とかやってるので、おそらく公認。ただし、オマージュしているのはタイトルとインベーダーキャップ代わりのパックマンパンティーだけで、毎話いろんなゲームで勝負する、という部分はそれほどではありません。どちらかというと、ゲームをネタにしたコメディー作品ですね。必殺技の名前が「一撃でクリアー!」という時点で、ゲームの内容がメインではないのがわかると思います。ゲームセンターあらしを知っている方が楽しめるのは確かですが、それよりもネタにされているゲームを知っているかどうかの方が重要でしょう。古い作品ですし扱われるのも古いゲームですからなかなか難しいとは思いますが、実は最近はバーチャルコンソールとかでやれたりするのかなー。

 作品としてはフツーに面白いレベルでしたが、ゲーム雑誌に掲載された実験的作品としては、それなりだったんじゃないでしょうか。ちょっとすごいのが、単行本でページを割いて、リアルでふぶきの格好をさせた人の写真を載せてるんですが……。この作品って、ストーリーの都合上パンチラもしくは下着姿シーンとかが毎話必ずあるわけですが、その写真でもパンチラの写真があったりします。顔は一切出ていないので、本人特定はまったくできないと思いますが、これってちょっとアレじゃね? 遊び心としてこのくらいあっても全然いいとは思うのですが、問題にはならなかったのかなー。

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2009/05/26

ケロロ軍曹

9  吉崎観音 著。月刊少年エースにて1999年より連載中、単行本18巻まで以下続刊。

 オカルトクラブ所属の小学6年生、日向冬樹は、ここ数日宇宙人に地球が侵略される夢を見続けていた。姉、夏美にはバカにされる始末だったが、そんな折になんと二足歩行のカエルのような不思議な生き物が部屋に現れる。彼の名はケロロ軍曹、もちろん宇宙人であり、地球侵攻軍の先行部隊長なのだと言う。身柄を拘束し通信装置その他として使えるケロボールを奪い、ひとまず軍曹に対して有利な立場となった日向姉弟だったが、地球侵攻軍の本隊が来てしまえば地球はひとたまりもない。だがそこで、ケロボールに本隊よりの通信が入る。内容は、地球人に我々の存在を知られた可能性があるので、危険と判断し一時撤退するというものだった……。かくして地球に取り残された軍曹は日向家の居候となり、掃除洗濯に精を出す毎日となるのであった。

 宇宙人による地球侵略をネタとしたストーリーギャグ。ギャグの質としては侵略者であり軍人である軍曹が、実際にはボケとツッコミを駆使したり些細な事で感情を上下させたりオタク文化に詳しかったりという、ギャップを笑う感じです。あとはパロディがやや多め。特にガンダムネタは多く、他の元ネタはわからなくてもストーリーを追うのに問題はありませんが、ガンダムを知らないと意味不明の台詞やコマがだいぶ増えてしまうのではないでしょうか。初期の頃はブラックでマニアックなネタも多く、非常にとがった作品という印象だったのですが、アニメ化され低年齢層に大人気になってきたあたりからネタに制限がかかってきてしまったようで、だいぶブラックなネタは無くなってしまったなー、という感じなのが残念です。またこれは仕方のないことなんでしょうが、巻が進むにしたがってストーリー比率が高くなり、初期のころのようなギャグで始まりギャグで終わる回が減ってしまったのも残念です。

 作者はケロロ以前にも「護衛神エイト」「ドラゴンクエストモンスターズ+」等、複数の作品を連載していましたが、いずれもつまらなくはないがもう一歩という感じだったところを、このケロロで大ブレイクした形ですね。その要因は、主人公が裏表のあるブラックなキャラだ、という部分が大きいと思っています。今までの吉崎作品の主人公はストレートな性格のキャラばかりで、イマイチ作品に深みが足りない印象もありましたしね。いずれにせよこれで大きな実績はつくりましたし、当分はケロロでやっていくんでしょうが、その次回作にも今から期待しています。

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2009/02/11

護衛神エイト

Img203 吉崎観音 著。月刊少年ガンガン(当時は月2回発行)にて1996年~98年にかけて連載、全5巻完結。

 ハーバラ王国のファ・ミリア姫は、パズルを解くのが大好きで、しかもパズル道10段という腕前の持ち主。15歳の誕生日に差出人不明のプレゼントを受け取ったミリア姫は、それを立体パズルだと見抜き、見事完成させます。するとその瞬間パズルはバラバラとなり、なんと中からエイトと名乗る男の子が出てきました。ちょうどその時、スチール三姉弟がハーバラ城を強襲、流れ弾がミリア姫に迫ります。絶体絶命の瞬間、ミリア姫の命を救ったのは、なんとパズルから出てきたばかりのエイトでした。「ぼくがきみをまもる! そのためにうまれたんだもの!」ミリア姫に向かって言うエイトでしたが、それはこの世界そのものを揺るがす、大事件の始まりだったのです。

 バトルアクション+ギャグ。エイトはロボットであり人工知能なのですが、最初からフルスペックで作られるロボットには本来不要な成長機能という不確定要素を付けることで、来るべき敵に対抗できる可能性を残した、という感じのお約束設定付き。エイトという名前はナンバーであり、表面上のラスボスであるゼロをオリジナルとした8番目のレプリカ、という意味です。このようにチープであり王道な話なのですが、主人公であるエイトは人工知能をリセットされていて、熱血とかとはほど遠い子供っぽい性格になってしまっているため、子供向けの、ある意味おバカな作品と相成っています。

 吉崎観音といえば、古くはツインビーのコミカライズとかも描いていましたが、代表作はもう文句無しに「ケロロ軍曹」だと思います。そしてケロロの一番のポイントは、おバカな腹黒さだと思うんですよね。そしてエイトは、腹黒さの無い脳天気バカでありまして、そこが売れたケロロと売れなかったエイトの最大の差なんじゃないかなー、と勝手に思っています。

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