桂明日香

2009/11/06

神話ポンチ

Img491_2 桂明日香 著。ヤングガンガンにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 表では男ウケしそうな演技して媚びへつらってくるくせに、裏では罵詈雑言言いたい放題という姉2人との3人部屋という環境は、有形梯守(でいご)を卑屈心の塊とするには十分なものだった。卑屈を愛し、卑屈に生きることをポリシーとするようになった彼は、一人で卑屈になれる場所を求めて高校進学を機に一人暮らし始めようとするが、向かった不動産屋で隣に座っていた少女が持つ像から、とうとう幻聴を聞いてしまう。卑屈レベルが上昇したと喜ぶ梯守だったが、その像に触らせて貰った瞬間、像は消失、自身は気を失ってしまい、次に目覚めた彼を待っていたのは、あなたは狂気の神リュッサに取り憑かれてしまいましたと真顔で言う、知恵と戦いの女神アテナを自称する変なコスプレ女だった。さらにアテナは、あっけにとられる梯守を尻目に、取り憑かれた人間が心の底から幸せになればリュッサは追い出せる。そうでなければ死んでしまうので、くれぐれも卑屈になったりしないでね、と言葉を続けるのだった……。

 そんな出だしの、ギリシャ神話を扱ったドタバタコメディー。正直、設定は難解というか無駄に凝りすぎだと思うんですが、ようは卑屈な生き方が好きな高校生がいて、そこに女神アテナが現れ、卑屈に生きると死ぬと宣告されてしまう、というものです。さらにリュッサの化身だった像を持っていた空子先輩、アテナの友人のドジっ子女神アルテミス等がからんできて、ドタバタコメディーを繰り広げるという感じです。どのキャラもまだ表に出てこない設定が色々あるようで、メインストーリーに関してはまだ何とも言えないというのが本当のところなのですが、一つだけ確かなことがあります。それは、やっぱり作者のラブコメは面白いなー、ということ。この作品に関して言えば、ラブコメ部分はメインではない可能性が高いわけですが、少なくとも現時点では、空子先輩の絡んだラブコメ部分がかなり最高です。お金持ちで天才でちょっと変人だけど寂しがり屋、というわりとお約束な空子先輩をこれだけ可愛く見せるのは、作者の力量だと言っていい気がします。あーもー、もっとフツーの学園ラブコメをやってくれればいいのに!(問題発言

 タイトルなんですが、神話ポンチのポンチは、フルーツポンチのポンチなのか、いかれポンチのポンチなのか、ポンチ絵のポンチなのか、はたまたそのどれでもないのか、もしくは複数かけているのか、どれなんでしょうね。イメージ的にはフルーツポンチかなーと思ったのですが、フルーツポンチは英語にするとFruit Punchであり、この作品はアルファベットだとSHINWA PONCHIと表記してあるので、違うようなんですよね。となるとポンチ絵かなーとは思いますが、それだとようは神話マンガということになり、ひねりがないなぁ……なんて思ってしまいます。ただいずれにせよ、タイトルの語感はちょっと作品とあってないなー、というのが現時点では感想です。最終的にピッタリになってくれればいいんですけどねー。

 今後どういった展開になっていくかでこの作品の評価は変わってきそうですが、とりあえず最低、空子先輩だけは幸せにしてあげてくださいね?

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2009/05/22

花やしきの住人たち

Img324 桂明日香 著。月刊少年エースにて2007年~08年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 料理や掃除、裁縫等をついつい進んでやってしまう、ある意味女々しい貧乏高校生、桜安芸がある日家に帰ると、二人暮らしの父親が書き置きと共に失踪していた。行方を捜すため、安芸は父の父、つまり祖父のところへ話を聞きに行くが、聖花女子高等学校の理事長でもある祖父は、10年以上前に勘当した息子のことなど知らないと冷たく突き放す。住む家を失い途方に暮れる安芸だったが、なんとそこで安芸の女々しい性格を見かねた祖父から、自分の跡継ぎとして聖花女子学生寮に入寮しろと命令されてしまう。桜家の男なら、女をはべらせて当然。そう言い放つ祖父に対し、安芸は父から聞いた言葉、女というのはか弱く淑やかで思いやりがあり、はべらすものではなく守るものだ、と言い返す。だが、入寮試験で寮生に襲われ、当初手助けしてもらうものの、牛丼無料券に目がくらんだはとこの北広蓮華には裏切られ、安芸の女性像は早くも崩壊の兆しを見せ始めたのであった……。

 そんな感じの、ストーリーラブコメ。女子寮に一人入寮することになった男子生徒、というわりとお約束な設定ですが、どうやらこの設定自体は最初から活用するつもりはなかったみたいで、女の園に男が一人、というシチュエーション下のお約束展開は特にはありません。それでも当初はコメディ要素が多めだったのですが、徐々に徐々に暗く重い話になっていき、最後の方は家庭内暴力や自傷等、かなりの描写が続きます。またそれに伴い、ヒロインも天然元気な蓮華から暗く重いあやめにスイッチしていきます。あとがきマンガによれば最初から暗く重い話にしたかったみたいなので、もともとあやめがヒロインだったんでしょうけどね。どちらかと言えば天然元気な蓮華をヒロインとして、それに沿ったストーリーのラブコメの方が良かったなー、という気分です。まぁそれは作者も言っていますが、「ハニカム」を読めばいいわけですけどね。

 ラストはこれって打ち切られたのかなー、という気がする消化不良な終わり方だったのも、これまた残念でした。ハニカムはまだまだ連載中ですし、ヤングガンガンで新連載も始まっているようなので、そちらはこういう結果にならないよう、期待しています。

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2009/01/27

ハニカム

Img181 桂明日香 著。週刊アスキーにて2007年より連載中。単行本2巻まで以下続刊。

 御手洗勉がバイトをすることになった、叔父の経営する洋風レストラン「HoneyComb(ハニカム)」には、ガンダムのシャアが大好きなオタク少女の湧水萌を筆頭に、食べ残し持ち帰り用タッパーを常備している貧乏少女の鐘成律子、ロリ巨乳という容姿を武器としてふくよかな男性を触りまくる音節舞、某ファミレスチェーン社長令嬢という身分を隠してバイトに来た守時規子と、個性的な女性アルバイトだらけ。それらを束ねる金髪碧眼のホール長(自称)妙子や、唯一の男性社員である米戸王里らも含めて、今日もハニカムは大忙しです。

 パソコン雑誌の週刊アスキーで4ページ連載されている、ファミレスを舞台にしたショートラブコメ。タイトルのハニカムは店名も指していますが、恥ずかしがると言う意味の「はにかむ」もかけています。作者曰く「1話で1回はにかめる」が目標だそうで、私は物の見事にニヤニヤさせられっぱなしです。ホント面白いです。

 最初読んだときは、同じくファミレスラブコメの高津カリノ「WORKING!!」そっくりじゃんかーと思い、けして好印象ではなかったのですが、読み進めるとなんともはや、私的にはこのハニカムの方が面白い、という予想外の結論になってしまい、びっくりでした。WORKINGもフツーに面白いのですが、ハニカムの方が絵柄が華やかで動きも良いので、そういった部分での勝利かなー、と思っています。あとりっちゃんが可愛いすぎるせい(聞いてない

 作者の作品はこれが初めてだったのですが、これだけ面白いのなら他の作品も読んでみたいです。最近の中では一番のヒットでした。

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