施川ユウキ

2009/09/05

もずく、ウォーキング!

Img432 施川ユウキ 著。ヤングチャンピオンにて2004年~08年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 小学4年生の藤村サチの家族構成は、両親、自分、弟、そして犬のもずくの、4人と1匹。言葉は通じないけれど、サチはもずくの事が大好き。家族の事を書く作文に、父のことを書くのは忘れても、もずくのことを書くのは忘れません。ところが実はもずくは、人語を解し思慮を巡らせることができるという、とんでもない犬だったのです。「室内犬の生活は、まるでニートだ……」 「負け犬という言葉はあるが、勝ち犬という言葉は無い……」 そんな無駄に哲学する犬、もずくと、その飼い主、サチの繰り広げる、ハートフル哲学コメディ。

 日々の些細なことから真理(に思える物)を見つけ出す、という感じの哲学コメディーですが、主人公が犬であるというのがポイント。人の言葉を理解できるのはいいとしても(いいのか)、ネコやモグラの言葉もわかるとか、様々な分野の知識がありすぎるとか、ツッコミ所は色々にありますが、これくらいの知識、知能がないと哲学なんてできないでしょうし、コメディー作品としては問題ないでしょう。以上のように設定自体はシュールですが、哲学部分はまともだし、犬視点だからこそのテーマを扱った話が多いので、主人公が犬という必然性も十分。クスリと笑えて、それでいてちょっと考えさせられたりもする、面白い作品でした。

 作者は現在も、複数の作品を同時連載中。週刊少年チャンピオンに戻ってきてくれる日を楽しみに待っているのですが、この現在進行形の連載が終わらないことには、戻ってくるのは難しいでしょうね。他誌の連載を読みながら気長に待ってますので、そのうちまた戻ってきてくださいねー。

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2009/06/29

がんばれ酢めし疑獄!!

Img363 施川ユウキ 著。週刊少年チャンピオンにて1999年~2004年にかけて連載、単行本全5巻完結。

 高校生カップル、ミネ子とマモルの、だいぶおかしな日常会話。その名の通りサルのモンキー先生と、振り回される生徒たち。お姉ちゃんが大好きなさーやの屈折した愛情表現と、激しすぎる姉のツッコミ。ジャスティスロボよ、地球の平和を守るのだ! シュールでナンセンスでだけどちょっとほのぼのという、チャンピオンが生んだ鬼才、施川ユウキのオムニバスギャグ4コマ!

 明確な主人公を持たず、単発ネタと連続ネタが入れ代わり立ち代わりに掲載されるタイプの4コマです。古くは吉田戦車「伝染るんです。」や榎本俊二「GOLDEN LUCKY」、秋月りす「OL進化論」と同タイプの作品がありますが、最近だとあんまり無いのかな……? 4コマではないですが、大石浩二「メゾン・ド・ペンギン」がタイプとしては同じでしたね。不思議といわゆる不条理系が多いですが、うーん、不条理4コマとオムニバス4コマは単純にイコールで結ばれる関係だとは思わないので、何か謎がありそうです。ちょっとこの部分は突き詰めると面白そうですね。閑話休題。

 1巻の頃はとにかくシュールだし毒もあるしでかなり読む人を選ぶと思いますが、回を重ねるごとにネタもやわらかく、ほのぼのした感じになっていきます。そしてこの作品から毒を取り除いたのが、次作の「サナギさん」ですね。当初は毒の無さに物足りなさを感じましたが、ネタ出しが軌道に乗ってからは問題なく面白い作品でした。

 サナギさん終了後、すぐまたチャンピオンで新連載が始まると信じていたのですが、今のところはその様子はありません。楽しみにしてますので、いつかまた戻ってきてくださいねー。

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2008/11/14

サナギさん

Img108 施川ユウキ 著。週刊少年チャンピオンにて2004年連載開始、2008年完結。単行本全6巻。

 わりと天然で夢見がちなところのある望月サナギと、親友で毒舌系不思議少女の倉田マフユ。二人とその友人たちが繰り広げる日常は、ちょっとシュールで意外に難解、だけど思わずクスリと笑ってしまうような、ほのぼのしたものなんですよ。

 シュールギャグ4コマ。サナギさんのキャラがシュールというよりは、作者の思考がシュールなんでしょうね(褒め言葉) 時に鋭く真実をついていたり、解釈を考えさせられるものもあったりします。この世界観になじめるのなら、文句なく面白いと思いです。

 連載当初は、何でもアリだった前連載「がんばれ酢めし疑獄!!」に比べてネタの範囲が狭いせいか、苦労しているように見えました。「酢めし疑獄、サナギさん編」の方が良かったんじゃね? とか思っていた時期もあります。しかしながら話数を重ねるにつれ調子にのってきたようで、どんどんとネタの狭さを感じさせなくなり、独立した「サナギさん」として完結できたように思えました。毎週毎週、楽しく読ませていただきましたよ。

 他誌連載の「もずくウォーキング」や「12月生まれの少年」も面白いんですが、これらもサナギさんタイプの作品なので、また酢めし疑獄のようななんでもあり作品も読んでみたいなー、と期待しています。

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