あさりよしとお

2009/11/28

宇宙家族カールビンソン

Img513 あさりよしとお 著。プチアップルパイにて1984年連載開始。85年に少年キャプテンでも連載開始に伴い、プチアップルパイ版は「元祖宇宙家族カールビンソン」と改題するも、同誌休刊に伴い未完のまま終了、単行本全1巻。少年キャプテン版は連載を続けるが、これまた同誌休刊に伴い未完のまま終了、単行本全13巻。その後アフタヌーンにて1999年に仕切り直しで連載開始、現在は中断中、単行本1巻まで。画像は少年キャプテン版第13巻。

 星から星を渡り歩く旅芸人の一座が、宇宙の辺境で起こした接触事故の相手は、未知の文明圏の宇宙船だった。破片をまき散らしながら墜落していった宇宙船を救助すべく、一座は惑星アニカへと降り立つが、生存者はたった一人、赤ん坊の女の子だけ。宇宙船のデータベースも破損してしまっていたため、女の子を母星へ送り届けることすら叶わなかった一座は、いつか誰かが捜しにくるまで女の子の親代わりとなって、この星で待つことを決意する。「わたしたちは芸人だよ! できないものか! この子の親を演じてやるんだ!」 こうして一人の女の子のための、一座あげての大芝居が、幕を開けたのであった……。

 そんな出だしの、(疑似)家族コメディー。物語は上記あらすじから4年後、生き残った女の子、コロナちゃんがある程度大きくなったところから始まります。惑星アニカは原住生物はいるものの町などは無く、一座はコロナちゃんを可能な限り母星の習慣に沿って育てるため、学校、警察、商店等を備えた町までつくりだすわけなんですが、登場人物たちが皆どこかしらおかしいため、演じるべき日常もかなりおかしくなってしまっている、という感じのコメディー作品です。基本的な軸は2つあり、作られた世界という部分に触れる話と、単なるご町内コメディーの話とがあるわけですが、その比率は下手をすると1:9くらい? コロナちゃんの母星絡みの話は、ほとんど進んでませんしね。SF的な設定と日常コメディーがうまくかみあった、非常に楽しい作品でした。

 さてこの作品、一番最初にも書いた通り、経歴が非常に複雑だったりします。私は上記のように認識していますが、間違っている可能性もあることをご承知ください。アフタヌーンでは現在中断中らしいのですが、そのアフタヌーンで連載していた「るくるく」は完結しましたし、現在は果たして再開するのかしないのか、という感じでしょうか。正直他誌(少年キャプテン)で10年以上連載した作品を、また仕切り直して再連載、というのは、モチベーションが果たして保てるんだろうか? という気はします。ただおとうさんの謎等、解明されていない部分も多々ありますので、いつか再開してほしいなー、とは思っていますけどね。

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2009/07/19

荒野の蒸気娘

Img383 あさりよしとお 著。月刊コミックガムにて2005年~08年にかけて連載、単行本全4巻完結。

 原油が枯渇し、一部特権階級のみがエネルギーを独占、都市部以外の文明レベルは数百年前にまで戻ってしまったという近未来。流れ者のジョーは、とある村からガソリンを盗み出して売りさばこうとしていたところを見つかってしまい、殺されそうになるが、危ういところを旅の姉妹に助けられる。姉のアンは、粗野な性格で飾り気の無い格好。妹のアリスは、純真な性格で可憐な装い。という設定を持つ2人は、実はエネルギー不足のこの世界では最強とも言える、蒸気機関で動くロボットであった。だが、アンはそのことを理解しているものの、アリスは自分は本当は人間であり、呪いによりロボットの格好にさせられていると信じて疑ってはいなかった。かくしてアリスに気に入られたジョーは、2人の用心棒という名目で、西へ向かって一緒に旅をすることになるのであったが……。

 そんな設定の、ロボットコメディ。仕草、言動、思考等、容姿以外は美少女というアリスを話の中心に据えた、昨今の萌え事情を斜に構えたあさりよしとおらしい作品です。アリスの見た目はごつくて巨大な二足歩行ロボット(画像中央奥)で、その手前の金髪ロングな美少女が、脳内補完用イメージ。作中でもこのギャップをネタとしたギャグを繰り返し行いますが、やっぱこれはアレですか、容姿よりも性格が重要だという人に対して、このロボット娘に萌えてみろという作者の挑戦なわけですねわかります。いや、本当かどうかはわかりませんが……。

 以上のような、ネタ的、意欲的な部分は面白いのですが、ストーリー的には正直フツーで、やっぱりこの作者は、「宇宙家族カールビンソン」や「るくるく」のような日常コメディが一番面白いなー、と再確認させられた感じでした。るくるくも最終巻はまだですが本誌では完結済ですし、また次の日常コメディ、もしくはカールビンソンの続き……は無理かなー。まぁ無理とは思いますが、今後も読み続けますので、期待し続けたいと思います。

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2008/12/04

るくるく

Img116 あさりよしとお 著。月刊アフタヌーンにて2001年連載開始、現在も連載中。単行本9巻まで以下続刊。

 ボロ借家に住む中学生、鈴木六文がある朝目覚めると、そこには瑠玖羽と名乗る悪魔の女の子とその従者のブブがいて、たった一人の家族である父、三文が死んでいた。六文はるくの外見、仕草に惑わされそうになりつつも三文が死んでいることを問いつめるが、実は三文を殺そうとしたのは見た目中学生の天使、ミカエルであり、ブブが死にかけていた三文の魂を集めて、黒猫として転生させてくれていたのだった。こうしてやや釈然としないままも、六文とるく、ブブ、そして黒猫になってしまった父、三文の奇妙な共同生活が始まった。

 舞台は現代日本になりあさりよしとお流の萌えも含ませた形にはなっていますが、代表作「宇宙家族カールビンソン」の雰囲気をそのままに、宗教関連のブラックジョークをふんだんに織り交ぜた良作となっています。読むと、今も昔もあさりよしとおは変わってないなー、とある意味安心できます。こういうナンセンスな設定、どこかおかしい周囲の人々、主人公が一番フツー、と言う構図がホント好きなんでしょうね。比較的最近完結した「荒野の蒸気娘」も似た感じでしたし。

 そんな中でもるくるくのポイントと言えば、前述の通りあさりよしとお流の萌えが含まれていることでしょうか(もちろん私が勝手にそう判断しているだけですが)。ある意味読者を小馬鹿にした萌えなら他作にも含まれていますが、一般的な萌えとしてはるくは非常によくできていると思います。宗教色の強いブラックジョークはかなり過激な内容ではありますが、あさりよしとおの絵柄ならどぎつくはならないし、ネタの割には全然読みやすいと思います。

 で、ここまで書いておいて、実は私はあさりよしとおのもう一つの代表作、ワッハマンを読んでないんですよねー。そのうち読もうそのうち読もうと思いつつ、早幾年。そのうち読みたいと思います。文庫版でも出ないかしら。

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