金田一蓮十郎

2009/12/11

アストロベリー

Img525 金田一蓮十郎 著。月刊少年ギャグ王にて1999年連載開始。同誌休刊に伴いコミックバウンドにて仕切り直し連載再開。同誌休刊に伴いガンガンパワード、ガンガンYGと掲載誌を移し、ガンガンYG休刊後は約3年の連載中断期間を経て増刊ヤングガンガンに移り、現在も連載中。単行本2巻まで以下続刊。

 見たところおとなしく、騒がしくなく、自己主張強くなく、目上の者に従順。そんな奴隷用、ペット用として最適と思われる人格をコピーして作った2人の人間、男子中学生のチョコと成人女性のバニラの性格は、片や反抗的で心配性、片や淫乱で出しゃばりと、元人格となる女子中学生、桜まことは似ても似つかないようなものであった。従順な地球人を複製して自分の星で販売することで大もうけを企んでいた科学者ベティは、この失敗の原因究明のため、元人格となるまこを詳しく監視、調査することを決意。そのためにチョコ、バニラと共にまこの家の隣の空き家に住み着くが……

 そんな出だしの、ドタバタコメディー。今回はこんな作戦でまこのことを調べよう、という感じの実験系の作品でもあります。作者曰くラブコメとのことですが、個人的にはラブコメとはちょっと違うかなー、という印象。その理由は、おそらくチョコの存在ですね。「ジャングルはいつもハレのちグゥ」シリーズで言うところのハレであるチョコの存在はあきらかに主役級であり、ベティとまこのラブコメディをメインにするには、ちょっと邪魔だと思います。また、肝心のベティとまこが、お互い恋愛感情を全然持っていないというのも大きな問題です。話が進んでいけば徐々にラブコメになっていくとは思いますが、展開は遅いのでそれもまだまだだと思いますし、当分はこのままなんじゃないのかなー、と思っています。ドタバタコメディーとしては十分面白いので、別にかまわないんですけどね。

 作者はつい先日、代表作である「ハレグゥ」を完結させ、現在は「ニコイチ」や今作を連載しつつ、月刊少年ガンガンでの新連載を準備中、というところでしょうか。私はハレグゥの頭身の低かった初期の絵柄が好きだったので、新連載は頭身を落としたものがいいなー、なんて思っているのですが、絵柄は変わっていくものですし、それは難しいのかなー。

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2009/07/28

ニコイチ

Img392 金田一蓮十郎 著。ヤングガンガンにて2004年より連載中、単行本6巻まで以下続刊。

 須田真琴が大学生の時、つきあい始めて1年が経つ年上の彼女、成美は、交通事故で死んでしまった。残されたのは真琴と、真琴も知らされていなかった、2歳半の成美の息子、祟。成美には身寄りが無く、このままでは養護施設へ送られてしまいそうになる祟を、真琴は養子とすることを決意する。だが2歳半の祟には母の死など理解できるはずもなく、母がいないという事実にただ泣きわめき、母の臭いである化粧品を握りしめたまま泣き疲れて寝てしまう、という毎日を過ごしていた。そして真琴は、決意する。少しでもうまくいく可能性があるのなら、自分がこの化粧品を使って、祟の母のフリをしてみよう、と。――そして8年後、小学6年生になった祟は、立派な男の子に成長していた。そして29歳となった真琴は、祟の前では未だ女親として、女装してすごす日々を送っていた……。

 そんな出だしの、女装ラブコメ。一般的な女装要素付きのマンガとは違い、主人公、真琴には女装癖や性転換願望等があるわけではなく、30までには祟にカミングアウトしたいと思っている、という設定です。親子が2人で暮らしているという設定で、8年間親が子供に対し性別を偽り続ける、かつ親子仲は非常に良い、というのははっきりいって不可能、あり得ないとは思いますが、その部分だけはファンタジーとして目をつむって読むことができれば、コメディー作品として非常に楽しめると思います。

 最終目標は今も昔も祟にカミングアウトすることですが、序盤~中盤のストーリーとしては、真琴は女状態の時に知り合った藤本菜摘という女性と仲良くなるが、男状態ではかなり嫌われている状態なので、本当の事を言えるはずも無いところに、なんと菜摘が女同士だけど好きですと真琴に言い寄ってくる……という感じの、この手の作品としては王道な展開で進んでいきます。一歩間違えればすべてが終わる危険な橋を渡りまくってはいるのですが、あくまでコメディ作品ですので、常にギリギリになりつつも、良い方、良い方へと話は進んでいきます。このあたり温いと言われればその通りですが、私的にはこのくらい温いのがちょうどいいので、不満はありません。現在、菜摘とはすべての誤解を解き、その上で良い関係を築けているので、残る大きな試練は祟へのカミングアウトだけと言えそうですが、さてはて果たしてどうなることやら。ハッピーエンドになることは疑っていませんが、どうやって締めてくれるのかには、非常に期待しています。

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2009/02/03

ジャングルはいつもハレのちグゥ

Img192  金田一蓮十郎 著。月間少年ガンガンにて1997年~2002年にかけて連載、全10巻完結。現在は同誌にて完全なる続編の「ハレグゥ」を連載中、単行本8巻まで以下続刊。

 ジャングルの村に住むハレは、家庭用ゲームが大好きな10歳の少年。だらしない母親のヴェダと二人で、それなりに平和に暮らしていました。そんなある日、ヴェダがグゥという孤児の女の子を引き取り、家に連れてきます。当初は物静かな美少女と言った風貌のグゥでしたが、実は彼女は無愛想で何事にもかったるそうな顔をしながらハレに対してちょっかいを出すという、はた迷惑な女の子だったのです。しかもグゥには、あらゆるもの(生物も含む)を飲み込んで、それを体内の不思議空間に入れたり出したりという、もう人間とは言えないようなわけのわからない能力まであったりしました。果たしてハレの平和で平穏な日常は、いつになったら戻るのでしょうか……。

 ストーリーギャグ。平凡な少年であるハレが、さまざまなトラブルに巻き込まれていくのが基本です。トラブルメーカーは基本グゥですが、グゥは発生したトラブルを意図的に大きくするという役割ももっています。ギャグの中にもハレの父親の件や母ヴェダの実家の秘密などわりと重いテーマも含まれていて、ストーリー部分はそれらの謎を追っていく感じです。だけど基本ギャグなので、重い感じはありません。正体不明なヒロインであるグゥのトリックスターっぷりと、ハレのツッコミが楽しい作品です。

 現在は「ハレグゥ」として連載中ですが、内容は完全につながっていますので、配役に変更はありません。変更点は、舞台がジャングルだけでなく、ヴェダの実家がある街(コンクリートジャングル)もよく使われるようになった、ということくらいですかね。ハレのちグゥが10巻で終わったので、ハレグゥも10巻で終わるかも? とか勝手に思っていたのですが、それだとそろそろ本誌最終回だと思うので、違うかなー?

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