緋采俊樹

2009/08/20

ひもろぎ守護神

Img416 緋采俊樹 著。週刊少年チャンピオンにて2002年~03年にかけて連載、単行本全5巻完結。

 怖い目にあうとすぐに気を失ってしまうという小学5年生、聖舞咲(ひじり まさき)の中には、本人は知らなかったが、実は舞咲が産まれると同時に交通事故で死んだ、兄の勝己(まさき)の魂が同居しており、舞咲には気付かれることのないまま、妹のことを守り続けていた。林間学校での霊騒動をきっかけに、そのことに気付いた舞咲の心友である藤崎愛梨は、幼少時に舞咲に命を助けてもらったことが、実は勝己に助けてもらったのだということに気付き、勝己と心を通わせる。だが、勝己の出現頻度が増えることで、自分の記憶がよく途切れるようになってしまった舞咲は、自分が何かに取り憑かれているんじゃないかと心配し始める。そんな折、クラスに転入してきた祓い屋の息子、榊天国(まほろば)は、舞咲に憑いているのは兄であると公言。ショックを受ける舞咲のチャンネルを開き、勝己と話せるようにしてしまう。舞咲にとって勝己とは、いたことすら教えられていない存在。魂が同居していることに今更気付かれてしまえば、舞咲の性格上耐えられるはずもなく、勝己は愛梨とも別れ、成仏しなければならない。だがそれでも、妹と話せるというこの機会を、勝己は逃すことはできなかった……。

 そんな出だしの、霊能ストーリー。ストーリー部分とコメディー部分の比率は、6:4くらいでしょうか。上記はおおよそ4話までのあらすじで、この後勝己は紙型に移されるが、実は舞咲には、神が憑依しやすくしかも憑依した神の言うことをきかせられる、というひもろぎとしての力があり、勝己がいた部分を悪霊共が狙って集まってきてしまうため、勝己を成仏させることは不利益にしかならない、という感じでとりあえずは決着します。序章が長い作品と言えるのでしょうが、ちょっと前提としての設定が複雑だったので、仕方のない部分とも言えるでしょう。全5巻と短い作品ではありますが、展開させたストーリーもきっちりとまとめきり、非常に読ませる作品でした。最終回とその後日談は、今読んでもほろりと来ます。不要な展開は一切無しという感じで、もうちょっと遊びの話があっても良かったかなー、と思わないでもないですが、下手に中だるみするよりかはこちらの方が良かったんでしょうね。雑誌で読んでいた頃は終盤に唐突感がちょっとありましたが、単行本になってみるとそんなことは無いという、不思議な作品でもありました。

 作者はその後、新作を発表することもなく、HPの更新も止まってしまい、どうなってしまっているのかと思っていましたが、つい先日の週刊少年チャンピオンにて、約6年ぶりに代表作「ゲッチューまごころ便」の新作読み切りを発表。久々に作者の作品が読めて、本当に良かったです。願わくば、次の連載も、ゆっくりでいいので期待しています。

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2008/12/21

ゲッチューまごころ便

Img134 緋采俊樹 著。週刊少年チャンピオンにて1998年~2001年にかけて連載。全17巻完結。

 中堅宅配会社まごころ便の次期社長(予定)、後藤紅男は、今日も高校をサボって家業の手伝いに大忙し。お客様のためと思う余り、時に常軌を逸した行動をしてしまうせいで、現社長の父親、炎やオペレーター兼配達員の姉、火呼には毎日のように殴られるけど、それも愛情あってのこと。心友の葛西信幸や幼なじみの山川コトミ、商売敵であるツバメ便配達員佐古田優二らとバカをやったり手伝ってもらったりしながら、今日も荷物だけじゃなく、まごころもお届けいたします。

 そんな感じの、宅配便コメディー。ギャグのテンポが非常に秀逸で、たたみかけるようなツッコミやボケの連発は、本当に笑えます。メインキャラ複数人がからんで話をつくり、罠にはめられた方もはめた方も、ラストはほぼ全員がそれぞれ不幸な目にあう、という見事な多段オチがよくあるのも特徴。連載開始時の紅男は高2でしたが、高3、ダブってもう一度高3、卒業、と巻数を重ねるごとに、徐々に人情話も増えていきます。全17巻でキャラもけっこう増えましたが、最後はきっちりまとめきり、おめでとう、これからもがんばって、と思える良い終わり方となりました。

 作者はその後、2002~03年にかけて「ひもろぎ守護神」(そのうちレビュー予定)というオカルトギャグを連載していましたが、それを最後に作品発表無し。体調不良だという噂は聞いたことがありますが、OHPも閉鎖されてしまい、放置状態の携帯用HPが残るのみ。どうしちゃったのかなー。いつかまた帰ってきてくれる日を心待ちにしています。

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