天野こずえ

2009/09/06

あまんちゅ!

Img433 天野こずえ 著。月刊コミックブレイドにて2008年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 高校入学を機に東京から伊豆に越してきた、引っ込み思案な性格の女の子、大木双葉は、入学初日に物事すべてを楽しそうに行う不思議な雰囲気を持った女の子、小日向光に出会う。偶然クラスも同じ、席も縦並びだったこともあり、光になつかれてしまった双葉は、次第に光のその物事のとらえ方に感化されていく。そしてダイビングが趣味だった光に半ば強引に連れられ、高校のダイビング部の部室を訪れた双葉は、そこで水と触れあうダイビングの楽しさ、心地よさを体感してしまい、ダイビング部への仮入部を決意する――。

 そんな出だしの、ダイビングを題材にしたハートウォーミングな学園ドラマ。1巻時点ではダイビングのシーンはほとんど無く、今後2人がダイビング部に本入部して、海中の描写はそれから、ということになるのでしょう。主人公は光と双葉の2人でいいのでしょうが、ARIAの作者の新作と考えると、メイン主人公はあくまで光なのかなー、とは思います。ただ双葉も、ダイビング初心者ということと、東京から越してきた深い理由があるらしいがまだ描かれていないということで、成長物語の主人公としてのポテンシャルは十分秘めていると思いますけどね。清涼感、爽快感を携えた絵柄は今作でも健在で、ARIAでは描かれなかった水中の世界を今後どう表現してくれるのか、非常に楽しみです。

 べた褒めではありますが、気になった点が一つだけ。以前から作者の作風として場面場面でSDキャラ(もしくは表情のSD化)が出てくることがあるわけですが、今作においてはその頻度がちょっと多いかなー、と思いました。1巻だけでも何度も、ここはSDじゃなくてシリアスな表情の方が良かったのに、という場面がありましたね。慣れの問題なのかもしれませんが、シリアスな表情のシーンはシリアス、SDキャラのシーンはコミカルだと思いますし、そう考えるともう少しSDの頻度を減らすべきなんじゃないかなー、と思いました。

 まだまだ1巻でストーリー的にはスタートしたばかりですが、ARIAの作者である以上今後の心配なんてする必要もないでしょうし、末永く読んでいきたいと思っています。

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2008/12/27

ARIA

Images 天野こずえ 著。月刊ステンシルにて「AQUA」というタイトルで2001年連載開始、同年一旦終了。2002年にタイトルを「ARIA」に変更し、月刊コミックブレイドにて連載開始、2008年完結。単行本AQUA全2巻、ARIA全12巻。

 テラフォーミングされ、アクアと呼ばれるようになった火星の都市、ネオ・ヴェネツィア。そこは地球のヴェネツィアのように水路が張り巡らされた水上都市であり、ウンディーネと呼ばれる女性のゴンドラ漕ぎたちが、観光客を乗せて案内をしながら、優雅なオール捌きを披露する姿を見ることができた。ゴンドラ会社ARIAカンパニーに籍を置く、地球からやってきた少女、水無灯里は、先輩であるアリシア・フローレンスの指導を受けたり、四季折々の自然を肌で感じたりしながら、友達となった藍華やアリスらと共に、一人前のウンディーネを目指して今日もオールを握るのであった。

 ハートウォーミングな環境漫画とでも言えばいいのでしょうか。ストーリーを追うとか特に何も考えず、1ページ1ページをただ読みつづるだけで、気持ちが落ち着き、心が暖かくなってくる漫画です。透明感、及び清涼感のある絵柄は作品によくマッチしており、より一層読後感を良い物としています。そしてこれはもう作者の力量としか言いようがないのでしょうが、この作品は話のネタになる設定がたくさんあったにも関わらず、その大半を使うことなく(必要なく)完結まで持っていってしまった、という希有な漫画でもあります。普通の漫画であれば、伏線回収しろよー、ということになるのでしょうが、この作品においては、そんな考えは不要ですね。心にじわりと染みこむ、とても良い作品でした。

 褒めてばっかなので無理矢理問題点を上げるとすれば、すべては悪人が存在しないことを前提につくられた世界に見える、ということでしょうか。薄く、脆い世界に感じるわけですが、それが逆にこの作品の印象を強くしているのかもしれません。それと、キャラの名前に縛りをつけるのはどうかな、とは思いました。縛りをつける理由があるのならいいと思いますが、見た感じは無いと思いますし。あとは、賛否両論あった最終回のアリシアさんの結婚に関しては、確かに唐突感があったのは否めませんでしたね。それだけアリシアさんが愛されていたキャラだった、ということなんでしょうけど。

 作者は現在、月刊コミックブレイドにて「あまんちゅ!」を連載中。実はARIAシリーズ以外の作品を読んだことがないので、機会を見つけて読んでいきたいと思っています。

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