栗橋伸祐

2009/09/08

まにぃロード

Img435 栗橋伸祐 著。月刊コミック電撃大王にて2001年~03年にかけて連載、単行本全3巻完結。

 生粋のモデラー系オタク、武藤武蔵(たけぞう)は、ある日秋葉原の裏路地で行き倒れていた所を、衣島電器店を営むはるな、青葉、いすずの三姉妹に助けられる。だがその電器店は、3年前に死んだ三姉妹の父の高額な医療費が未だ返せず、まさに潰れる寸前という状態であった。ふとしたことから、この死んだ父というのが幻の艦船モデラー「衣島元男」であることを知った武蔵は、恩返しとして店を守るため、人脈を尽くして真の艦船好きを店に集め、衣島氏の作品のほとんどを売却。オタクを毛嫌いする次女、青葉には睨まれたものの、借金を返せるだけの収益を上げることに成功する。だがそんな、ある意味他人の遺品を勝手に金銭に換えてしまった武蔵ではあったが、とある3隻の艦船だけは売ることができなかった。それは、他の作品に比べて桁違いの完成度を誇る、三姉妹の名前の元となった艦船、戦艦榛名、重巡青葉、軽巡五十鈴の三隻であった……。

 そんな出だしの、オタク文化全般をネタとしたコメディ作品。上記あらすじは第1話のもので、この後電器店を好きに使っていいと言われた武蔵が店をオタクショップへと生まれ変わらせていく、というのがおおまかなメインストーリーです。ところが実際には、ジオラマ、コスプレ、サバゲー、MMORPG、ボードゲーム、テーブルトーク、同人誌、フィギュア、ドール、コミケ、etcetc……と様々なオタク文化を取り上げながらのストーリー展開となるため、ショップ経営マンガというよりは、オタク文化マンガと言った方が正しいのでしょう。様々な分野の蘊蓄とそれに関連するネタが、読んでいて非常に楽しい作品でした。個人的に好きだったのは、MMORPGをネタにした回かなー。また、オタクだけど熱い武蔵という主人公像は、どことなく島本和彦を連想させますね。まったく関連は無いのでしょうが。

 まにぃロード最終回では、武蔵はアメリカへ新規店舗立ち上げに旅立ってしまったわけですが、その武蔵が○年ぶりに日本に帰ってきた、みたいな新連載をやってくれたりしないものでしょうか。現在作者はMC☆あくしずにて「黒鉄ぷかぷか隊」を連載中ですので、今すぐというわけには行かないんでしょうが、そのうちそういう作品を読めたらいいなー、と密かに期待しています。数年単位で秋葉原の模様も変わっていますし、いけるんじゃないかと思うんだけどなー。

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2009/03/12

ダンジョン・マスター

Img248 栗橋伸祐 著。月刊コンプティークにて1991年~92年にかけて連載、全1巻完結。

 かつて、大魔道士グレイ・ロードは、「炎の杖」と「呪文の力」を使い、太古の昔に生命を創造したと言われる「力の石」の力を蘇らせようとするも、失敗。世界は混乱に陥り、グレイロード自身も、秩序を司るロード・リブラスルスと混沌を司るロード・カオスに分離してしまった。その後、ロード・リブラスルスの呼びかけに応じ、数多くの勇者が炎の杖を求めてダンジョンへと挑んだが、そのすべてがロード・カオスの前に力尽きてしまう。師であるグレイ・ロードが分裂した時に、その影響で実体を失ってしまった弟子、セロンは、ロード・リブラスルスの言いつけ通りに4人の勇者を蘇らせ、再びダンジョンへと導くこととなる。だがその一方、セロンはロード・リブラスルスの中に、グレイ・ロードとは違う危険な物を感じ取っていた。

 1987年に発売されたPC用RPG「ダンジョン・マスター」のコミカライズ作品です。あらすじは上のような感じですが、ゲームとしては24人の勇者から4人を選び、ダンジョンに潜って炎の杖を捜す、というものです。作中でもその流れを踏襲し、ゲームのラストのネタバレとなる部分までしっかりマンガにしているのが、今考えるとすごいなー、と思いました。ただそのおかげで、ゲームをやったことがない人や、内容を忘れてしまった人でも話が最後まで理解できるわけで、それはそれで良かったかな、と思っています。

 ゲームの事をちょっと語りますが、現在ではFPS+RPGと表現できるであろうゲームシステムは、当時としてはものすごく斬新でして、コマンド形式のRPGに比べ段違いの緊張感を持ってダンジョンに挑んだものでした。通路を曲がった先にスケルトンがいたので、出てくるのを待ちかまえていたら、回り込まれて後ろから不意打ちされてちょーびびった、というのを私はきっと一生忘れないと思います。このあたりは、寺島令子「墜落日誌」でも色々ネタにされていて、面白おかしく読んでいたものです。いやー、古き良き時代の思い出ですね。

 作者の栗橋伸祐ですが、現在はMC☆あくしずにて「黒鉄ぷかぷか隊」を連載中。艦長以外の乗組員が全員女性という、太平洋戦争時の通商破壊艦を舞台とした、わけのわからない(褒め言葉)架空戦記マンガです。何年経っても変わらない絵柄とスタイルだなー、と思いつつも、続きを楽しみにしています。

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