叶恭弘

2009/10/02

エム×ゼロ

Img460 叶恭弘 著。週刊少年ジャンプにて2006年~08年にかけて連載、単行本全10巻完結。

 もし魔法が使えたとしたら、どんな事をしてみたいですか? と面接で聞かれ、世界征服と答えたがために同席していた女の子に吹き出されてしまい、私立聖凪高校の受験に失敗してしまった男、久澄大賀。その時の女の子の事が忘れられず、聖凪高校までこっそりやってきた彼だったが、敷地外にいたところを授業を抜け出そうとしていると勘違いされ、そこの先生に捕まってしまうのだが、その先生はどうみても空中に浮かんでいた。さらに自分の腕と先生の腕が合体したり、自分の首がネジになって身体から抜けてしまったりと、久澄は信じられない光景を連続で目の当たりにしてしまう。そう、不合格だった彼はもちろん知らないのだったが、この学校は魔力が強力に生まれる魔法特区に存在する、魔法の使い方を覚える学校なのであった。校内を逃げ回り、なんとか面接の時の女の子、柊愛花と再開した久澄だったが、最終的には先生に捕まり、規則ということで学校内での記憶を全て消去されそうになってしまう。学校のことなんてどうでもいい、だけどあの女の子の事だけは忘れるわけにはいかない。そう思った久澄は……。

 そんな出だしの、魔法という非日常をテーマとした学園コメディー。魔法を使うにはプレートが必要で、能力に応じてプレートのレベルも上がっていく。応用は色々効くので、資質や努力ももちろんだけど、ひらめきも重要、という感じです。物語はこの後、久澄は聖凪高校に入学するものの、新規のプレートはいつでも作れるわけではないため、魔法は使えないまま。しかし使えないことがバレると退学になるため、使えるフリをしなければならないのだが、魔法学校だけあって、魔法を使う授業もたくさんあるわけで……という感じで進んでいきます。そして2巻でようやく手にするM0(エムゼロ)プレートは、それ自体は魔力を持たない物の、他人の魔法を消すことができるという見事なまでの主人公系能力。内容的には魔法がある以外はフツーの学園コメディーなわけですが、オリジナル要素である魔法パートが非常に面白い作品であり、作者の都合で終わってしまった(らしい)のが、本当に残念な作品でした。

 作者は前作「プリティフェイス」も、同じような終わり方をしてるんですよね。同じマンガを描き続けるのが苦手(読み切りを描くのが好き)ということらしいですが、これだけ面白い作品を描けるのに、それが苦手っていうのは、作者にとっても読者にとっても不幸な話だよなー、と思ってしまいました。なんて言うんでしょう、正直、途中で終わってしまうのなら、最初から読みたくなかった、みたいな? いずれまた連載をはじめるのでしょうが、どんなきっかけでもいいので、次回こそはきちんと最後まで終わってくれればなー、と思っています。当初から全5巻程度の構想にしておくとかで、なんとかなったりしないのかなー。

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2009/02/20

プリティフェイス

Img215 叶恭弘 著。週刊少年ジャンプにて2002年~03年にかけて連載、単行本全6巻完結。

 成華高校空手部所属の三年生、乱堂政は、体格は小柄だが実力は全国レベルの持ち主。向かってくる相手には躊躇せず暴力を振るうが、卑怯な事は嫌いという硬派な部分も持ち合わせている。そんな乱堂にも、二年生の栗見理菜という思い人がいたのだが、女性に免疫の無い乱堂には、そのことを言い出す勇気は無かった。ところがある日、乱堂はバス事後に巻き込まれ、意識不明の重体に陥ってしまう。そして一年後、ついに意識が戻った乱堂だったが、顔が焼けただれて身元がわからなくなってしまっていたため、密かに持っていた理菜の写真そっくりに整形されてしまっていたのだった。さらに、自分が死んだことになっていると知らされてりショックを受ける乱堂だったが、写真さえあれば元の顔に戻れると思い、街に飛び出す。だが乱堂が寝ていた1年の間に、彼が死んだと思った家族は傷心から引っ越してしまっており、家のあった場所は空き地になってしまっていた。呆然として街をふらつく乱堂だったが、その時不意に、「お姉ちゃん?」と声がかけられる。目を向けるとそこにいたのは、乱堂の思い人、栗見理菜であり、自分と顔がそっくりな乱堂のことを、自分が原因で家出した双子の姉、由菜だと思いこんでしまったのだ。記憶喪失ということにして場をごまかす乱堂だったが、今ここで逃げ出したら、由菜が再び自分のせいで家出してしまったと、理菜を悲しませてしまう。かくして乱堂は、由菜になりかわって理菜と同じ屋根の下で暮らし、同時に由菜を捜すこととなる。そしてそれは、女性に免疫の無い乱堂にとって、受難の日々のはじまりなのでもあった。

 以上が、第一話50Pの、前半30Pの内容。改めて思いましたが、なんという内容の濃さ。パンチラ、ハダカ、下ネタ満載のラブコメディですが、メインとなるストーリーはしっかりしている点と、主人公である乱堂が硬派でウブという性格のおかげで、ありがちなエロコメではなくなっていると思います。女装物に付きものの、この展開で女装がバレないわけがない、というツッコミはやはりありますが、それが気にならないくらい面白い作品でした。全6巻で一応まとまって完結というわけですが、もっともっと続いて欲しかったです。

 作者はその後、同じくジャンプにて「エム×ゼロ」という作品を連載、完結済み。プリフェと似たタイプの主人公とヒロインが出てきて、現代世界+魔法という組み合わせの作品で、プリフェに敗けないくらい面白かったのですが、これまたもっと続いて欲しい作品でありました。

 両作とも消化不良な終わり方だとは思うのですが、でも打ち切りというわけではなく、作者の意向? らしいんですよねー。うーん。もしそれが本当なのなら、私個人としては非常に残念です。間があいていいから、また続きを描いてくれればいいのに。

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