モリタイシ

2009/11/15

まねこい

Img500 モリタイシ 著。ゲッサンにて2009年より連載中、単行本1巻まで以下続刊。

 美園高等学校2年生の薗田波留の片思いの相手は、成績優秀、眉目秀麗、運動神経も性格も良いというハイクオリティーなクラスメイト、本田知華子。だがある日波留は、彼女が学校帰りにカラオケスナックに入っていくところを目撃してしまう。さらにはショック状態のところをヤクザの押し売りに捕まり、恋愛ごとに効くというピンクの招き猫を5000円で買わされてしまった波留だったが、なんとその招き猫はある意味本物だった。波留が招き猫に願いを言った直後、なんとまねきワールドの住人であるという招木猫太郎が出現し、右手を上げた招き猫の基本通りに金を招いてくれると言うのだが……。もちろん、波留の願いは金運ではなく、本田知華子の事をまだあきらめたくない、というものであったのだった……。

 そんな出だしの、ちょっとSFチックなラブコメディー。ストーリーの基本はオーソドックスなもので、そこにあたかもドラえもんのような立ち位置の招木猫太郎が現れ、不思議な道具を使って波留のサポートをしたり、会話によるアドバイスをしたりする、という感じです。ラブコメ部分はそもそも作者の得意とする部分でしょうから問題なく面白いわけですが、別の部分で興味深いのが、この手のファンタジー設定マンガの禁句部分にあえて踏み込もうとしているところ。例えば招木猫太郎は人間界とは別次元にあるまねきワールドからやってきたわけで、そこには猫尻エリカというグラビアアイドルがいて猫尻クイーンという二つ名で呼ばれているとか、まねきワールドには政府があって招王(マネキング)が治めているとか、猫太郎が関西弁だとか、フツーに考えたらツッコミ所満載なわけですが、こういうのはギャグ部分として本来は笑ってスルーすべき部分でしょう。ところが作中では、波留が猫太郎に対してそういった部分を論理的にツッコんでるんですよね。果たしてこのツッコミすらがギャグなのか、それとも来るべき日のための伏線なのかはわかりませんが、もし伏線だったとしたらちょっとすごいなー、と期待しています。

 展開は非常にゆっくりなため(これでも作者は早くしたらしいですが、早くはないと思います……)、総合的な判断はまだまだできそうにないですが、現時点では恋愛部分もコメディー部分も噛み合っていて面白いとは思います。考えてみると、前作「RANGEMAN」があまり盛り上がらなかったのは、恋愛部分と変身ヒーロー部分のベクトルが違ってたのが原因だったんじゃないかと思うんですよね。その点今作は、猫太郎が絡むコメディー部分もベクトルは恋愛部分と同じなわけで、今後にも期待できるんじゃないかと思っています。

 作者は現在、月刊スピリッツにて「今日のあすかショー」というショートギャグも連載中。天然にエロい主人公の日常マンガという感じで、こちらも面白いです。ぜひこの2作品で成功を収め、いつかまた、週刊少年サンデーに戻ってきてくださいませ。

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2009/03/07

いでじゅう!

Miz1

 モリタイシ 著。週刊少年サンデーにて2002年~05年にかけて連載、単行本全13巻完結。

 かつては強豪だった県立伊出高等学校柔道部の新部長は、1年生の林田亀太郎。2年生部員がいないため大役を引き受けることになった林田だったが、部長就任と同時に半ば騙されて入部させられていた1年生の約半数が辞めてしまい、残った部員も基本的には善良だが度を越えたスケベだったり変態だったりと前途は多難。だがそんなペース握られっぱなしの中、林田が密かにあこがれていた同級生、森桃里がマネージャーとして入部することとなり、林田のテンションも大幅アップ。このようにして伊出高柔道部のわりとどうでもいい物語は、始まりを告げたのであった。

 スポーツ物と見せかけて柔道は単なる手段であるラブコメディ。登場人物に一般人が少なく、みんなどこかしら変なのですが、やってることは王道であり、そのギャップが笑えて楽しい作品でした。また全13巻、作中で2年という期間で、林田と森さんが出会って付き合うようになる過程が丁寧に描かれており、恋愛物としても良く描かれた作品だと思います。面白かったです。

 作者はその後、「RANGEMAN」という変身ヒーローラブコメを同誌にて連載、完結済み。やりたいことはなんとなくわかるんだけど、ちょっと変にひねりすぎでイマイチだったなー、というのが私の感想でした。変にひねらなくていいので、また王道の作品が読みたいなー、と思います。

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