東村アキコ

2009/11/24

ひまわりっ ~健一レジェンド~

Img509 東村アキコ 著。モーニングにて2005年より連載中、単行本12巻まで以下続刊。

 美術大学を卒業したものの就職先が見つからず、地元に戻って父が勤めている「南九州テレホン」にコネで入社した林アキコだったが、それは可能な限り避けたい道であった。なぜなら彼女の父、健一は、さっきまで笑顔だったのに理不尽な事でいきなり不機嫌になったり、自分の言いたいことは言いまくるくせに他人の言うことは耳に入らなかったり、そのくせ翌日ケロッと自分の言ったことを忘れていたりという、言動がまったく読めない人だったからなのです……。再度の実家住まい、しかも職場まで同じとなり、父の言動に振り回されて過ごす日々がまた始まるのではないかというアキコの不安は的中。出社初日から、これが私の娘ですと大声で紹介されまくったり、ほとんど目立たないマニキュアを本気で怒られたりと、気の休まらない日々が始まってしまうのでした……。

 そんな出だしの、作者の実体験を元にしたドタバタコメディー。父、健一の言動はある意味天然、しかし迷惑極まりなく、空気を読めないというよりは、読もうと思いもしない、という感じですね。ネタとして読む分には非常に楽しいのですが、作者曰くほぼ実話とのことなので、もう笑い話にでもしないとやってられない、という感じなのかもしれません。ストーリーはこの後、アキコの会社に観葉植物を納めている興梠健一という天然口下手な男が出てきたり、アキコが投稿したマンガが入選してデビューしたりと、どこまでがフィクションでどこからがノンフィクションかが相変わらずわからない調子で進んでいきます。興梠健一絡みの話は徐々にラブコメというか三角関係物に発展していき、アキコの漫画家としての成長との二本柱になっていくんですが、正直言って、三角関係部分がちょっとイマイチ。特に最新12巻に出てくるウイング関先生という人の空気の読めなさっぷりにアキコが邪魔をされるくだりは、ウイング関先生の性格にむかつくというよりも、三角関係の舞台を演出するためにウイング関先生を無理矢理動かしてる、という気がしてしまい、展開としては非常に不快です。ここもほぼ実話なんですということであれば仕方がないのかもしれませんが、そうでないのならちょっと勘弁してほしい感じですね。

 もともとこの作品は、作者のもう一つの代表作である「きせかえユカちゃん」の巻末で、父の数々の笑える伝説を暴露するというオマケマンガとして描かれていたもので、ドタバタコメディー部分が非常に楽しい作品だったんですよね。連載化した後もそういった基本となる部分は本当に楽しいのですが、今となっては下手に三角関係は入れず、ドタバタコメディーのみで行っていたほうが良かったんじゃないかなー、とどうしても思わざるをえませんでした。

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